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概要

日本国有鉄道が開発した軌道検測車。

1959年から1981年までに10両が製造された。


鉄道線路は、列車が通過することで次第に狂いが生じる。この狂いの検測は作業員の目視に頼っていたが、列車の本数増加と高速化が進んだことで作業の効率化が求められるようになった。このため、列車として通常の速度で走行しながら検測を行う車両の研究が鉄道技術研究所により進められ、本形式が開発された。

通称は「マヤ」「マヤ車」。検測作業は「マヤ検」と呼ぶ。


構造

ベースとしては当時製造が進められていた軽量客車10系に準ずるが、車体長が1号は17.5mで2002以降は18.04mと短く、検測精度を高めるために走行時の振動による車体中央部のたわみが±0.25mm以下と非常に頑丈な構造になっている。このように車体が短くなっているのは車体自体が両端の台車の首振り角と中間台車の偏移で線形を割り出す計測器となっており、その定義から両端台車間隔が10mと決められているため。車体の高い剛性も、その必要から高められたものである。


車内には測定室の他、寝室もあり長期間の検測運行にも配慮されている。各種検測・記録装置や冷房装置等の電源として発電用ディーゼルエンジンを車端部に搭載するので牽引車両、電化非電化問わず運転可能。


走行および測定に用いる台車は5m間隔で装着され、1号はTR56形、2002以降がTR202A形を3基装着する。得られたデータは記録紙に記録されるが、記録紙のことを本形式にちなみマヤチャートと呼ぶ。


連結器はありとあらゆる車両との連結を想定して自動連結器密着連結器を備えた双頭連結器を装備し、ブレーキも電車用の電磁直通ブレーキ(自動ブレーキがバックアップとして存在)。当該線の建築限界が許容すれば、JRや第三セクター以外の私鉄線へ貸し出されて検測することも可能(東急線など)。ジャンパ栓を各種用意することで、電車の中間に挟まって運用されることも多々あった。


運用

運用には決まったパターンが無く、単体での検測を基本に、旅客列車や荷物列車に増結して検測を行うことも多かった。

当時は技術的に最先端だったことから、東急電鉄小田急電鉄といった大手私鉄にも貸し出された。貸出先が機関車を保有していない場合は、電車で挟み込んで運用した。


JR化後は9両が旅客各社に継承されたが、老朽化と後継車両(JR東日本East-iJR東海ドクター東海JR西日本キヤ141系JR北海道マヤ35)の導入により廃車が進行。

2023年時点ではJR九州の2009号のみが現役である。


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