この路線は複数の状態が存在し、路線が存在するが鉄道を営業することがなかった路線から計画倒れに終わり免許申請も行われなかったものまで存在する。
また、未成線とはいっても完成を目指し建設中であるものも存在すれば計画が放棄され、もはや建設されることがない路線も存在する。
未成線の種類
この路線には公的な定義は存在しないが、おおむね以下のような具合となる。これらには新規の路線、あるいは既存の鉄道の延伸計画等も含まれる。
なお鉄道を敷設するだけの資金や権力等をもたない個人、団体および中小企業などが構想している路線は、未成線ではなく架空鉄道と呼ばれるべきものである。
構想のみのもの
鉄道会社、鉄道に参入しようとする企業、自治体などがおおまかなルートや規格、施設等を構想しているだけの段階の状態である。
簡単なルートを空想するだけであるため、官界・民間を問わず、その数は少なくないものがあり、過去には複数存在した。
しかし大抵は他社と競合するため免許が下りない、その後の運営で赤字が避けられない、資金などが調達できない、土地買収の見通しが立たないなどの理由により立ち消えになることが多い。自治体が構想したものとしては三重新幹線構想(三重県内に新幹線を通す計画、東海道新幹線が飽和状態のためJR東海に却下された、近鉄の路線を使うとか無茶な案も存在する)などが存在する。
計画段階のもの
上記の団体から具体的な内容となり、現実的なルートや施設が構想され、着工を視野に入れた段階の未成線。敷設免許を得たり用地買収がなされた路線はこれに該当するが、資金不足、用地買収問題、敷設計画変更などの各種問題により着工されないまま免許が失効した例も数多く存在した(名古屋鉄道が合併以前に名古屋に地下鉄を敷設しようとした計画など、これは合併が決まり連絡線を東海道本線沿いに敷設したため中止となった)。
着工に至ったが中止となったもの
実際に用地取得などが進められ、工事が開始されたにもかかわらず、政治的(例えば自治体で推進派の議員から反対派の議員に代わるなど)・資金的(現状の路線が黒字を生まないにもかかわらず新路線を作るとさらに赤字が拡大する)・情勢の変化(戦争の終了やモータリゼーションや国鉄の場合日本国有鉄道経営再建促進特別措置法など)あるいは天災その他の理由で中止となってしまった未成線。
なお残された路盤やトンネル、橋などは道路などに転用されることもあれば、解体されず放置されることもあるという点では廃線に似る。
一部しか開業していないもの
資金や時間、地勢の事情で計画区間の一部分だけが未開業となっている未成線、著名な例としては九州新幹線(の鹿児島ルート)は平成14年から平成23年までこの状態であった。さらに東北新幹線などは世紀をまたいでこの状態であったが、後者は29年目の平成22年年12月4日にしてようやく解消された。
また在来線および私鉄が所有する路線の未成区間については状況の変化等により最早着工の可能性が皆無なものも多い。
なお特に国鉄などに存在する本線からわずかに分岐したような盲腸線(片方の駅のみが幹線に接続しており、片方の終着駅に鉄道が連絡していない路線、例を挙げると若桜線、今の若桜鉄道、名張へさらには奈良の桜井まで連絡する予定であった名松線、山陰本線の浜田へ連絡する予定であった可部線など)によく見られる(無論盲腸線に見える路線であっても和田岬線など計画通りの路線も存在し、それらは大多数は貨物扱いのあった、あるいは特定施設へのアクセス用の路線である)。これらの路線はもはや延伸されることはないものと思われる(それどころか可部線などは非電化区間を廃止してしまった!)
そのほか
変わったところではわたらせ渓谷鐵道の「第三セクター転換時貨物線が廃線、未成線となった」という事例や、路線変更により車両が重くなり路線が劣化、一年余りで休止したモノレールモノレール大船線の跡地にダイエーの子会社がドリームランド線というリニアモーターカーの一種で再開、および延伸する計画(なお親会社が再開にかかる経費に耐えられなくなり計画倒れ)などが存在する。
pixiv
pixivのタグとしては鉄道敷設法の路線図が過去に投稿されており、またそれらの路線を走行するはずだった鉄道のイラストなど存在する。