概要
相模鉄道(相鉄)が「ニュータウン鉄道」としての位置づけで作った鉄道路線。神奈川県横浜市旭区の二俣川駅と藤沢市の湘南台駅を結ぶ11.3kmの路線。
1976年(昭和51年)4月8日に二俣川駅〜いずみ野駅間が開通。
1990年(平成2年)4月4日にいずみ野駅〜いずみ中央駅間が延伸し、同時に相鉄が準大手私鉄から大手私鉄に昇格。
1999年(平成11年)3月10日にいずみ中央駅〜湘南台駅間が延伸した。
将来的には慶応大学湘南藤沢キャンパス付近を経由して平塚駅方面まで延伸する構想がある。
本線以上にホームドア設置率が高く、2023年(令和5年)7月上旬頃にゆめが丘駅設置完了でいずみ野線全駅でホームドアが稼働する事になる。
運行形態
早朝・深夜に線内完結運用が設定されている他は、基本的に本線と直通運転を行っている。
2023年(令和5年)3月18日からは相鉄新横浜線・東急新横浜線経由で東急電鉄各線との相互直通運転を開始。以下の3系統に大別されるが、主軸となる系統は(1)であり、(2)と(3)は一部時間帯のみ。
(2)東急目黒線・東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道埼玉高速鉄道線(埼玉スタジアム線)系統
なお、本線はJR東日本埼京線方面への相互直通運転(相鉄・JR直通線)を行っているが、現時点ではJR線方面へ相互直通運転を行ういずみ野線の定期列車は設定されていない。但し、ダイヤ乱れ時にはJR東日本の車両がいずみ野線の列車に充当される事がある。
加算運賃
この路線の加算運賃の高さが非常に問題になっており、相鉄新横浜線の運賃を合わせると羽沢横浜国大駅~湘南台駅間の運賃が横浜駅経由よりも高くなってしまう問題がある。
更にこの加算運賃のお陰で湘南台駅~海老名駅間の経路が小田急電鉄相模大野駅の安さは勿論、大和乗換と比較して運賃が10円しか高くないなどの問題がある。
更に現時点での加算運賃回収率は15.2%と低いなどの問題がある。
加算運賃は以下の表の通り。
区間 | 6kmまで | 7~9km |
---|---|---|
二俣川駅~いずみ中央駅 | 20円 | 40円 |
いずみ中央駅~湘南台駅 | 30円 | 30円 |
余談だが、湘南台駅~二俣川駅間の利用の場合、70円が加算され、これにJR直通を加えると更に+30円加算されるので100円の加算運賃を取られてしまう。
例えば、横浜駅〜湘南台駅間は加算運賃なしだと300円、羽沢横浜国大駅〜湘南台駅間は280円と安くなるが、加算運賃の影響で前者が370円、後者が380円と非常に高額となる問題も指摘される。
この高さと相鉄新横浜線の加算運賃の影響で東急直通線に対しても小田急電鉄と運賃面で対抗できない問題をはらんでいる。
更に東急線直通だと+40円となり、東急直通だと更に+70円になるので湘南台駅~日吉駅間は合計で210円も取られる為、定期関連では横浜駅経由が多い。
しかし、新横浜線開業後はIC乗車券の非定期なら湘南台駅~新横浜駅間に関しては所要時間も加味しても有利に取れる利点が大きい(IC乗車券だと相鉄:433円。横浜市営:430円)。
その為、今後は利用者増加で加算運賃減額率速度向上も期待される。
更に切符の加算運賃が10円減額されればIC運賃では430円未満になり有利になる要素もはらんでいる。
それを見越してなのか24年夏にゆめが丘駅でゆめが丘ソラトスが開業した。
加算運賃回収率
年度 | 回収率 |
---|---|
2018年(平成30年)度 | 16.1% |
2019年(令和元年)度 | 16.4% |
2020年(令和2年)度 | 16.7% |
2021年(令和3年)度 | 17.1% |
2022年(令和4年)度 | 17.4% |
2023年(令和5年)度 | 17.7% |
列車種別
特急
2014年(平成26年)4月27日のダイヤ改正で新設。横浜市営地下鉄ブルーラインの快速運転対策として日中を中心に運転された。
しかし、利用率の低さから相鉄・JR直通線の開業に伴う2019年(令和元年)11月30日のダイヤ改正で一旦定期列車の設定を休止。
2023年(令和5年)3月18日のダイヤ改正で相鉄新横浜線が全通し、東急新横浜線との直通運転が始まると、朝夕を中心に東急線方面の列車が再設定された。
通勤特急
2019年(令和元年)11月30日のダイヤ改正にて新設。平日朝ラッシュ時のみ運行。特急停車駅に加えて相鉄本線・鶴ヶ峰にも停車する。
運行当初は全て横浜行だったが、2023年(令和5年)3月18日のダイヤ改正で東急新横浜線直通に振り替えられた。
通勤急行
2019年(令和元年)11月30日のダイヤ改正にて新設。平日朝ラッシュ時・横浜行のみの運行で、いずみ野線内は各駅に停車する。快速との違いは相鉄本線・星川停車の有無だけ。
快速
いずみ野線内は各駅に停車。いずみ野線の沿線利用者が二俣川で優等種別に乗り換える必要がないため、車内が空いていれば座って横浜まで行くことができる。
各駅停車
いずみ野線の主力種別。横浜方面への直通が多いが、いずみ野線内運用(二俣川発着)の区間列車や東急線方面への直通列車も設定されている。
10両編成と8両編成が半々ぐらいの割合。
駅一覧
●:停車 レ:通過
※停車駅については各駅停車・快速・通勤急行は各駅に停まるため省略。
駅番号 | 駅名 | 乗換路線 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
SO10 | 二俣川 | ● | 本線 | 当駅発着あり |
SO31 | 南万騎が原 | レ | ||
SO32 | 緑園都市 | レ | 2面4線工事中 | |
SO33 | 弥生台 | レ | ||
SO34 | いずみ野 | ● | 待避線あり | |
SO35 | いずみ中央 | レ | ||
SO36 | ゆめが丘 | レ | 横浜市営地下鉄ブルーライン下飯田が徒歩圏内 | |
SO37 | 湘南台 | ● | 地下駅 |
使用車両
現在の使用車両
自社車両
全てかしわ台車両センター所属。
相鉄線内のみで運用される車両。10000系のみ10両と8両が混在し、その他は全て10両編成。
JR直通対応車で10両編成。いずみ野線からのJR直通列車は存在しない為、相鉄線内の列車として運用される。
- 20000系・21000系
東急直通対応車。直通運用と相鉄線内運用両方で使用される。
20000系は東横線直通用で10両編成。保安装置の関係で東武東上線には直通しない。
21000系は目黒線直通用で8両編成。こちらは直通先の全区間で運用可能。
事業用車。
東急電鉄所属
全て元住吉検車区所属。
目黒線の車両で8両編成。目黒線直通運用の他一部の相鉄線内運用にも就く。
- 5050系4000番台
東横線の車両で10両編成。東横線直通運用のうち東武東上線直通列車は必ずこの車両が担当する。
この他一部の相鉄線内運用にも就く。
過去の使用車両
5000系・新6000系・7000系・新7000系は湘南台駅への延伸後も運用されていた。
その他
- JR東日本E233系7000番台
川越車両センター所属の埼京線用車両で10両編成。ダイヤ乱れ時に入線する事がある。
走行動画
いずみ野線特急 湘南台駅→横浜駅