B寝台は寝台車/客船の客室の等級の1つ。
だいたい国鉄/JRの寝台車のそれを指すことが多いようである。
概要
寝台車の寝台設備のうち、A寝台と比べて設備が簡素で利用料金が安いもの。
三等級制時代の三等寝台→二等級制時代の二等寝台を経て、現在の制度となった。
B寝台となった後は、客室の構造は区分(個室)と開放(カーテン仕切りのみ)、寝台は2段と3段といった具合にバリエーションが多く存在した。
現在、定期列車でB寝台に相当するものは285系電車の個室寝台『ソロ』『 シングル』『サンライズツイン』『シングルツイン』のみで、開放寝台は無い。
2019年にはJRの旅客営業規則からも開放寝台の項目が削除されている。
- 3段寝台
戦前の三等寝台の頃から続く伝統的な寝台。
ある世代以上の人は「蚕棚」呼ぶことも。
客車の(開放)3段寝台は6人1区画のコンパートメント式で、戦後世代の10系客車や、走るホテルと謳われた20系客車、14系や24系客車も当初はこのタイプであった。
1970年代以降は特急列車を中心に2段寝台の24系25形や14系15形が投入されて大多数が新製/改造により置き換えられた。
とはいえ、1990年代に入ってもごく少数が急行列車や特急列車の増結車両に使われていたようである。
- 電車3段寝台
581/583系電車で採用されたプルマン式(中央の通路と並行の寝台)の3段寝台。
客車列車の大多数が2段式に置き換えられたあとも後年まで残り続けたので、3段寝台といえばこちらのイメージが強い人が多いかもしれない。
- 開放2段寝台
1973年登場の24系25形や78年登場の14系15形で採用された4人1区画のコンパートメント式の2段寝台。単にB寝台といえばこちらをイメージする人が多いかも。
上段は固定式。
個室
- ソロ
寝台特急『北斗星』で登場した一人用個室。
寝台が上段と下段(上階と下階)の2段配置で、なおかつ鍵のついた個室、という日本の鉄道車両には厳しい条件ながら、室内で立って着替えられる空間を捻出している。
24系客車のものは開放B寝台と同じく通路が片側で、寝台が車体に対して横向きに置かれている。
285系電車では、寝台は車体に対して縦向き(プルマン式と同様)である。
- デュエット
24系客車で設定された2人用個室。
開放B寝台と同じく通路を車体片側に配置しベッドが車体に対し横向きに2つ設置されている。
- シングル
- シングルツイン
- サンライズツイン
→『285系』が詳しい。