DB10とは
- アストンマーチン製のコンセプトカー、映画007『スペクター』のボンドカーとして制作された。
- 鉄道省が製作したディーゼル機関車。
- 鉄道省で運用したガソリン機関車「ケDB10形」。
- くりはら田園鐡道が運用したディーゼル機関車。
- 名古屋鉄道が運用したディーゼル機関車。
- 南阿蘇鉄道が運用したディーゼル機関車。
- 平成筑豊鉄道が運用するディーゼル機関車。
本項目でいずれも説明する。
アストンマーティン・DB10
1913年創業のイギリスの自動車メーカー「アストンマーティン」が製造したクーペタイプのスポーツカーである。
2015年公開の映画『007 スペクター』の劇中に登場するボンドカーとして10台のみ製作され、10台のうち8台は実際に映画の撮影に使用された。
市販はされなかったが映画の公開に合わせ本車を再現した「DB9 GTボンド・エディション」が150台限定で販売された。
鉄道省DB10形
DB10とは戦前日本の鉄道省で初めて製造・量産された50馬力級ディーゼル機関車である。
第一次世界大戦直後の世界的な不況を受けて、入換作業の合理化を目指し開発された。製造は川崎車輛、日本車輌、日立製作所。鉄道省初の純国産ディーゼル機関車である。
1932年に計8両が製造され主に入換機として用いられた。
蒸気機関車のようなロッドで前後の動輪を結んでいるが、古いタイプのディーゼル機関車ではエンジンの回転力を一軸だけに伝達し、他の動軸にはロッドで伝達するという方式が良く用いられており、DB10の場合もその一例。
この方法には伝達機構を簡単にできるメリットがあった。
逆転機から車軸へはローラーチェーンで駆動されていたが、これも当時の気動車で二軸駆動を実現しようと用いられた方法でもある。
外観は無骨な鋲接構造の凸型車体を持ち、1エンド、2エンドで形状が違うのが特徴。
初の量産国産ディーゼル機関車という事もあり、傑出した性能は持っていなかったが各地に分散配置され、入換仕業に就いた……ものの、当時の内燃機関車の例にもれず支那事変(日中戦争)以降の燃料統制で休車に追い込まれ、戦後1948年までに全車廃車となった。
門司鉄道局に配置されていた1号機と7号機はエンジンを換装した上で門司港駅の貨車移動機として使用されていた。
このうち1両は北九州資材センターが閉鎖される1980年代まで使用されていたが、幾度となく改修が施され原型を失っており、ロッドに残る「DB101」の刻印のみがDB10形であることを物語っていたとされる。
このほか米原機関区で本機のボンネットを撤去、タンク7本を装備し圧縮空気で駆動する車両移動機に改造されていた1両が確認されている。休車となったE10形蒸気機関車と共に留置されていた写真が残されている。
鉄道省ケDB10形
宮崎県営軌道が1932年の開業時に導入したガソリン機関車。
アメリカ・ホイットコム社製で、1935年時点で代燃炉を装備している。
1935年に宮崎県営軌道が国有化され油津線(後の日南線飫肥駅~油津駅間)となった際に鉄道省の機関車となり、ナローゲージの車両であったことから軽便鉄道規格を示す「ケ」の記号が与えられた。
1942年に廃車となりその後の消息は不明である。
くりはら田園鉄道DB10形
くりはら田園鉄道の前身である栗原電鉄が導入したディーゼル機関車。
石越駅の入換機として2両が運用されていた。
2005年までに全車廃車となったが、DB101が旧若柳駅構内で動態保存されている。
名古屋鉄道DB10形
名古屋鉄道が1959年に導入したディーゼル機関車。製造は加藤製作所。
トヨタ自動車工業の私有車で、拳母線のトヨタ自動車前駅から伸びていたトヨタ自動車本社工場専用線で運用されていた。
拳母線が廃止になったのちの1975年に廃車となった。
南阿蘇鉄道DB10形
1986年に国鉄高森線を転換した南阿蘇鉄道で無盖貨車2両を改造したトロッコ客車を機関車2両で挟んで運行することになり、国鉄F6貨車移動機を改造した本形式が投入された。製造は協三工業。
DB101は中間駅で入換機として、DB102は水資源開発公団が運用していた機関車とされる。
2006年に経年による性能低下によりDB16に置き換えられ廃車となり平成筑豊鉄道へ売却された。
平成筑豊鉄道DB10形
上記の南阿蘇鉄道DB10を平成筑豊鉄道が購入。
日鐵運輸で再整備を受け2009年より門司港レトロ線で島原鉄道から購入したトロッコ客車とともに「潮風号」として運行している。
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ディーゼル機関車 アストンマーチン 007 ジェームズ・ボンド
DB500:JR貨物が製造した入換用機関車