概要
横浜高速鉄道みなとみらい線~東急東横線~東京メトロ副都心線~西武有楽町線・西武池袋線/東武東上線を直通運行する優等列車のうち、特に速達性の高い列車につけられる愛称。列車種別ではない。
埼玉県西部~東京都心~横浜市内を5社にわたる相互直通運転で直結する速達列車に親しみを持ってもらうとともに、わかりやすい案内を提供することを目的として2016年3月のダイヤ変更よりこの愛称が設定されており、駅および車両の列車種別案内表示などで「F」を模したロゴマークが使用されている。また同改正により終日東上線内で各駅停車であった地下鉄直通列車が急行に昇格するため、従来の和光市等主要駅での急行の乗換えがなくなり、利便性が上がった。愛称設定の理由は、路線ごとに種別変更(最大2回、3種別)があるため、わかりづらいことがあげられる。
「F」は、速達列車(Fast)、副都心(Fukutoshin)線、5社(Five)の3つのキーワードの頭文字である。
Fライナーとして運行される列車はみなとみらい線・東横線内特急、副都心線内急行、西武線・東武線内快速急行で運行される直通列車。日中に東武線方面・西武線方面が各30分間隔で運行され、両系統が重複する小竹向原~元町・中華街間は15分間隔での運行となる。
東武東上線内は当初は急行だったが、2023年3月18日のダイヤ改正で種別が急行から快速急行に変更された。
停車駅
- 東武線方面 特急-(渋谷)-急行-(和光市)-快速急行
元町・中華街~森林公園間所要時間目安:1時間48分
元町・中華街〈山下公園〉-みなとみらい-横浜-菊名-武蔵小杉-自由が丘-中目黒-渋谷-明治神宮前〈原宿〉-新宿三丁目-池袋-小竹向原-和光市-朝霞台-川越~森林公園の各駅。
※2023年のダイヤ改正までは東上線内の種別は急行で、志木駅とふじみ野駅にも停車していた。
- 西武線方面 特急-(渋谷)-急行-(小竹向原)-快速急行
元町・中華街~飯能間所要時間目安:1時間36分
元町・中華街〈山下公園〉-みなとみらい-横浜-菊名-武蔵小杉-自由が丘-中目黒-渋谷-明治神宮前〈原宿〉-新宿三丁目-池袋-小竹向原-練馬-石神井公園-ひばりヶ丘-所沢-小手指(-入間市-飯能)
※当初は新桜台駅も停車駅だったが、2020年のダイヤ改正より通過となっている。また運行開始から長らく多くの列車が飯能発着だったが、2022年のダイヤ改正よりほとんどが小手指発着となった。
共通備考
- 上下線ともに、自由が丘と菊名にて先行する各駅停車に接続する。
- 東急目黒線へは武蔵小杉での乗り換えが必要となる。目黒線へは田園調布へ停車する急行の方が接続が非常に良く、特に渋谷方面から利用するのであればFライナーには乗らない方が楽。ただし、乗換回数に目を瞑り自由が丘で東急大井町線へ乗り換えて大岡山に向かうのであればFライナーも便利。
- 東急新横浜線・相鉄線方面に関しては基本的に下りFライナーの武蔵小杉発車5分後に目黒線からの相鉄線直通列車が到着するため、Fライナー利用でもそれなりにスムーズに利用可能。横浜側からの場合、新横浜駅へのアクセスは横浜からなら横浜市営地下鉄ブルーライン、菊名からならJR横浜線利用を推奨。相鉄線へは横浜で直接相鉄本線への乗換を推奨する。
- 下り列車の一部は、渋谷にて始発の各駅停車と接続する。代官山と祐天寺~都立大学へはこの列車への乗り換えとなる。
- 東新宿で、先行する各駅停車を追い抜く。
東武線方面列車備考
下り
- 小竹向原にて有楽町線からの和光市行きと接続する。氷川台~地下鉄成増へはこの列車への乗り換え。
- 和光市にて、東上線池袋発の準急川越市行きと連絡し同時刻に発車する。準急はこの先各駅に止まるため、新河岸までの各駅へはこの列車への乗り換えとなる。朝霞台でも乗り換え可能。
- 川越以西は各駅に停車するが、Fライナー運行時間中はこの先全列車が各駅停車となるために以降の乗り換えは必要ない。
上り
- 川越市で始発の普通新木場行きに接続する。柳瀬川までの各駅へはこの列車への乗り換えとなる。川越でも乗り換え可能。
- 朝霞台発車後、ふじみ野で追い抜いた準急池袋行きが発着する。朝霞へはこの列車への乗り換えとなる。
- 和光市で準急/普通池袋行きに接続する。大半が準急接続だが、その場合準急利用の上で次の成増で成増始発の普通池袋行きへの接続があるため北池袋までの各駅へも接続が考慮されている。
- 小竹向原で有楽町線新木場行きに接続する。千川・要町へはこの列車への乗り換えとなる。副都心線の各停はしばらく待つ必要がある。
- また、小竹向原発車7分後に3番線から西武線方面のFライナー快速急行小手指行きが発着するため、西武線方面への速達性も確保されている。
西武線方面列車備考
下り
- 小竹向原にて有楽町線からの各停川越市行きに接続する。この列車は川越市まで先着する。
- 練馬で池袋線池袋発の各停(保谷行き/清瀬行き/所沢行き/西武球場前行き)に接続する。中村橋~練馬高野台間へはこの各停への乗り換えとなる。また、平日1本と土休日の3本のみ準急飯能行きへの接続で、この場合大泉学園・保谷へはこちらへの乗り換えとなる。
- 石神井公園で準急(所沢行き/小手指行き/飯能行き)に接続する。大泉学園・保谷へはこちらへの乗り換えとなる。準急はこの先各駅に停車する。
- ひばりヶ丘で各停(所沢行き/小手指行き)に接続する。東久留米~秋津間と西所沢へはこちらへの乗り換えとなる。
- 小手指で各停飯能行きに接続する。これ以西へは基本的にこちらへの乗り換えとなる。土休日2本のみ運行している飯能行きの場合は入間市と飯能へは乗り換え不要。
上り
- 土休日3本の飯能始発は、小手指で各停/準急池袋行きに接続する。西所沢と秋津~東久留米・保谷~大泉学園へはこれらへの乗り換えとなる。
- 練馬で準急/各停池袋行きと接続する。乗り換え時間は非常に短い。大半が準急への接続だが、その2分後に各停池袋行きが発着するため桜台~椎名町間への接続も考慮されている。
- 小竹向原で有楽町線新木場行きに接続する。また、副都心線の各停(元町・中華街行き/湘南台行き)も同時刻に発着する。千川・要町(新木場行きでも可)と雑司ヶ谷~東新宿へはこの列車への乗り換えとなる。
- また、小竹向原発車6分後に3番線から東武線方面のFライナー急行森林公園行きが発着するため。東武線方面への速達性も考慮されている。
使用車両
いずれも10両編成。
現在の使用車両
- 東急5050系4000番台
- 東京メトロ10000系
- 東京メトロ17000系0番台
- 東武9000系・9050系
- 東武50070系
- 西武6000系0番台(01~08Fを除く)
- 西武40000系50番台(代走で0番台を使用する場合あり)
過去の使用車両
- 東京メトロ7000系:運行開始時点で残存していた10両編成のみ。
- 西武6000系0番台03~08F:地上線区へ転属。なお、01,02Fは運用実績なし。
- 西武6000系50番台:地上線区へ転属。
余談
東京メトロ17000系80番台、東急5000系/東急5050系0番台、横浜高速鉄道Y500系は8両編成のため基本的に使用されない。これは、8両編成による東横特急や地下鉄線内等での優等列車の運用が存在しないことから分かる通り、速達制の高い種別は10両編成の車両を充当することを基本としているためである。このため、過去に東京メトロ7000系8両編成が使用された前例もない。
運用上の都合で突発的な代走に8両編成が就く例外はあったが、この時は各社とも「Fライナー」を冠さない従来通りの種別を表示して運用していた。
また、相鉄直通列車で使用される相鉄20000系は、東武と西武の保安装置を搭載していないためにFライナーの代走は不可能となっている。
西武ドーム(ネーミングライツにより2022年からベルーナドーム)のイベント開催時に、小手指行のFライナーを西武狭山線西武球場前行きに変更する事がある。この場合は西武線内の種別を快速に変更して運転する為Fライナーの条件を満たさない事から、「Fライナー」は冠さずに運行される。また、この臨時快速の代替としてひばりヶ丘発の快速急行小手指行きが臨時で用意され、臨時快速と接続をとる形で速達性も維持している。