概要
東京急行電鉄(現・東急電鉄)の車両形式のひとつ。時代の移り代わりにより、軽量車体を持った車両が必要となった東京急行電鉄は、8000系の中間車に軽量車体試作車デハ8400形を8000系に組み込み実績を得た。この実績に基づき、コンピュータによる有限要素法を用いた設計を行って強度・剛性を保ち従来より8%の車体重量軽減を実現し、同日本初の量産軽量ステンレス車両となる8090系が登場した。
東横線等で運用されていたが、みなとみらい線直通を見据え出力向上のため先頭電動車の8590系を製造。それによる組成変更により5両編成で大井町線に転属した。この時点での組成は8590系も含めると8両編成5本(東横線)、5両編成10本(大井町線)。
2007年頃から前面方向幕はLED化され、帯については他形式と同じくグラデーション化された。20年以上に渡り大井町線の主力車として活躍したが、東横線の5050系増備による9000系の玉突き転属により廃車が始まり、2013年5月をもって全車8090系で組成された編成については全編成が引退した。
この時点で営業運転を行なっているのは田園都市線で活躍する8694編成、8695編成の中間車16両のみとなったが、この編成は2020系増備による代替が行われて2019年2月に営業運転を終了した。
移籍車両
以下の車両のほか、中間車1両(デハ8181)が部品取り車として8590系の先頭車4両とともに富山地方鉄道に譲渡された。
秩父鉄道7500系
もと東急8500系の秩父鉄道7000系に続いて2009~12年度までに3両編成7本を導入。先頭車が「クハ」であったため、三峰口方先頭車(東急時代はクハ8090奇数)については電動車化が行われた。中間車についてもパンタグラフの増設を実施。
秩父鉄道7800系
2両編成運用が必要になったため、7500系化で余った中間車を有効活用。先頭車化改造と羽生方先頭車(東急時代はデハ8490)の電装解除を行った。2012~13年度にかけて2両編成4本を導入。