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本項では会社及び運営する路線の「鳥海山ろく線」について記載する。

会社概要

秋田県由利本荘市にある第三セクター鉄道会社株式会社

国鉄矢島線を転換する為に1984年(昭和59年)10月31日に設立され、1985年(昭和60年)10月1日に矢島線を引き継いだ鳥海山ろく線を開業・運営している。

本社所在地は鳥海山ろく線矢島駅構内。主要株主は秋田県・由利本荘市及び地元銀行である。

略称は由利鉄(ゆりてつ)

開業以来黒字転換した年はなく赤字が続いている。

路線データ

路線名鳥海山ろく線
路線区間羽後本荘〜矢島
路線距離23.0km
軌間1,067mm
駅数12駅
最高速度65km/h
非電化区間全線
単線区間全線
閉塞方式
  • スタフ閉塞式:羽後本荘〜前郷
  • タブレット閉塞式:前郷〜矢島
保安装置ATS-SN
第一種鉄道事業者由利高原鉄道

路線概要

秋田県由利本荘市の羽後本荘駅と矢島駅を結ぶ由利高原鉄道の鉄道路線。

1981年(昭和56年)9月18日に第一次特定地方交通線として廃止承認された国鉄矢島線を引き継ぎ、1985年10月1日に開業した。

子吉川の沿岸を走行する。

元は横手駅と羽後本荘駅を結ぶ路線として計画されたが、羽後本荘駅〜前郷駅間のみ国有化され、横手駅〜老方駅間は羽後交通横荘線として運営されたものの1971年(昭和46年)7月20日に廃止され、老方駅〜前郷駅間は未成線となった。

沿革

  • 1922年(大正11年)8月1日横荘鉄道西線として羽後本荘駅〜前郷駅間開業。(横荘鉄道の)羽後本荘駅、薬師堂停留場玉ノ池停留場鮎川駅黒沢停留場、前郷駅開業。
  • 1926年(大正15年)10月24日:玉ノ池停留場をに昇格の上子吉駅に改称。
  • 1937年(昭和12年)9月1日:横荘鉄道西線が国有化され、鉄道省矢島線となる。薬師堂停留場が駅に昇格、鮎川駅を羽後鮎川駅に、黒沢停留場を駅に昇格の上羽後黒沢駅にそれぞれ改称。
  • 1937年12月15日:前郷駅〜西滝沢駅間延伸。西滝沢駅開業。
  • 1938年(昭和13年)10月21日:西滝沢駅〜羽後矢島駅間延伸に伴い、現在の区間が全線開業。羽後川辺駅、羽後矢島駅開業。
  • 1961年(昭和36年)4月20日:旅客列車が無煙化。
  • 1981年3月10日貨物営業廃止。
  • 1981年9月18日:第一次特定地方交通線として廃止承認。
  • 1984年10月31日:由利高原鉄道株式会社設立。
  • 1985年10月1日:国鉄矢島線廃止。由利高原鉄道鳥海山ろく線に転換。久保田駅開業。羽後鮎川駅を鮎川駅、羽後黒沢駅を黒沢駅、羽後川辺駅を川辺駅、羽後矢島駅を矢島駅にそれぞれ改称。
  • 1989年(平成元年)10月29日曲沢駅吉沢駅開業。
  • 2013年(平成25年)8月8日:公式キャラクターを発表。
  • 2013年9月19日:公式キャラクターの名称が「やしまこころ」に決定。同社の広報活動で使用開始。

運行形態

途中駅発着の列車は設定されておらず、全線走行する普通列車が13往復、1〜2時間に1本の間隔で運行される。なお金曜日は最終列車後に運行される臨時便1往復を加えた14往復となる。

羽後本荘駅で接続するJR東日本羽越本線への直通運転は現在は行われていないが、国鉄矢島線時代は秋田駅までの直通列車が存在した。

なお現在も羽後本荘駅構内で線路が繋がっている為、車両搬入等の際はJRからの入換が行われる。

駅一覧

駅名乗換路線備考
羽後本荘JR東日本羽越本線
薬師堂
子吉
鮎川
黒沢
曲沢✳︎
前郷交換可能駅
久保田✳︎
西滝沢
吉沢✳︎
川辺
矢島本社所在地

※:改札窓口以外はJR東日本管理

✳︎:転換後に開業した駅

使用車両

全て気動車で矢島駅構内にある車両基地に所属しており、一般公募により「おばこ号」の愛称が付けられている。

現在の使用車両

鳥海山ろく線の混雑緩和の為に2000年(平成12年)から運行開始した。新潟鐵工所(現・新潟トランシス)製の「NDC」シリーズで、YR-2001・YR-2002の2両が運用されている。このうちYR-2001号車は後述の各種ラッピングが行われた。

転換初期から運用されているYR-1000形→YR-1500形を置き換える為に2014年に導入された。日本車輌製造製で、松浦鉄道MR-600形をベースとしている。YR-3001・YR-3002・YR-3003の3両が在籍中。

過去の使用車両

  • YR-1000形・YR-1500形(メイン画像)

由利高原鉄道転換時に運用を開始した車両で、新潟鐵工所の「NDC」シリーズの初期車である。転換当初はYR-1001〜YR-1004の4両が在籍し、途中でYR-1005が増備された。

後にYR-1004以外はYR-1500形に改造されたが、YR-3000形導入に伴い全車廃車された。

漫画アニメ作品との関わり

路線のPRの為公式キャラクターを登場させたり、沿線に所縁のある作品のラッピング車両を運行している。

なお漫画・アニメ作品のラッピング車両はいずれもYR-2000形気動車YR-2001号車である。

公式キャラクター「やしまこころ」

前述の通り由利高原鉄道では2013年8月から、同社のアテンダントを模した「やしまこころ」を公式キャラクターとして採用している。

なお同社オリジナルキャラクターであり「鉄道むすめ」ではない為、基本的には同社の広報活動以外には登場しない。

釣りキチ三平

2009年(平成21年)3月19日2011年(平成23年)3月18日の2年間に、矢口高雄原作の漫画『釣りキチ三平』のラッピング車両が運行された。これは原作者の矢口が秋田県出身で、2009年に放映された実写映画のロケが由利本荘市で行われた為である。

宇宙戦艦ヤマト

2011年5月1日2014年(平成26年)3月19日の約3年間に松本零士原作の漫画『宇宙戦艦ヤマト』のラッピング車両が運行された。

これはアニメ版の版権を持つ東北新社の創業者で元最高顧問の植村伴次郎が沿線の出身で、同社から無料での使用許可を得て実現したものである。

ゆりてつ

2014年4月19日2016年(平成28年)4月18日の2年間に松山せいじ原作の漫画『ゆりてつ 私立百合ヶ咲女子高鉄道部』のラッピング車両が運行された。

これは同作品の最終話に由利高原鉄道が登場した(但し登場した車両はYR-2000形ではなくYR-3000形YR-3002号車)事と、作品名と同社の略称が同じ「ゆりてつ」である事から同社が松山側にコラボレーションを提案した為である。

池田修三作品ラッピング

2016年4月25日〜2018年(平成30年)5月6日の2年間、秋田県にかほ市象潟出身の木版画家池田修三の作品のラッピング車両が運行された。

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  • 旅日記「つづり」

    時間と忘れもの

    秋田のフリーランスな旅、2章。 由利高原鉄道の終点、由利本荘市矢島町を散歩したお話です。1章は試験的な投稿のため短文でしたが、ここでは滞在時間が長かったので長文となりました。文章構成も大幅に変えています。1章よりもこの2章が、私の旅エッセイの基本型を著していると考えてokです。空気感が伝われば幸いです。また、Twitterに由利高原鉄道の写真を貼っておりますので、どんな景色を見たのか知りたい方はそちらへどうぞ。なお、文章の一部に、男はつらいよに関する記述があります。

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