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概要編集

JR東日本が運行する臨時寝台特急列車として、1999年に運行開始。上野駅JR北海道札幌駅間を走行。それまでの「北斗星」をグレードアップさせたもので、車両も新しくE26系客車が導入されている。ただし1編成しかなく、必然的にどう運転しても隔日運行しかできず(多客時以外は週6勤1休で運行)、さらに毎年車両検査のため10月から12月にかけて運休していた。



なお、上記の通り、2人用A寝台オンリーのため、原則として2人からの利用となるが、実は1人でも乗れる。ただし、1人で2人分の特急料金・寝台料金を支払う事となるが…(乗車券は1枚でOK)

これは本列車がカップルなどの新婚旅行団体旅行を想定してそれに特化させたためであり、最初から一人旅の利用者は前提になかったからである。

※ただし、過去には一人利用のための特別切符が販売されたことがある


牽引機関車も本州内は北斗星とは別にカシオペア用に専用に塗られた車両が用意されており、災害などのトラブル時を除いて原則それが使われていた。運行当初は田端所属の専用塗色のEF81形を使用していたが、2010年にEF510形500番台を導入し置き換えた。EF510のカシオペア色機関車は同型の北斗星色機関車と共通運用となっており、北斗星色が使用されることも多かった。というかカシオペア色のデビューと牽引機交代のタイミングが合わなかったため、EF510によるカシオペア牽引は北斗星色から始まっており、しばらくしてカシオペア色による牽引も始まっている。

一方、青森~函館間はED79が、函館~札幌間はDD51がそれぞれデビューから廃止まで担当。


2016年3月の北海道新幹線開業にともない、青函トンネル内の夜間走行に問題が出たため、この区間の運行は終了。以降はカシオペアの客車自体がまだ新しい方であることから、クルーズトレイン用に転用される。

一方、牽引機だったEF510はもともとJR貨物への売却を前提として製造していたため、このあとJR貨物に売却され、EF81より先に田端を去ることとなってしまった。


このため、クルーズトレインでの運用時は寝台特急牽引から撤退(緊急時の代走はあった)していたはずの田端のEF81が復帰することになったのだが、この時点で既にカシオペア色の車両は全廃していたため、残っていた北斗星色、赤単色、スーパーエクスプレスレインボー色の3種によって、定期列車時代には試運転以外で牽引経験のなかった車両が担当。新たなる組み合わせとなった。奇しくも、北斗星は機関車が、カシオペアは客車がそれぞれ列車廃止後にも残り、その残った物同士でペアを組むことになったのである。

本州内は基本的にEF81の専属だが、山間部区間の路線では定期列車時代に迂回時の代走担当であったEF64が担当することもあり、その際はEF81との重連か単独での牽引となっている。


2016年6月4日、カシオペアクルーズとして再び営業運転を開始。翌日には北海道上陸となったが、青函トンネルではEH800が、北海道内ではDF200とJR貨物の機関車が牽引を担当した。なお、カシオペアクルーズの料金はカシオペアスイート展望室タイプで60万円、一番安いカシオペアツインでも46万円~48万円となった


2017年12月5日~6日にかけては、JRグループ7社共同のツアー列車の一部として上野~青森間で「カシオペア紀行」が運転された。

この時に牽引を担当したのはJR貨物のEH500で、それも「30周年」ということでEH500-30号機が牽引を担当した。


車両編集

客車は恒常的に運転されている(「カシオペア」は形式上臨時列車扱い)ものとしては初めてB寝台がなく、全寝台車が2人用A寝台個室で固められており、また全車両が2階建て車両である。


寝台車(1・2・4〜11号車)編集

1号車の車端部(上野寄り)に1部屋のみ存在する。座席番号は「1号車1番個室」。平屋構造の個室であり、展望室部分にソファーとテーブルを設置したリビングスペースがある。また、専用のシャワーブースやクローゼットも設置。


  • カシオペアスイート(メゾネットタイプ)

1・2号車にそれぞれ3室ずつ存在する。座席番号は「1・2号車2〜4番個室」。重層方式の個室であり、1階が寝室、2階がリビングスペースになっている。2階に専用シャワーブースと洗面台・トイレが設置されている。クローゼット付。定員は2名だが、2階のリビングスペースに補助ベッドを設置して3名で利用できる構造になっている。


  • カシオペアデラックス

2号車に1室のみ存在する。座席番号は「2号車1番個室」。平屋構造の個室で、専用シャワーブースやクローゼットも設置されている。定員は2名だが、補助ベッドを使用して3名で利用できる構造になっている。


  • カシオペアコンパート

4号車に1室のみ存在する。平屋構造の個室で、車椅子に対応できるように客室や周辺の通路が広く作られている。原則として、車椅子を必要とする利用者とその同伴者の2名利用に限り利用可能。車椅子対応のトイレ・洗面台はあるが、シャワーやクローゼットは設置されていない。


  • カシオペアツイン(車端室タイプ)

4〜6号車にそれぞれ1室、7〜11号車にそれぞれ2室ずつ存在する。座席番号は補助ベッド対応の部屋が「7〜11号車1番個室」、補助ベッド非対応の部屋が「4〜11号車2番個室」。平屋構造の個室で、補助ベッド対応の部屋は3名での使用も可能。トイレ・洗面台はあるが、シャワーやクローゼットは設置されていない。


  • カシオペアツイン(車端室タイプを除く)

4〜11号車にそれぞれ8室ずつ存在する。1階の部屋と2階の部屋があり、座席番号は1階が「11〜14番個室」、2階が「21〜24番個室」。「カシオペア」の標準タイプとなる個室で、平屋の通路から階段を降りると1階の部屋、階段を昇ると2階の部屋がある。定員は2名。トイレ・洗面台はあるが、シャワーやクローゼット、補助ベッドは設置されていない。


ダイニングカー(3号車)編集

食堂車。1階が厨房と通路、2階が客席の2階建て構造になっている。


ラウンジカー(12号車)編集

全ての乗客が利用可能な展望車。ハイデッカー構造で、2階部分が客用のスペースとなる。約20名が座れるソファーが設置されており、この車両が最後尾となる場合は後方眺望を楽しむことができる。


なお、この車両は電源車と兼用であり、床下(1階部分)には編成全体に電力を供給するディーゼル発電機を搭載している。検査時には代替として予備車(24系カニ24形から改造されたカヤ27-501)が使用されるが、この場合は通常の電源車扱いでラウンジ設備がない状態(乗客は立入り不可)での運転となる(その旨は時刻表などで公表されていない)。


こぼれ話編集

実は、フュージョンバンド「カシオペア」のキーボーディストであった向谷実氏は、当列車の運行開始に際し、親交のあったJR東日本の関係者から「今度、カシオペアという列車が走るんだけど…」といった内容の相談を受けている。


向谷氏自身も鉄道ファンであったためか、これをあっさり快諾。それどころか「Lucky Stars」なるイメージ曲を作曲してしまった。やはり筋金入りの鉄道ファンは格が違った。


関連タグ編集

姉妹列車:北斗星 トワイライトエクスプレス 日本海(列車)

後継列車:TRAIN_SUITE四季島

使用客車:E26系 カヤ27

牽引機(寝台特急時代): EF510 ED79 DD51 EF81

牽引機(「カシオペア紀行」時代):EF64 DF200 EH500 EH800

JR東日本 JR北海道

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