概要
埼玉県所沢市に所在する野球場で、日本プロ野球(NPB)のパシフィック・リーグに所属する球団「埼玉西武ライオンズ」の一軍本拠地。
ドームの西側から北側にかけては屋内スキー場の他にライオンズの二軍施設が集約されており、選手寮、屋内練習場、公式戦の行われる西武第二球場、サブグラウンドなどがある。これらの施設は1979年以来改築されず老朽化が進み、他球団と比較した練習環境の悪さが指摘されていたのだが、2018年頃から改築が進められ、西側にあった寮兼室内練習場がドーム北側に移転している。
コンサート会場として使われる事もあり、渡辺美里やももいろクローバーZ、水樹奈々辺りがよく知られている。近年は水樹に限らずラブライブ!シリーズなどのアイドル系アニメを中心とした二次元系イベントが誘致されることが多い(※当記事メインイラストは水樹氏のパロディ)。中でもAqoursに至ってはこの場所を公式に「セカンドホーム」(ファーストは舞台である沼津市)と呼ぶほどである。だが、ここでの開催が発表されるとファンの声は歓喜と絶望が入り混じる。
構造
丘陵地を掘り下げて構造物(掘り下げた斜面を利用したスタンド)を設置した既存の屋外球場に壁の無い屋根を装着しただけなので、ドーム球場でありながら場外ホームランも記録されている。冷暖房も十分に機能せず、横風での雨や霧なども入り込んでしまう。
内陸に立地し、さらに多摩湖に面しているため春先と秋は体の芯まで凍えるほどの極寒となる一方、夏場は席に座っていても汗が吹き出す灼熱の空間となる。体を動かそうものなら体温が上がりに上がるため、選手やイベント来場者が熱中症になる事例が度々発生している。このため、「セ・リーグ球団のファンは(西武との)日本シリーズで凍え死に、オタクは夏場のライブで蒸し焼きにされる」「勤労感謝の日(=11月下旬)前後に行われるライオンズのファン感謝祭で、ライオンズファンが選手やコーチの出す料理に並ぶのは他でもなく寒いから(選手からも炊き出しの様だとネタにされる始末)」「自然共生(強制)型」「球場に初めて来た外国人選手からサウナ呼ばわりされる」などと言われる始末。野球以外でも、冬場はあまりにも寒すぎて公演を行ったグループのメンバーから「冬のライブは今まで屋内でしかしたことがない」と言われたり、別グループのメンバーで埼玉出身の人物はずっと寒がっていたり(コートを着ていてこの有様)している。なお、アーティストに加え参戦したファンからもこの点はしっかりディスられている。体調、特に夏場の水分の管理はしっかりと行いましょう。
沿革
元々は1963年(昭和38年)に竣工した「西武園球場」という小規模の球場があり、主にアマチュア野球の試合で使用されていたほか、NPBの二軍戦(イースタン・リーグの公式戦)もわずかながら開催されていた。
1978年(昭和53年)6月、西武園球場の改築工事に着手。これは当初、NPBの一軍公式戦も開催できる貸し球場にリニューアルすることを目的とした工事だった。また、国土計画の堤義明会長(当時)は改築後の球場を社会人野球チーム(プリンスホテル硬式野球部)の活動拠点に使用することも視野に入れていたが、経営難に陥っていた福岡野球からクラウンライターライオンズの保有権を取得することとなり、球場の利用構想を変更。チーム名を「西武ライオンズ」に変更したうえで、本拠地を平和台球場から改築後の新球場へ移転することが決まった。
こうして1979年(昭和54年)4月14日、「西武ライオンズ球場」として開場し、ライオンズの一軍本拠地となった。1999年(平成11年)に屋根を増設してドーム球場に改装された。「西武ドーム」への改称は1998年(平成10年)からだったが、その時点では屋根が完全には出来ておらず、フィールドを覆っていなかったためドームを名乗りながら雨天中止の試合が普通に発生する有様であった。
命名権契約
- インボイスSEIBUドーム:2005年3月1日〜2006年12月31日
- グッドウィルドーム:2007年1月1日〜2008年1月8日
- 西武プリンスドーム:2015年3月1日〜2017年2月28日
- メットライフドーム:2017年3月1日〜2022年2月28日
- ベルーナドーム:2022年3月1日〜2027年2月28日(予定)
経営改善策の一環として命名権(ネーミングライツ)契約を交わしており、契約する企業が変わるごとに球場の愛称をコロコロと変更している。インボイスやグッドウィル時代にはライオンズの二軍チームも名称を変更していた。
2022年3月からは、ヘルメットスポンサーにもなっていた上尾市にある通信販売会社のベルーナが契約。
その他
気候が気候な割には球場近くにはコンビニが1軒程度と売店が少ないので、水分は出来るだけ出発地や経由地で買っておきしっかり補給する様に。
アクセス
最寄りの西武鉄道西武狭山線と西武山口線の駅名は、手続きの関係から球場が開設してからも一貫して西武球場前駅である。西武沿線以外の埼玉県民にとっては遠い球場であり、千葉マリンスタジアム、横浜スタジアム、神宮球場、東京ドームといい勝負、地域によってはむしろそっちの方が近い。