概要
スペインの急峻な地形を走破するために開発された高速客車。
なんでこんなへんてこな客車が開発されたのかというと、
- スペインは山が多く、それにより曲線も多数存在する
- スペインの鉄道は(AVEを除き)1668mm軌間を採用しており、カーブでは普通の台車だと車輪がやたらめったらすり減る(レールの幅が広いと、曲線で左右の車輪の速度差が大きくなるため)
という理由がある。
この問題を解決するため、タルゴは以下の様な独特の仕様となっている。
一軸台車による連接構造
タルゴの最大の特徴がこいつ。一軸式の台車である。
これにより低重心化と曲線通過速度の向上を実現している。
左右独立式の車輪
普通の鉄道車両は左右の車輪が車軸でつながっているが、カーブで左右の速度差が大きくなるスペインの鉄道の事情に合わせるためタルゴの車輪は底床式路面電車やノンステップバスのように左右で独立したものとなっている。このためカーブに車輪を合わせるためステアリング機能も搭載されている。
ちなみにタルゴの特徴の一つに「軌間可変式」や「振り子式」も挙げられることがあるが、これらはどっちも後付の機能である。
そもそもタルゴは「軌間が広い上にカーブだらけのスペインで使い勝手のいい客車」として開発された代物であり、軌間可変式の客車を作るなんてのはタルゴ開発の目的には含まれていなかったし振り子装置を搭載したタルゴも「タルゴ・ペンデュラー(振り子式タルゴ)」なんて別カテゴリー扱いされているくらいである。