曖昧さ回避
- ドイツ語で足跡、轍、あるいは一般に痕跡などを意味するSpurを語源とする、ソリ・スキーの滑った跡を意味する語。
- サウンドノベル「かまいたちの夜」の舞台となるペンションの名称。1に由来。
- かつて国鉄・JRで運行されていたスキー客向けの臨時列車。本稿で解説。
3の概要
列車種別は大半が急行であった。
1970年代から、スキー客向けの臨時列車は運行されており、それらがシュプールの下地となっている。
例として、上野駅発の「石打スキー」「小出スキー」「中里銀峰」などがあるが、これらは上越新幹線の開業とともに役目を終えた。
国鉄末期から、当時のスキーブームに応える形で運転開始。
列車によって行き先が異なり、主に東京・名古屋・京阪神といった大都市圏と、長野県・新潟県・東北地方を結んだ。
使用車両は特急型車両が基本だが、夜行ダイヤだと20系客車や583系のような寝台車を動員した列車もあった。
最盛期にはJR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州の4社で運行されたが、大都市圏の過密ダイヤに臨時列車をねじ込むのは無理があり、種別は急行なのにダイヤ上の所要時間は普通列車並みという列車も多く、次第に利用客に敬遠されていく。
人気のスキー場を多数抱える長野県へは長野新幹線(現在の北陸新幹線)が開通したり、高速道路の整備と4WD車の普及によるマイカーへのシフトも影響を与えた。
更にバブル崩壊後の不景気でスキーブーム自体も終焉を迎え、2005年を最後に全てのシュプールが運行終了した。
以降、JRグループではスキー客向けのツアーパッケージを新幹線とセットで販売している。
使用車両
- JR移行時に継承された国鉄形特急車両はほぼ全てがシュプールに使用された実績を持つ。
- 変わった例だとジョイフルトレインを使用した列車があり、JR東海はユーロライナーを使用した。
- JR西日本では14系座席車をシュプール専用に改造した。これらの車両は後にムーンライト九州などの臨時列車で汎用的に使用された。JR九州も同様で、12系を専用に改造し、熊本県と鳥取県を結ぶ「シュプール大山」に使用したが、後に雑多な運用に充てられ東海地方にまで足跡を残している。
- JR西日本の運用末期には583系と485系の併結というレアな編成が組まれ、ファンを沸かせた。
関連項目
トワイライトエクスプレス:B寝台のみに再編成した「シュプールトワイライト信越」という列車を1シーズンだけ運行したことがある。