概要
1989年(平成元年)に登場した京阪電気鉄道の通勤形電車。7両編成4本計28両が在籍する。
投入の経緯
1989年(平成元年)の鴨東線開業時の増備車両として6両編成2本と4両編成1本が投入された。京阪電車で初めてVVVFインバータ制御が本格採用された。当時の4両編成は宇治線および交野線で使用されていた。1991年に中間車2両新造され、4両編成1本に挿入されて6両編成となり、1992年には中間車がさらに3両新造されて3編成とも7両化された。1993年から約2年間は一般車の臨時特急運用にも6000系に代わって充当されていた。
1993年、VVVFインバータ制御試験車両であった6000系6014編成の京都側3両を、系列内で制御方式を統一する目的で、改番のうえ本系列に編入し、新造の大阪側4両と組んで、7004編成が組成された。このため、7004編成の京都側3両は前面も含め、6000系と同じ車体形状になっているほか、床下の機器配置も他の7000系の編成とは異なっている。
車体・内装・機器
前面デザインは6000系のイメージを踏襲しつつ、前面ガラス部分の傾斜をなくして垂直になっており、運転時の視認性が向上している。また、側窓の構造が変更され、6000系と比較して窓枠の露出が少なくなっている(7004編成の京都側3両を除く)。この側窓の構造は、6000系7次車以降でも採用されている。
内装では、座席袖仕切りにシートモケットが貼られ、扉付近のつり革の跳ね上げ機構を省略した点が、6000系と異なる。
1988年に新造された6000系6014編成で試験を行っていた制御装置は東洋電機製造で、GTO素子によるVVVFインバータ制御を本格的に採用した。主電動機は200kw(当時は新幹線以外では最大)の大出力の誘導電動機を装備している。最高速度は110km/h(設計上は120km/h)で、起動加速度は6000系より少々上がって2.8km/h/sとなった。
駆動装置はTD平行カルダン駆動方式に代わり、継手の材質については開発当初は特殊鋼を用いていたが、軽量で耐久性に富む炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の継手が本系列で初めて採用された。
改造工事等
2006年から2008年にかけてバリアフリー対応工事が施工された。工事の内容は、LED式車内案内表示器、誘導鈴、車いすスペースの新設などで、7200系列に準じた装備に改良されている。
リニューアル工事
2022年下半期よりリニューアル工事が発表され、7002編成を皮切りに工事がスタートした。内容は6000系とほぼ同等だが、VVVFインバータが更新されたため、走行音が7200系から編入された10000系と似ている。そのほか、防犯カメラ、ホーム検知装置、戸挟み検知装置も設置され、安全性の向上を図っている。
2024年1月21日よりリニューアル車の営業運転を開始、残りの3編成も年に1〜2編成のペースで工事を実施し、2025年度までに全編成のリニューアルを完了する予定である。
性能
編成 | 7両編成4本(28両) |
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営業最高速度 | 110km/h |
設計最高速度 | 120km/h |
起動加速度 | 2.8km/h/s |
減速度 | 4.0km/h/s(常用最大)・4.5km/h/s(非常) |
全長 | 18,700mm |
全幅 | 2,780mm |
全高 | 4,185mm |
車体材質 | アルミニウム合金 |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 直流1,500V(架空電車線方式) |
主電動機 | 三相かご形交流誘導電動機(出力200kw) |
駆動装置 | TD継手平行カルダン駆動 |
歯車比 | 85:14=6.07 |
制御装置 | 東洋電機製造GTO素子VVVFインバータ制御 |
台車 | ダイレクトマウント式空気ばね台車(電動車は軸梁式、付随車はSUミンデン式) |
制動方式 | 回生ブレーキ優先電気指令式電磁直通ブレーキ |
保安装置 | 京阪形ATS、K-ATS |
製造メーカー | 川崎重工業 |