概要
記号はロネ。
三等級制時代の一等・二等寝台車、二等級制時代の一等寝台車にあたる。1969年の等級制度廃止で、従来の一等寝台からA寝台となったもの。料金制度も改められ個室と上段・下段の設定となった。
開放式A寝台は車両中央部に通路を配置し、寝台をレールに対して平行にセットするプルマン式で、寝台幅は100cm。
個室A寝台は車両によって設備が異なるが、2名程度での利用を前提に室内は広く取り、個別の洗面台やシャワールームを供えるなど快適性を大幅に高めている。
2021年現在、A寝台を連結する定期列車はサンライズ出雲・瀬戸の2列車のみとなっている。
個室A寝台の系譜
ナロネ20
個室A寝台の元祖と言えるのがこのナロネ20形で、1人用個室のルーメットと2人用個室のコンパートメントが用意された。
ルーメットには幅900mmの1人用ソファがあり、背ズリ部分が倒れることで寝台となる。その他補助席・収納式洗面台・電気カミソリ用コンセントを設置。
コンパートメントは枕木方向に長いソファがあり、その背ズリを倒すと下段寝台となり、上段寝台は壁面に収納されている。車端側2室のコンパートメントにのみ間仕切りを開放して4人用個室とすることができた。
1975年3月のダイヤ改正で運用を離脱し、翌年廃車となった。
ナロネ22
ナロネ20と同じ1人用個室と開放式A寝台を持つ合造車。
オロネ25 0
1人用個室のみを備える新造車。各部屋にテーブル兼用の洗面台を設置していた。
オロネ25 500・550
青函トンネル開業後に運行を開始する寝台列車(後の北斗星)計画に合わせてオハネ25より改造された2人用個室ツインデラックスを備える。
550番台はJR北海道が北斗星増便に合わせて改造したもの。
オロハネ24/25 550
北斗星用にオハネ25より改造された1人用個室ロイヤルと2人用個室B寝台デュエットまたはソロを備える合造車。
スロネ24 550
あけぼのに使用されていた1人用A個室シングルデラックスを備える車両。
1人用だが個室上部にエキストラベッドがあり、展開することで2名使用が可能となっている他、トイレ側1室を除いて仕切が開閉可能で最大4人でも利用できる。
スロネ25 500
トワイライトエクスプレス用に改造された2人用個室スイートと1人用個室ロイヤルを備える。
スロネフ25 500
トワイライトエクスプレス用のスイート・ロイヤル合造車。スイートは列車最後部に配置され、後方展望を満喫できる。
オロネ25 300
あさかぜ用1人用個室車。国鉄時代に製造されたオロネ25 0に比べて個室スペースが広くなっている。
オロネ25 901
夢空間に連結されていたバスルーム付の個室車。
サロハネ285
A個室のシングルデラックスとB個室のサンライズツインの合造車。
個室寝台としては日本最大級の850mmの寝台幅を誇る。
E26系
カシオペアは食堂車・ラウンジカー以外の全車両が個室A寝台となっている。全ての個室に洗面台とトイレが設置されている他、デラックスとスイートでは個室シャワーも設置している。