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概要編集

静岡県浜松市を拠点とする鉄道会社。通称「遠鉄(えんてつ)」。新浜松-西鹿島間17.8kmの鉄道路線を持つ(路線名は「鉄道線」)が、かつては奥山線(遠州浜松-金指-気賀口-奥山)および中ノ町線(遠州浜松-遠州馬込-中ノ町-国吉)、笠井線(遠州西ヶ崎-遠州笠井)も持っていた。

また、浜名湖を渡るロープウェイ・かんざんじロープウェイを運営している。

遠鉄グループ全体における鉄道事業の売り上げは全体の1%くらいしかない。売り上げの大半は自動車販売によるもの。グループ全体の売り上げは大手私鉄に匹敵すると同時に連結売上高が2000億円を超える唯一の中小私鉄である(1000億円超えの中小私鉄も遠鉄を含めて静岡鉄道OsakaMetroしかない)。


電車の色が赤いことから、地元では「赤電(あかでん)」と呼ばれ親しまれている。これは事故防止を目的として目立つ色にしたため。かつては赤1色だったが、1000形からは白い帯が入るようになった。

2016年からはラッピング車両が登場しており、赤くないものもある。昨今の中小私鉄としては珍しく全車自社製造の車両で運行されている。2015年までは近年(の鉄道線)では珍しく(ラッシュ時限定ではあるが)吊り掛け式電車(30形)の定期運用があり、2018年まで在籍していた。なお、最後まで残った25編成は1978年製であり、江ノ島電鉄や軽便鉄道など制約がある場合を除けば新製としては日本で一番新しい吊り掛け駆動方式電車であった。


運用(鉄道線)編集

全線単線でありながら、電車は日中12分間隔で運行され、利便性が高い。終点の西鹿島では、天竜浜名湖鉄道に連絡している。

新浜松〜自動車学校前間が高架。

かつては新浜松駅(現在の位置より100m離れている)から、現在のアクトシティ浜松がある付近まで走り、スイッチバックしてから西鹿島方面に向かっていた。この線路跡は、一部区間が遊歩道として残されている。

基本的に2両編成。ラッシュ時間帯や週末の最終電車、浜松まつりの際には4両編成となる。

自動改札は無く、現在でも人力の改札が行われている。

自社の交通系ICカード「ナイスパス」があるが、Suica等の全国相互利用サービスとは一切互換性がないので注意。


また鉄道事業の他にも、浜松市周辺のバス路線「遠鉄バス」、新浜松駅に隣接する「遠鉄百貨店」や、スーパーマーケット「遠鉄ストア」などを経営している。


決してプロ野球球団現在も過去にも保有したことがない


鉄道線駅一覧編集


保有車両編集

◯◯形と表記するが、「◯◯けい」と読む。

全て日本車輌で製造。詳細はリンク先も参照。

全てロングシートで、貫通路がキノコ形と呼ばれる独特の形状をしている。

現役車両編集

2000形編集

遠鉄 Type EVA赤電

1999年から製造されている車両で、2024年10月現在9編成が導入されている。

見た目は1000形と同じだが、VVVFインバーター制御になるなど、見えない部分で進化している。

製造期間が長いため、運転台、行先表示器、車内案内表示器などが改良されており、編成ごと異なる。

第8編成(2008F)からは、1000形の置き換え車両として導入されており、見た目がほぼ同じ車両同士の置き換えが発生している。


1000形編集

遠州鉄道1000形イラストレーションゼミ_80 2年生

1983年から1996年にかけて7編成が導入された。

遠州鉄道初の3扉車両、電気指令式ブレーキ装備車である。

デザインはJR東海ユーロライナーの影響を受けたもの。

2021年に第1編成(1001F)、2024年に第2編成(1002F)が廃車された。


ED28 2編集

遠州鉄道 ED28 2

元々は、1925年11月にイギリスから輸入されたデキ50形電気機関車。その後、国鉄ED28形2号機となり、1959年に遠州鉄道にやってきた。

工事用列車(工臨)などに使用され、普段は遠州西ヶ崎駅に留置されている。


引退車両編集

30形編集

遠鉄30形真紅の湘南電車

1958年から1980年にかけて、モハ30が18両、クハ80が12両製造された。

湘南顔の2扉車だが、編成ごとに形態差がかなりあり複雑。(ドアが片開き、両開きなど)最終編成は別形式に見えるほどデザインも変えられている。

かつては名鉄と同じミュージックホーンを装備した車両もあり、塗装も赤一色だった。

吊り掛け車両として人気があり、晩年はラッシュ時の運用の他、長期休暇期間に当別運行も行っていた。

2018年4月30日に最後まで残った25-85編成が引退。売却先も募集したが、結局保存されることなく解体となった。


キハ800形編集

【鉄道塗り絵】遠州鉄道キハ800

1958年11月から、1966年9月まで活躍した気動車。元国鉄キハ04形を譲受したもの。天竜浜名湖鉄道(遠州森駅)直通列車に使用された。引退後は北陸鉄道に売却された。キハ802は、鉄道博物館に国鉄時代の姿のキハ41307として保存されている。



かつての路線編集

奥山線編集

遠州浜松駅(現在の遠州病院駅)から、金指駅、気賀口駅を経由して奥山駅へ至る全長約25kmの路線。

軌間762mmのナローゲージ線。

1914年11月30日に開業し、1964年11月1日に廃止された。

天竜浜名湖鉄道(当時は国鉄二俣線)金指駅付近に、同路線を跨ぐ橋の遺構があったが、2021年に解体。

中ノ町線編集

遠州浜松駅から国吉駅を結んだ全長約7kmの路線で、こちらも軌間762mmのナローゲージ。

1909年3月3日開業、1937年2月18日廃止。バスより運賃が安かったが、バスの方が所要時間が短く旅客が減少したのが原因。

車両の火の粉が飛ぶなどして廃止運動も起きていた。

笠井線編集

遠州西ヶ崎駅から遠州笠井駅を結んだ短い路線。軌間762mmのナローゲージで、ガソリンカーが活躍していた。

1914年4月7日開業、1944年12月10日廃止。


都市伝説編集

2ch発祥の都市伝説きさらぎ駅の舞台として知られている。

新浜松駅から電車が見知らぬ駅・場所へ行ってしまうというもの。


のだが、

乗り間違える余地すらない新浜松駅から乗車した投稿者が「乗り間違えたのでは」と言われて納得する、

投稿者が「いつもは5分か長くても7、8分で停車する」と言っているが実際には5分もかかる区間は存在しない、

といった不自然な点がある。

また、最後に投稿された「比奈」は、富士市にある岳南電車の駅であり、遠州鉄道が走る浜松市からはかなり離れている。

ちなみに、遠州鉄道もこのことは把握しているらしく、さぎの宮駅=きさらぎ駅説を唱えている。

2022年に入ってからは、さぎの宮駅の駅名標をきさらぎ駅に交換するグッズを発売する怪しげなホームページを公開するなど、『きさらぎ駅』をモチーフにした企画を相次いで始めている。

新浜松→きさらぎ


2021年9月17日放送のテレビアニメ「新幹線変形ロボ_シンカリオンZ_THE_ANIMATION」第21話にて、この都市伝説をモデルにしたストーリーが描かれ、新浜松駅を出発した電車(2000形2007編成)が自動車学校前駅出発後にトンネルを通りきさらぎ駅へ迷い込む。

きさらぎ駅=さぎの宮駅説を描写した作品はこれが初めてと思われる。


また、映画『きさらぎ駅』として映画化もされ、2022年6月3日に公開される。

ただし、劇中に登場するきさらぎ駅のロケ地は上田電鉄別所線八木沢駅



余談編集

  • 2020年8月に、とあるTwitterユーザーが投稿した運転士と車掌がホーム上の安全確認をする動作を撮影した動画が、「運転士と車掌の息が合っていてミュージカルの様だ」と話題になった。関連ニュース記事

関連タグ編集

浜松市 静岡県

鉄道 赤電

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