津軽海峡線
つがるかいきょうせん
路線概要
路線名 | 津軽海峡線 |
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路線総延長 | 160.8 km |
軌間 | 1067 mm |
電圧 | 20,000V(愛称廃止時) |
最高速度 | 140 km/h |
青森駅(青森県青森市)から函館駅(北海道函館市)までの青函トンネルを含む区間。1988年(昭和63年)3月13日に青函トンネルを含む海峡線区間が開業した際に旅客案内上の呼称として命名された。翌月に開業された瀬戸大橋線(こちらも旅客案内上の呼称)と共に、一本列島(鉄路で本州、九州、四国、北海道が繋がったという意味)の象徴となった。
また津軽海峡線開業と引き換えに廃止された青函連絡船の代替の役割を果たしており、これは2016年(平成28年)3月26日に開業した北海道新幹線に引き継がれた。
正式な路線名は以下の通りである。
函館本線:五稜郭駅~函館駅
津軽線においては「津軽海峡線」の名は青函トンネルを経由する列車の案内に使用され、線内運用の普通列車は本来の路線名で呼ばれていた。
一方江差線では津軽海峡線区間においては正式名称よりも愛称で案内される事も多く、運賃表等では津軽海峡線区間は木古内駅〜江差駅間とは色分けされていた。
新幹線開業以降は旅客運輸はカシオペアを引き継いだクルーズトレインの「TRAIN SUITE 四季島」を除き新幹線に一本化された。これにより駅や時刻表などの案内では津軽海峡線の名称は使用されなくなった。
2002年(平成14年)12月1日のダイヤ改正で快速「海峡」が廃止されて以降、津軽海峡線には特急・急行以外の定期旅客列車が設定されなかった。
この為蟹田駅〜木古内駅間において、同区間内相互利用時に限り特急の自由席を乗車券のみで利用できる特例が設定された。これは「青春18きっぷ」等の企画乗車券においても同様だったが、北海道新幹線開業時に特例は廃止された。
津軽線・江差線内ローカル運用及び北海道新幹線開業後の同区間の運行形態については、津軽線・北海道新幹線・江差線・道南いさりび鉄道の項目を参照。
旅客輸送
青函連絡列車
開業時は昼行列車は特急「はつかり」が盛岡駅〜函館駅間で、快速「海峡」が青森駅〜函館駅間でそれぞれ運行された。
夜行列車は青森駅〜札幌駅間で急行「はまなす」が設定され、廃止まで1往復体制で運行された。
2002年(平成14年)12月1日ダイヤ改正で東北新幹線が八戸駅まで延伸されると、「海峡」が廃止された。
青函連絡特急は八戸・青森〜函館間の「白鳥・スーパー白鳥」に再編。
2010年(平成22年)12月4日ダイヤ改正で東北新幹線が新青森駅まで全通すると、特急の発着駅を八戸から新青森に変更。以降特急廃止までこの運行形態となる。
2016年(平成28年)3月26日の北海道新幹線開業に先立ち、3月21日運行分をもって在来線特急・急行の運行を終了した。
長距離夜行列車
定期列車では首都圏からは上野駅〜札幌駅間で寝台特急「北斗星」が最盛期で3往復、1999年(平成11年)7月16日以降は1往復を「カシオペア」として臨時列車扱いで運行された。
これらと後述の「トワイライトエクスプレス」は、通常の寝台特急に比べて大幅にグレードアップした設備を有した事から、移動手段ではなく乗車そのものを目的とした豪華寝台特急として知られている。
この他繁忙期に通常寝台車で編成された臨時寝台特急「エルム」や横浜駅・新宿駅〜トマム駅・新得駅間でスキー客輸送を図った「北斗星トマムスキー」「北斗星トマムサホロ」等が運行された。
京阪神地区からは寝台特急「日本海」の1往復が大阪駅〜函館駅間に運行区間を延長。1989年(平成元年)7月21日から団体列車として、同年12月2日からは臨時列車扱いで大阪駅〜札幌駅間で寝台特急「トワイライトエクスプレス」が運行開始。
しかし2006年(平成18年)3月18日ダイヤ改正で「日本海」の函館乗り入れが終了。残った寝台特急も老朽化や北陸新幹線金沢延伸・北海道新幹線開業の影響で、「トワイライトエクスプレス」が2015年(平成27年)3月12日運行分で、「北斗星」が同年3月14日ダイヤ改正で臨時化された後8月22日運行分で、「カシオペア」が2016年3月20日運行分で廃止された。
この他に貨車を改造して自動車を積載可能にした上で寝台車と連結した「カートレイン北海道」(恵比寿駅・浜松町駅〜白石駅)や「カートレインさっぽろ」(東青森駅〜白石駅)が運行された他、バイクを積載可能な貨車「MOTOトレイン」(東日本)が臨時「海峡」に連結されたり(上野〜青森間は急行「八甲田」に連結)、「モトとレール」(西日本)が「日本海1・4号」に連結されるなど、青函トンネルブームにあやかった列車も運行された。
臨時列車
青函トンネル開通10周年を記念して、1998年(平成10年)3月1日から藤子・F・不二雄の漫画・アニメ『ドラえもん』とのタイアップを開始。吉岡海底駅(現・吉岡定点)を「ドラえもんワールド」と題し、同駅に停車する「海峡」を「ドラえもん海底列車」と名付け牽引機のED79形電気機関車及び客車の50系・14系にシールやステッカー等で装飾がなされた。
「海峡」廃止後は「白鳥・スーパー白鳥」の一部が同駅に停車した他、臨時特急「ドラえもん海底列車」が運行されたが、北海道新幹線工事に伴う吉岡海底駅見学コース終了に伴い2006年8月27日運行分を最後に廃止された。
「弘前さくらまつり」の時期には函館駅〜弘前駅間で臨時特急「さくらエクスプレス」が、「青森ねぶた」の時期には函館駅〜青森駅間で臨時特急「ねぶたエクスプレス」がそれぞれ運行された。これら列車はJR北海道のキハ183系のジョイフルトレイン「ノースレインボーエクスプレス」で運行されたが、青函トンネル内は気動車の自走が出来ない為津軽海峡線内はED79形が牽引した。
この他夏季には秋田駅〜函館駅間で、初めは急行・後に特急「ハーバー函館」が運行されていた事もあった。
貨物輸送
新幹線開業前は本州と北海道を結ぶ唯一の鉄道路線である為、JR貨物により旅客列車より多い上下線50本以上の貨物列車が設定されていた。海底トンネルは天候状況に左右されないため、フェリー輸送に比べ優位点が多い。
貨物列車は新幹線開業後の現在も設定されているが、青函トンネル内は新幹線と在来線の共用区間の為速度制限が存在し、新幹線速達化のネックとなっているのも事実である。
防災上ディーゼルエンジンを搭載する冷蔵冷凍コンテナは青函トンネルの出入り口付近で機関車のリモコン操作により電源スイッチの入り切りが行われるが、これに対応していないものについてはコンテナ側面に『青函トンネル通過禁止』の表示が義務付けられている。
ここでは青函連絡列車が停車した駅のみ、愛称廃止当時の名前で記載。
各路線の駅はそれぞれの項目を参照。
青森 - (油川) - 奥内● - 蟹田 - 津軽今別 - 竜飛海底 - 吉岡海底 - 知内 - 木古内 - (上磯) - 五稜郭 - 函館
●は快速海峡のみ停車した駅
()は一部の快速海峡のみ停車した駅
津軽線・江差線ローカル運用及び新幹線開業後についてはそれぞれの項目を参照。
JR東日本所属
485系1500番台・3000番台
青森車両センター(現・盛岡車両センター青森派出所)所属。
1500番台は特急「はつかり」及び臨時列車で、3000番台は「はつかり」と「白鳥」で使用された。
尾久車両センター所属。
寝台特急「北斗星」や「エルム」等の臨時列車で使用。
「北斗星」1往復化前は東日本車と北海道車がそれぞれ運用されていたが、1往復化後は混合編成で運用。臨時化後は廃止まで東日本単独編成で運行された。
また国鉄民営化後に新造された「夢空間」編成は単独運用が出来ない為、24系通常編成に連結して運用された。
尾久車両センター所属。
寝台特急「カシオペア」専用編成。北海道新幹線開業と共に一般列車としての「カシオペア」が廃止され、クルーズトレインに移行した。
JR北海道所属
函館運輸所所属。特急「スーパー白鳥」で使用された。
785系は789系の増結用として札幌運転所から転属した。
キハ183系ノースレインボーエクスプレス
苗穂運転所所属。臨時列車で使用。
前述の通り津軽海峡線内は自走不可の為ED79が牽引。
函館運輸所所属。臨時特急「ドラえもん海底列車」「ねぶたエクスプレス」で使用された。
ED79形0番台・100番台
函館運輸所青函派出所所属。
青函トンネルを経由する全客車列車及び青函トンネル非対応車両・JR貨物から受託された貨物列車の牽引機。
100番台は単独運用は出来ず、貨物牽引時に0番台と重連で使用された。
北海道新幹線開業に伴う電圧の昇圧に伴い引退。
札幌運転所所属。急行「はまなす」と一部の快速「海峡」で使用された。
24系
札幌運転所所属。寝台特急「北斗星」、急行「はまなす」で使用された。
北斗星編成は1往復化後は東日本車との混在編成となったが、定期運用終了と共に運用から外れた。
函館運輸所所属。快速「海峡」で使用された。