路線データ
路線名 | 東急新横浜線 |
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区間 | 日吉〜新横浜 |
路線距離 | 5.8km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 3駅 |
電化区間 | 全線(直流1,500V) |
複線区間 | 全線 |
閉塞方式 | 車内信号閉塞式(ATC-P) |
運転指令所 | 運輸指令所(東急指令) |
設計最高速度 | 120km/h(※) |
第一種鉄道事業者 | 東急電鉄 |
(※)設計上の数字であり、実際には120km/hでの運転は行われていない。
概要
日吉駅と新横浜駅を結ぶ東急電鉄(東急)の鉄道路線の一つ。全線神奈川県横浜市港北区内を走行する。
東京都内・都心から相模鉄道(相鉄)方面のアクセス向上・乗り入れを目的として整備・建設されることになった路線で、2023年(令和5年)3月18日に開業した。同社が運営する東急多摩川線と同じく会社名を冠した「東急新横浜線」が正式名称である。
横浜駅での乗り換えの手間と乗車時間が増えるというデメリットを持っていた東急(東横線)と相鉄(本線)の接続、及び新横浜駅で接続するJR東海(東海道新幹線)へのアクセス向上を目的としている。また東横線・目黒線系統共に他社線へ直通運転を行っている。
本路線と相鉄新横浜線は、地下鉄事業者の東京メトロを除いた大手私鉄同士の異なる会社の路線を地下鉄を介さずに直接結ぶ路線で、関東では初めてのケースとなる。関西も含めれば、阪神電気鉄道(阪神)の阪神なんば線と近畿日本鉄道(近鉄)の難波線が同様のケースとなる。
直通運転区間
東横線の直通運転先の一つ、西武鉄道(西武有楽町線・池袋線)は需要予測の関係から直通運転は行わず、(東横線・目黒線並走区間などで)東急新横浜線へ乗り入れる列車との接続のみに留めている。
上り・東横線方面
上り・目黒線方面
下り・相模鉄道方面
各種取り扱い
- 運賃
日吉駅〜新綱島駅間は加算運賃は設定されず、並走する東横線日吉駅〜綱島駅間と共に、同区間を含む定期券を利用した場合は東横線も利用できる特例が設けられている。なお改札外乗換は出来ない為、両駅で乗り継ぐ場合は別途運賃が必要になる。
新綱島駅〜新横浜駅間は70円の加算運賃が設定されている。また相鉄新横浜線にも加算運賃が設定されている為相鉄線と東急線を乗り通すと高額になってしまい、利用者が伸び悩む原因の一つとなっている。定期券(特に通勤定期券)については加算運賃の影響もあり、他線から東横線・目黒線方面へ向かう場合従来通りのルートの方が安価な場合も多い。
しかし東急線内に限れば従来の菊名駅乗換よりも安価に新横浜駅へ移動できる為、東急線だけで完結するメリットの方が優っている。
- 利用者数
開業により東横線・副都心線方面列車は小田急電鉄各線と運行区間で競合するようになるが、運行本数・運賃の面で小田急側が勝っており、相鉄の東急乗り入れはどちらかと言えば相鉄線沿線からの都心アクセスルートとしての性格が強い。相鉄・JR直通線とも一部ルートが重複しているが、こちらの系統は他のJR東日本各線への乗り換えの際に初乗り運賃の手間が減る位。
しかし前述の加算運賃が足枷となり利用者数が伸び悩んでいる。
新横浜駅の利用者数はも22年度は61,011人と好調な出だしだったが、23年度の横浜市統計書速報だと、約71,471人と伸び悩んでいる(更に相鉄では23年度で、約53,409人と利用者数の差もかなり差を縮めている)。
加えて綱島駅は新綱島駅と分散の影響で87,731人から23年度では、約82,967人に減少。菊名駅も111,040人から23年度の横浜市統計書の速報で約90,823人まで減少しているからその余波の影響を受けている。
また、新綱島駅に関しても、22年度は13,794人に対し23年度の横浜市統計書の累計では、11,659
人と減少。その後、新綱島駅の再開発完成後からは緩やかに増加した。
更に新横浜線の有効本数が6本/hと少なかった事もあり所要時間で対抗できなかった。
その為、24年3月に8本/hに増便のダイヤ改正が行われた。
その影響で24年4月現在の横浜市統計書から、84,464人まで増加した事もあり、今後は都営等の東急方面の事業者の直通対応次第で利用者増加にかかっている。
加算運賃回収率
年度 | 回収率 |
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2023年(令和5年)度 | 8.5% |
運行形態
相鉄直通列車と新横浜駅折り返し列車で構成され、列車種別は「急行」と「各駅停車」が設定されている。東横線内を特急として運行する列車は現ダイヤでは存在しない。
- 「各駅停車」は目黒線系統のみで、東横線系統の列車は設定されていない。
- 線内完結列車は下りに平日2本・土休日1本設定されているのみで、ほぼ全列車が東横線・目黒線へ直通する。東横線系統の10両編成を使用する線内完結列車は、通過駅が無くても種別は「急行」とした。
路線開業時点では、朝夕の一部列車を除き
- 副都心線・東横線方面~東急新横浜線・相鉄新横浜線~相鉄いずみ野線湘南台駅方面の急行(新横浜駅にて種別変更)
- 三田線・目黒線方面~東急新横浜線・相鉄新横浜線~相鉄本線海老名駅方面の急行(同上)
- 南北線・目黒線方面~東急新横浜線・新横浜駅折り返しの急行
…の3種類の系統が30分間隔、毎時合わせて6本の列車が設定されている。全列車が東急新横浜線・相鉄新横浜線内は各駅に停車する。
2024年3月16日のダイヤ改正で、目黒線の日吉駅発着の各駅停車を新横浜駅まで延伸する形で日中の本数が6本/h→8本/hに増加した。また日中以外にも同様の措置が取られ増発が行われている。
駅一覧
使用車両
あくまで分岐ルートのためか本路線専用車両は用意されておらず、目黒線系統車と東横線の東急車10両編成、そして直通用の相鉄車を使用している。従来6両編成での運転が行われていた目黒線及び直通各線では、8両・10両編成の運転が基本となっている相鉄線との直通運転開始を目途に、駅ホームの8両編成対応化や一部車両の8両編成化が行われた。
- 保安装置の関係で相鉄直通に充当されるのは東急車・相鉄車に限定され、残る鉄道事業者については原則、新横浜折り返しで相鉄線内へ入らない運用が組まれる。なお、「相鉄〜東急〜東京メトロ〜東武」直通列車については5050系4000番台限定運用となる。
- 東横線系統の8両編成や西武・東武・副都心線の車両は定期運用では入線しない。8両は東横線の各駅停車が中心、それ以外の車両も自社線内運用や有楽町線を含めた非常に広域の運用に就く必要があり、この措置は妥当と言える。ただしこれは定期列車の場合であり、ダイヤが乱れた場合はこれら東横線系統の8両編成や西武・東武・副都心線の車両による新横浜折り返し運用の代走も想定されている。
現時点では全車開業時より使用中。
東急電鉄車(目黒線用8両編成)
東急電鉄車(東横線用10両編成)
相模鉄道車(10両・8両混在)
東京メトロ車(南北線用、6両・8両混在)
- 東京メトロ9000系:製造時期や更新時期によりバリエーションが豊富。
埼玉高速鉄道車(6両編成)
東京都交通局車(6両・8両混在)
こぼれ話
新横浜線や相互直通先の路線には、プロスポーツ(野球・サッカー)チームの本拠地となっている競技場への最寄駅が多数存在する。
- 横浜国際総合競技場(日産スタジアム):横浜F・マリノスの本拠地。最寄駅は当路線および相鉄新横浜線の新横浜駅。相鉄新横浜線・東急新横浜線の開業初日はJ1公式戦(横浜F・マリノスvs鹿島アントラーズ)と横浜アリーナでのライブ(三代目J Soul Brothers)が重なったため、新横浜駅に利用者が殺到してしまい、大規模な遅延が発生した。
- 等々力陸上競技場:川崎フロンターレの本拠地。最寄駅は東急東横線・目黒線の新丸子駅や、東急東横線・目黒線・JR東日本横須賀線(湘南新宿ライン、相鉄・JR直通線も含む)・南武線の武蔵小杉駅。
- 明治神宮野球場:東京ヤクルトスワローズの本拠地。最寄駅の一つは東京メトロ副都心線の北参道駅。
- 東京ドーム:読売ジャイアンツ(巨人)の本拠地。最寄駅は都営地下鉄三田線の水道橋駅・春日駅と東京メトロ南北線の後楽園駅。東京メトロ経由である後者を利用する方が運賃は安め。
- 埼玉スタジアム2002:浦和レッドダイヤモンズ(浦和レッズ)の本拠地。最寄駅は埼玉高速鉄道埼玉高速鉄道線埼玉スタジアム線の浦和美園駅。
この他、直通列車は設定されていないが、以下の競技場へのアクセスも可能。
- 横浜スタジアム:横浜DeNAベイスターズの本拠地。最寄駅の一つである日本大通り駅へは、東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線を介して線路が繋がっている。横浜市営地下鉄ブルーラインまたはJR東日本根岸線の関内駅を利用した方が便利だが、東急・京急・相鉄では関内駅の混雑防止のため日本大通り駅の利用を呼び掛けている。
- 西武ドーム(ベルーナドーム):埼玉西武ライオンズの本拠地。最寄駅である西武球場前駅へは、東急東横線・東京メトロ副都心線・西武有楽町線・池袋線・狭山線を介して線路が繋がっている。東横線の定期列車の運行区間を変更した直通列車が運転される事がある。
関連タグ
新横浜線(表記揺れ)