概要
伊予鉄道が保有・運用している郊外線向けの車両。自社オリジナル車両+長野電鉄1100系の混結だった600系を置き換えるべく、1995年に2両編成2本が一度限り製造された。
伊予鉄道では珍しい自社発注車。同時期に元京王5000系(初代)由来の中古車・700系が投入されていたが、それだけでは不足するため新造している。
車体は軽量オールステンレス製車体をもち、客用ドアが両開き3扉で、エアコンも完備。一方でメンテナンス面を考慮して東武2000系の台車・京王5000系の機器が再利用されており、この辺が地方鉄道の事情が窺える。
当初はステンレス地にオレンジの濃淡帯だったが、近年のCI戦略でオレンジ色一色となっている。
都市伝説
車体の側面が東武鉄道20000系の先頭車の構体に類似しており、ここから製造元のアルナ工機が20000型の先頭車用に4両分の側板を作っていたが、5扉の20050型への設計変更により余剰となってしまい、折りしも600系置き換えに京王5000系を追加するつもりが他社に取られてしまったところ、アルナ工機からステンレス車の話が持ち掛けられ、格安で伊予鉄道に売ったとの噂が出回った。
真実は設計・製作費軽減のため、製造時期が近い東武20000系の図面を流用しただけであった。東武鉄道と伊予鉄道では車両の建築限界などが異なるため、車体裾の絞り、天井肩部分、車体幅に違いがあり、完全な同一設計ではない。
仮に東武の構体をそのまま流用した場合、伊予鉄の規格に合わない大柄な車体になってしまうため、物理的に使用することが不可能である。
また側面幕板部に謎の小さな表示窓が開けられているほか、妻面貫通路の幅も異なる。
伊予鉄道の公式YouTubeチャンネルに投稿された動画でも、この噂を否定している。