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クルーズトレイン
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クルーズトレイン

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しんだいとっきゅうのあらたないきさき

クルーズトレインとは、日本国内で運行される寝台列車の一種である。

寝台列車

クルーズトレインの元となった寝台列車とは、長距離を運行する夜行列車の一つであり、明治時代中期以降に運行された形態でもある。この当時から長距離列車は昼夜を問わず走らないと目的地に到着しないものであり、必然的に夜行列車となったケースが殆どであった。


その後、戦後における「高速道路の開通と自家用車の普及」や「長距離バスや旅客機の発達」により移動手段の多様化が進み、鉄道においても「列車そのものの高速化」や「新幹線の開業」など到着時刻の短縮が進むにつれ、寝台列車の魅力は「深夜時間帯を移動に充てる」程度にまで落ちてしまい、21世紀に入ってからは車両そのものの老朽化もあり、移動を目的とした寝台特急は多くが臨時運転化もしくは廃止の一途を辿って行った。


最後のブルートレインと呼ばれた北斗星も、廃止の理由の一つに使用客車の老朽化が挙げられている。


新しい価値観の登場

移動を目的とした寝台特急が淘汰される一方、JRになって登場した寝台特急が「北斗星」と「カシオペア」、「トワイライトエクスプレス」である。

この3つの列車は共に登場に前後して1988年来日した「オリエント急行」の影響を内外共に色濃く受けた「移動以外の付加価値を重視した」寝台列車であり、ロビーカーやラウンジといった新幹線や在来線特急では実現困難な客室設備を備え、更に他では採算性が低く廃止されてしまった食堂車を連結するなど豪華ホテル並みのサービスを提供する「豪華寝台特急」の花型としてその姿を世間一般に知らしめた。


しかしこれら3列車とも、北海道新幹線開業に伴う青函トンネル改良により運行ができなくなる為定期列車の運行を終了。これは基本的な発想が「走行中に豪華な設備を提供する」だけの「走るホテル」20系客車から結局本質的に飛躍できていなかったことも意味する。トワイライトエクスプレスについては運行ルートを変えたが、これは後述のトワイライトエクスプレス瑞風の運行に備えることと、北陸新幹線金沢延伸開業による並行在来線問題も影響していた模様。


クルーズトレインの幕開け

そんな時代の中で新たに誕生した寝台列車が、JR九州の「ななつ星in九州」である。

北斗星らが「終着駅まで走り抜ける豪華ホテル」であった一方、こちらは当初から「自然・食・温泉・歴史などを楽しむことを目的とした観光列車」がコンセプトであり、計画当初は「クルーズトレイン」と仮称されていたこともあり、寝台特急とは異なるとして『クルーズトレイン』と呼称されることも多い。端的に言えば、ノスタルジックビュートレインを祖とする乗車体験型観光列車の究極進化系である。


ツアー参加時は中学生以上に限定され、ドレスコードが必要であったり、1人あたりの価格は1泊2日で15万円~40万円(車中泊)、3泊4日で38万円~95万円(車中2泊・旅館1泊)と高価ながらも、2013年10月~12月の平均倍率7.27倍、2015年10月~2016年2月出発分においても平均倍率33倍と非常に人気の高い列車となっている。

その高価なツアー料金設定から、さぞかし儲かっているのであろうと思われがちなクルーズトレインだが、実際のところはこれでも赤字運行だと言われている。ぶっちゃけ編成定員が余りにも少ないからである。推定年間売上高は乗車率100%でも5億円弱に対して車両の減価償却費は2億円強(簿記会計の規定にある耐用年数13年で計算した場合)、その他人件費や維持費などを差し引くとそれだけでななつ星の売り上げが全て飛んでしまうと算定されている。しかし、クルーズトレインにおいて採算性は度外視されているため、それでも良いのである。真の狙いはPRによる相乗効果であり、クルーズトレインに乗れない客層が新幹線でもいいから九州に出向こうという客が増えることによって収益が上がるからである。


ななつ星in九州の成功により、「観光目的の豪華寝台列車」が一定の需要を得ることを認識したJR東日本JR西日本の2社は、新たに観光主体のクルーズトレインとして「トランスイート四季島」(TRAIN SUITE 四季島)、「トワイライトエクスプレス瑞風」(TWILIGHT EXPRESS 瑞風)の製造・投入を共に発表した。

両者とも電化・非電化を問わず運行できるよう、ディーゼル機関・モーターを搭載したハイブリッド方式で製造される(トランスイート四季島はパンタグラフを搭載して架線からの給電が可能)。


一方、JR東海は会社の方針として如何なる観光列車の運行の要望を拒否し、自社管内への乗り入れも一切禁止している。東海道新幹線中央新幹線への集中投資と、在来線車両の標準化の為であるが、閑散期で運用に余裕のある特急車両を臨時列車の運行に回すなど、ある程度の柔軟性は持っている。この姿勢は、観光列車よりも安全対策(特にホームドア設置)に資金を回すよう求める論者の支持を集めている。


鉄道輸送としての一翼を担ってきた寝台列車が、従来とは異なった形で走り続けることになる。

寝台列車

クルーズトレインの元となった寝台列車とは、長距離を運行する夜行列車の一つであり、明治時代中期以降に運行された形態でもある。この当時から長距離列車は昼夜を問わず走らないと目的地に到着しないものであり、必然的に夜行列車となったケースが殆どであった。


その後、戦後における「高速道路の開通と自家用車の普及」や「長距離バスや旅客機の発達」により移動手段の多様化が進み、鉄道においても「列車そのものの高速化」や「新幹線の開業」など到着時刻の短縮が進むにつれ、寝台列車の魅力は「深夜時間帯を移動に充てる」程度にまで落ちてしまい、21世紀に入ってからは車両そのものの老朽化もあり、移動を目的とした寝台特急は多くが臨時運転化もしくは廃止の一途を辿って行った。


最後のブルートレインと呼ばれた北斗星も、廃止の理由の一つに使用客車の老朽化が挙げられている。


新しい価値観の登場

移動を目的とした寝台特急が淘汰される一方、JRになって登場した寝台特急が「北斗星」と「カシオペア」、「トワイライトエクスプレス」である。

この3つの列車は共に登場に前後して1988年来日した「オリエント急行」の影響を内外共に色濃く受けた「移動以外の付加価値を重視した」寝台列車であり、ロビーカーやラウンジといった新幹線や在来線特急では実現困難な客室設備を備え、更に他では採算性が低く廃止されてしまった食堂車を連結するなど豪華ホテル並みのサービスを提供する「豪華寝台特急」の花型としてその姿を世間一般に知らしめた。


しかしこれら3列車とも、北海道新幹線開業に伴う青函トンネル改良により運行ができなくなる為定期列車の運行を終了。これは基本的な発想が「走行中に豪華な設備を提供する」だけの「走るホテル」20系客車から結局本質的に飛躍できていなかったことも意味する。トワイライトエクスプレスについては運行ルートを変えたが、これは後述のトワイライトエクスプレス瑞風の運行に備えることと、北陸新幹線金沢延伸開業による並行在来線問題も影響していた模様。


クルーズトレインの幕開け

そんな時代の中で新たに誕生した寝台列車が、JR九州の「ななつ星in九州」である。

北斗星らが「終着駅まで走り抜ける豪華ホテル」であった一方、こちらは当初から「自然・食・温泉・歴史などを楽しむことを目的とした観光列車」がコンセプトであり、計画当初は「クルーズトレイン」と仮称されていたこともあり、寝台特急とは異なるとして『クルーズトレイン』と呼称されることも多い。端的に言えば、ノスタルジックビュートレインを祖とする乗車体験型観光列車の究極進化系である。


ツアー参加時は中学生以上に限定され、ドレスコードが必要であったり、1人あたりの価格は1泊2日で15万円~40万円(車中泊)、3泊4日で38万円~95万円(車中2泊・旅館1泊)と高価ながらも、2013年10月~12月の平均倍率7.27倍、2015年10月~2016年2月出発分においても平均倍率33倍と非常に人気の高い列車となっている。

その高価なツアー料金設定から、さぞかし儲かっているのであろうと思われがちなクルーズトレインだが、実際のところはこれでも赤字運行だと言われている。ぶっちゃけ編成定員が余りにも少ないからである。推定年間売上高は乗車率100%でも5億円弱に対して車両の減価償却費は2億円強(簿記会計の規定にある耐用年数13年で計算した場合)、その他人件費や維持費などを差し引くとそれだけでななつ星の売り上げが全て飛んでしまうと算定されている。しかし、クルーズトレインにおいて採算性は度外視されているため、それでも良いのである。真の狙いはPRによる相乗効果であり、クルーズトレインに乗れない客層が新幹線でもいいから九州に出向こうという客が増えることによって収益が上がるからである。


ななつ星in九州の成功により、「観光目的の豪華寝台列車」が一定の需要を得ることを認識したJR東日本JR西日本の2社は、新たに観光主体のクルーズトレインとして「トランスイート四季島」(TRAIN SUITE 四季島)、「トワイライトエクスプレス瑞風」(TWILIGHT EXPRESS 瑞風)の製造・投入を共に発表した。

両者とも電化・非電化を問わず運行できるよう、ディーゼル機関・モーターを搭載したハイブリッド方式で製造される(トランスイート四季島はパンタグラフを搭載して架線からの給電が可能)。


一方、JR東海は会社の方針として如何なる観光列車の運行の要望を拒否し、自社管内への乗り入れも一切禁止している。東海道新幹線中央新幹線への集中投資と、在来線車両の標準化の為であるが、閑散期で運用に余裕のある特急車両を臨時列車の運行に回すなど、ある程度の柔軟性は持っている。この姿勢は、観光列車よりも安全対策(特にホームドア設置)に資金を回すよう求める論者の支持を集めている。


鉄道輸送としての一翼を担ってきた寝台列車が、従来とは異なった形で走り続けることになる。

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