概要
別名2mmスケール(これは1フィートを2ミリメートルに縮小したスケールとなるためである)。
縮尺やレール幅等の違いで様々な規格が存在する鉄道模型の中で、線路の軌間(幅)が9mm(ナローゲージの場合は6.5mm(Zゲージ)の線路を使用する)、縮尺が148~160分の1である物。この規格の線路製品の軌間が9ミリである事からN(ine)ゲージと呼ばれる。動力としては電気式で「直流二線式」が用いられている。
この規格は国際規格であるため、この規格の車両製品は国内外問わず共通に使用出来る。
住宅事情が厳しい日本では鉄道模型の主流となっている規格であり、国内における鉄道模型と言えばほぼNゲージを指す。一方で欧米では倍近い大きさのHOゲージ(軌間16.5mm・縮尺1/87)やそれ以上の規格が主流であり、Nゲージのシェアはそれほど高くなく、また価格も割高(HOゲージと大して変わらない)なものが多い。
縮尺
Nゲージの標準縮尺はアメリカにおいては160分の1(1フィート=1.9mmスケール)であるのだが、日本の鉄道車両は海外のそれとは異なり、多くは標準軌(1435mm,4フィート8.5インチ)では無く狭軌(1,067mm,3フィート6インチ)であるため小型であり、そのままの比率で模型にした場合、Nゲージ規格線路が使用できなくなる又は不恰好になること、および国内の標準軌私鉄もJR在来線と同寸かやや小ぶりな車両を用いているため北米・欧州大陸に比べると大きさ的に見劣りしてしまう事により、長年150分の1で製品化されて来た。そのため、標準軌を用いている新幹線および満鉄などの一部外地私鉄等の大型車に限り標準の160分の1サイズで製品化されている。
欧州でも英国に限っては日本の標準軌路線と同じ理由で1/148(1フィート=2.06mmスケール)である。
ただし当初は蒸気機関車など構造に特徴のある車両は1/150という緩めの基準も満たすことが難しく、1/140程度、極端なものは1/130というむしろTTスケールに近いものすらあった。(KATO製の初代C11は1/135である)
蒸気機関車も含め1/150にほぼ揃ったのは、登場から半世紀以上経つ2010年代半ば以降である。
日本におけるNゲージメーカー
(動力装置を含む)車両や道床付き線路を製造しているメーカーのみ記す。車体キットなどパーツのみ、またはストラクチャーのみを製造している零細メーカーは省略。
- KATO:関水金属によるブランドで鉄道模型専業では最大手。日本で初めてNゲージ製品を発売した。
- TOMIX:トミーテックによるブランド。KATOと双璧を成す大手。
- マイクロエース:旧有井製作所によるブランド。マニアックな商品展開が特徴。
- グリーンマックス:かつてはキット製品専門だったが、後に完成品に軸を移す。
- ポポンデッタ:2019年から自社オリジナルの完成品を発売。
- ハセガワ:MODEMOブランドで路面電車を主に展開。
- ワールド工芸:蒸気機関車や旧型の電気機関車の金属製キットがラインナップの中心。金属製ならではの重厚感が特徴。値段は張るが塗装済み完成品も販売されている。