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夢空間

ゆめくうかん

JR東日本が次世代の寝台列車の方向性を探るために製造した寝台客車。
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概要編集

夢空間(ヘッドマーク)

次世代の寝台列車の方向性を探るために、JR東日本が1989年(平成元年)に3両製造した、民営化後に製造された唯一の24系客車である。

前年に来日した「オリエント急行」の強い影響を受けており、塗装パターンなどにそれが見られる。概ねして非常に実験的な要素が強く、現代のクルーズトレインでも実用化されていない要素もあれば、車体寸法がオハネ25と大幅に変わるものでない(制作や保守の都合あえて共通化されたとも)ことや、バブル期ゆえの時代なりの過剰装飾が多かったこと、仕上げの細部の詰めが甘い部分もかなりみられるなど、トータルで見るといささかバランスが悪い箇所もあった。

同年開催の横浜博覧会の自社展示ブースで「車両の形をした建築物」として展示された。この時オロネ25・オハフ25は展示場、オシ25は飲食店として建築確認申請し、車両用の火災報知器では消防法には適合しないことから、一部改造を行なっている。


横浜博覧会終了後は海浜幕張駅などでの展示を経て、1991年から「車両」として営業運行が開始され、「夢空間北斗星」や団体臨時列車として使用された。

この夢空間の経験は、現在も臨時列車などで運行されているカシオペア用のE26系に受け継がれている。

なお、夢空間単独では営業運行ができず、必ず電源装置を持つ24系14系と連結して運行する。このため、台車、ブレーキシステム、サービス電源などの仕様が24系に揃えられている。


各車解説編集

共通する特徴として、各車両の内装は大手百貨店3社が担当していたことが挙げられる。

また、「北斗星」系統の臨時列車として用いることを前提としているため、耐寒耐雪構造となっており、ドアは引戸となっている。


オロネ25 901「デラックススリーパー」編集

A寝台で、内装は高島屋が担当。2人用個室「エクセレントスイート」を1室、「スーペリアツイン」を2室備え、定員わずか6名、さらに各室にバスタブ(ユニットバス)が設けられるという、後に登場した「ななつ星in九州」でもシャワールーム止まりだったことを考慮すると、当時としても最高級の設備を持っていた。(なお「トランスイート四季島」、「トワイライトエクスプレス瑞風」ではバスタブ付個室が設けられた。)


オハフ25 901「ラウンジカー」編集

共用スペースとなる車両。内装は松屋が担当。

ソファーとバーカウンターを設け、自動演奏装置付きピアノも置かれた。下記のオシ25とは実質ユニットを組んでおり、そちら側の貫通扉は専用の幅広型になっている。

「フ」という記号があることから乗務員室がある車両(緩急車)であるが、編成端に出ることは全くないという特異な車両である。


オシ25 901「ダイニングカー」編集

日本では空前絶後といえる密閉式展望車タイプの食堂車である。(「ななつ星」の展望ラウンジカーは時間帯によって食堂車としても使われるが、純粋な食堂車としては当形式が唯一)内装は東急百貨店が担当。4人で利用できる個室もある。また、上野駅尾久車両センターの推進回送時に使用する機器も備えており、客車ながらヘッドライトを備えているのも特徴。


運用編集

上記のとおり、主に観光シーズン中の「夢空間北斗星」や団体臨時列車として、関東~北海道方面を中心に運用された。

TBS主催の団体列車「めぐり愛エクスプレス」として北陸や九州方面に入線したこともある。

主に「北斗星」用の24系客車に連結されるケースが多く、比較的運行回数も多かった「夢空間北斗星」も運行の都度予備車を確保して編成を組成したため、運行シーズンによって編成の内容も様々であった。特に1995~98年の間は1994年に廃止された「博多あさかぜ」用の「デュエット」と「カルテット」を連結していた(これらは耐寒構造でなく、未改造の折り戸であることから冬季の北海道での運用はできなかった)ことも多かった。

また、臨時列車としてはスーパーエクスプレスレインボー(と14系)を併結して営業運転を行った実績がある。1993年5月には、運用コンセプトが真逆のノスタルジックビュートレインと連結運転されたという珍事もあった。話題づくりもあろうが、現代で言えばリゾートしらかみトランスイート四季島を強引に連結しただけのようなもので、当時の企画の意図ははかりかねる。


老朽化などを理由に2008年に設定された上野発札幌行きの「さよなら夢空間北斗星号」をもって運行を終了した。純粋な試作車に近い車両としては長命だったとも言えよう。


引退後編集

引退後は売却され、ラウンジカーとダイニングカーの2両は埼玉県三郷市のららぽーと新三郷で展示、デラックススリーパーは東京都江東区木場にあるフレンチレストラン「アタゴール」で使われている。

2024年7月に清瀬市が清瀬中央公園にラウンジカーとダイニングカーを設置することを発表。今年の10月~11月の平日深夜にららぽーとから移送し、11か月ほどの補修を予定している。



関連タグ編集

JR東日本 24系 北斗星

寝台列車

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