概要
キャッチフレーズは「キング・オブ・スポーツ」。「日本プロレス」を追い出されたアントニオ猪木が旗揚げした団体で、現在の日本のプロレス団体では最古の歴史を持つ。
旗揚げ戦は1972年3月6日(その7ヵ月後にライバル団体の全日本プロレスが旗揚げされた)。
現在もメジャー団体最高峰にふさわしい形で君臨している。
毎年1月4日の東京ドーム大会に夏の恒例行事(近年は9月~10月の秋開催)である”G1 CLIMAX"や秋季開催の”WORLD TAG LEAGUE”、ジュニアの祭典”BEST OF THE SUPER Jr.”といった大会では数々の名勝負が産み出されている。
主な歩み
旗揚げ当初は人数も5~6人と非常に少なく、テレビ中継も無ければカール・ゴッチ以外の大物外国人も招聘できなかった。
しかし、翌年の1973年に坂口征二が若手数名を連れて日本プロレスから合流。それに伴い、テレビ放送も開始される様になり「猪木・坂口」の2枚看板で団体をけん引し、80年代には長州力と藤波辰爾の「名勝負数え歌」やタイガーマスクが人気を博す。
だが、長州が「ジャパンプロレス」を旗揚げして全日マットに参戦したり、前田日明が「UWF」に参加したりと「冬の時代」を迎えたが、後に坂口征二が社長になった80年代後半以降から黄金期に突入し、90年代「闘魂三銃士」がトップに立った新日本は業界をリードし続けていたが、坂口が会長にシフト、藤波辰爾が社長に就任した2000年代に入ってから冬の時代に突入。
ゴタゴタ続きで武藤敬司や橋本真也に社長退任後の藤波など多くの選手が離脱したことで暗黒時代を迎え、
三沢光晴を中心に旗揚げしたNOAHやK-1ら総合格闘技の繁栄もあり、プロレス低迷の象徴になってしまう。
とは言えこの頃には、岡田和睦(オカダ・カズチカ)や内藤哲也といった逸材も加入している。
しかし、ユークスに買収され猪木の手を離れてからは徐々に息を吹き返し、2010年は業績黒字を記録。
2010年終わりから半年以上、ツアーのまとめとなるビッグマッチではすべて満員を記録し、2011年における地方のビッグマッチは全て超満員札止めを記録している(2011年6月現在)。
全日本、NOAHを含む3大メジャー団体において、新時代のプロレス界におけるリーダーとしての存在感が出てきている。
ユークスからブシロードへ
2012年1月31日、新日本プロレスはユークスが保持する自社株100%を、5億円で株式会社ブシロードグループパブリッシング(ブシロードGP)に同日付で譲渡。
これをもって、新日はユークスからブシロードの子会社となった。
その後、9月にはカードゲーム「キングオブプロレスリング」が発売。
新日本所属選手をはじめグレーテストレスラーズ、他団体選手まで幅広いカードを展開中していた。
海外展開
2014年2月にアメリカ第3の団体ROHと提携し、アメリカで合同興業も開催するようになった。
このほか、メキシコのCMLL、アメリカのインパクト・レスリング(旧TNA)、AEWとの連携を強めている。
最近はtwitterやfacebook、Youtubeの公式チャンネルなどネット上でも幅広く活動し、国外への発信力を強めている。公式動画配信サービス「njpwworld」、FITE TV(アメリカの動画サービス)ではアメリカにおけるシリーズ『NJPW STORNG』が展開を開始。独自の大会やタイトルも制定されるなど、日本国内とは別のブランドが形成されつつある。
2023年10月には「各団体との協力関係により、アジア太平洋地域でのさらなるプロレス振興を図る」目的で、新日本プロレスとスターダム、PUZZLE(台湾)、DFW(中華人民共和国)、SETUP(タイ)、Grapplemax(シンガポール)アジア太平洋プロレス連盟(Asia-Pacific Federation of Wrestling)を設立した。
新型コロナウイルス
2020年、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス(COVID-19)は、プロレス業界にも多大な影響を及ぼした。
特に新日本プロレスでは、政府からのイベント自粛勧告に従い、3月1日から3月15日までの11大会を中止することを発表。だが感染拡大は収まらず、4カ月間・110日間に渡り合計53大会を中止した。その中には、重要な大会の一つである旗揚げ記念日(代替開催はなく開催中止)やGWの恒例行事となっている福岡でのレスリングどんたく(代替開催はなく開催中止)、NEW JAPAN CUP(興行再開後の6~7月に開催を変更)・BEST OF THE SUPER Jr.(2020~21年は11~12月に開催時期を変更)など、団体が重要視しているリーグ戦も含まれていた。
業界内では、既にフォーマットが構築されている女子団体アイスリボンなど、ネット配信による無観客興行を行っていた団体もあるが、業界最大手である新日本は、「最大手である以上、会社の社会的責任が伴い倫理観ある行動が求められている」として、さらに「無観客であっても(会場そのものが3密である以上)選手・スタッフの感染リスクは避けられない」という判断から、完全な活動停止に踏み切る判断を下した。
緊急事態宣言全面解除後の6月15日、会場非公開の無観客試合として興行を再開。その後、感染対策に留意しながら徐々に有観客大会にシフトしていった。
そして2021年5月に所属選手の陽性が確認されるまで、スタッフ、観客を含めて感染者を出さずに興行を成功させた。
2020年4月15日、木谷高明(新日本プロレス・スターダムのオーナー)が音頭を取る形で国内男女7団体が新日本・全日本プロレスOBでもあり文部科学大臣も歴任した馳浩衆議院議員(当時)、スポーツ庁、経済産業省に休業補償などの要望書を提出。馳は7団体にコミッション設立を要請したことをきっかけとして2023年12月15日に日本プロレスリング連盟(United Japan Pro-wrestling、略称UJPW)結成した。
管理タイトル
王者表記は2024年4月24日時点でのもの
シングル王座
王座名 | 現王座 | 説明 |
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IWGP世界ヘビー級王座 | ジョン・モクスリー<第9代王者> | 2021年にIWGPヘビー級王座、IWGPインターコンチネンタル王座が統一されたタイトル。王座ベルトのデザインは設立当時の新日本社長である大張高己氏の実兄で、アニメーターの大張正己氏が担当。 |
IWGPジュニアヘビー級王座 | SHO<第95代王者> | |
IWGP GLOBALヘビー級王座 | ニック・ネメス<第2代王者> | 2023年にIWGP USヘビー級(&UKヘビー級)が廃止されたことにより新設されたタイトル。 |
NEVER無差別級王座 | 鷹木信悟<第44代王者> | |
IWGP女子王座 | 岩谷麻優<第3代王者> | 2022年に設立された女子プロレスのタイトル。新日本プロレスの子会社であるスターダムの選手を中心に行われ、スターダムの興行や新日本の興行でスターダムが出場する試合などで王座戦が行われる。 |
NJPW WORLD認定TV王座 | ザック・セイバーJr.<第4代王者> | 15分1本勝負で試合を行い。時間切れの場合はコイントスで決着をつける。 |
STORNG無差別級王座 | エディ・キングストン<第6代王者> | NJPW STRONGという事前収録形式の番組として配信される。 |
STRONG女子王座 | ステファニー・バッケル<第3代王者> |
タッグ王座
王座名 | 現王座 | 説明 |
---|---|---|
IWGPタッグ王座 | 後藤洋央紀&YOSHI-HASHI<第102代王者> | 1985年創設。新日本で現存するタイトルかつIWGPの王座として最古の王座であり、WWFインターナショナル・タッグ王座に代わるタッグ王座として創設された。現在の王座のベルトは3代目。 |
IWGPジュニアタッグ王座 | ドリラ・モロニー&クラーク・コナーズ<第75代王者> | 1998年創設。現在の王座のベルトは2代目。 |
NEVER無差別級6人タッグ | 棚橋弘至&矢野通&ボルチン・オレッグ<第27代王者> | |
STRONG無差別級タッグ王座 | ヒクレオ&エル・ファンタズモ<第6代王者> |
KOPW
2020年設立。ルールは試合ごとに選手自身が希望するものを持ち寄り、ファン投票によって決定する。
防衛戦を繰り返していき、年末の時点でのトロフィー保持者がその年のKOPW王者となり終了、翌年は1からタイトル保持者を決める。
年代 | 覇者(現保持者) | 備考 |
---|---|---|
2020 | 矢野通<初代> | 8月の後楽園ホール大会から初代保持者を決める8人によるトーナメントが開始し、8月末の明治神宮野球場大会で4wayマッチによる決勝戦を開催。 |
2021 | 矢野通<初代&第3代> | この年から、初代保持者は1月4日の東京ドーム大会からニュージャパンランボー(ロイヤルランブル形式の複数の選手が参加する試合形式)から予選を行い、残り4名となった時点で、翌日の大会の4wayマッチで決勝戦を行う形に。 |
2022 | 鷹木信悟<第4代> | |
2023 | タイチ<第2代&第4代> | 前年までトロフィーが何度も破壊される事態が起こり続けた為、この年から鷹木の提案で保持者にはチャンピオンベルトが授与される。年末を以ってKOPW王者が確定した時点で、トロフィーが授与される。 |
2024 | グレート-O-カーン<2代現保持者> |
所属選手
新日本プロレスの所属選手一覧を参照。
ユニット
2024年現在。8チーム以上の複数の勢力が抗争を展開している。
ユニット名 | 説明 | 主なメンバー |
---|---|---|
本隊(正規軍) | ベビーレスラーが所属する新日本の正規軍。棚橋や第三世代が所属しており、新日本をデビューした新人レスラーによる「ヤングライオン」は卒業まではこちらに所属する。 | 棚橋弘至、真壁刀義、エル・デスペラード、田口隆祐 |
CHAOS | かつて中邑真輔とオカダ・カズチカが所属したことのあるユニット。元々はヒールユニットであったが、オカダ加入や矢野がプロデュースするYTRDVDなどによりベビーユニットに。2018年からは本隊と同盟関係に落ち着いている。 | 矢野通、石井智宏、YOH、 |
BULLET CLUB | 略称は「BC」。2013年に設立され、フィンレーが5代目のリーダーを務める外人選手中心のヒールユニット。これまでリーダーが入れ替わっており、新日本のみならず、AEWなどの海外の他団体にも広がっており、ヒールユニットとしては大多数。 | デビット・フィンレー、KENTA、チェーズ・オーエンズ、石森太二 |
ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン | 略称は「LIJ」。2015年設立。ベビーでもヒールでもない制御不能の反体制ユニットが特徴的だが、内藤を中心としたムーブメントを起こすなど最も人気の高いユニットとして有名。 | 内藤哲也、高橋ヒロム、鷹木信悟、辻陽太 |
UNITED EMPIRE | CHAOSを離脱したウィル・オスプレイが築いた新興勢力。O-カーンを除く全員が外国出身である。 | グレート-O-カーン、ジェフ・コブ、HENARE、TJP |
HOUSE OF TORTURE | BULLET CLUB所属のEVILがリーダーを務めるBCの内部ユニット。略称は「H.O.T」であり、拷問の館という意味。メンバーはいずれも日本人ヒールレスラーであり、メンバー全員が凶器を使用し暗転などの試合を妨害するなどBCの中では反則・手段を選ばぬ戦法が特徴的。BC内部ユニットであるが、他のBCメンバーとは独立的。 | EVIL、成田蓮、SHO、金丸義信 |
Just 5 Guys | タイチなど元「鈴木軍」メンバーが中心に立ち上げ、SANADAが筆頭を務めるユニット。 | SANADA、タイチ、上村優也 |
TMDK | 正式名称は「The Mighty Don't Kneel」。元々はNOAHの外人ユニットであり、2022年のSTRONGで再始動。翌年、ザックが加入。 | ザック・セイバー・ジュニア、ロビー・イーグルス |
関連タグ
アントニオ猪木:創設者
ブシロード:2012年から親会社となり、オカダ・カズチカなど所属選手をコマーシャルに起用している。
全日本プロレス:双璧を成すライバル団体。2022年の後楽園ホール60周年還暦祭では両団体の看板選手の混成タッグがみられた。
プロレスリング・ノア:近年のライバル団体。2022年1月8日横浜アリーナ大会で対抗戦が行われた。
DDTプロレスリング ドラゴンゲート:ここ数年間で好調を維持している団体
GLEAT:2021年に旗揚げした新興団体。旗揚げ戦のメインにSHOが参戦した。2022年1月の東京ドーム大会にCIMAが参戦して以降、両団体間での交流が活発になっている。(GLEAT所属選手が新日本の大きな大会へ参戦、新日本所属選手がGLEATの興行に参戦するなど)
ROH:アメリカの提携団体
CMLL:メキシコの提携団体
エマーソン、レイク&パウエル:会場での試合前と全試合終了後と中継番組『ワールドプロレスリング』のOPにエマーソン、レイク&パウエルの楽曲『The Score 』が使用されている。
JAM_Project:『G1 CLIMAX』第31回大会テーマソング『Max the Max』を歌唱(G1のテーマとして制作)。⇒JAM Project公式YouTubeチャンネルによる動画
UJPW参加団体
新日本プロレス
全日本プロレス
プロレスリング・ノア/DDTプロレスリング/東京女子プロレス(株式会社CyberFight)
ガンバレ☆プロレス(株式会社ガンプロエンターテインメント※)※結成当時は株式会社CyberFightが運営。
大日本プロレス(有限会社四ツ葉工芸)
DRAGONGATE(DRAGONGATE株式会社)
九州プロレス(NPO法人九州プロレス) - 2024年7月加盟
スターダム(株式会社スターダム※)※2024年に株式会社ブシロードファイトから社名変更
ワールド女子プロレス・ディアナ(ワールド女子プロレス・ディアナ株式会社)※オブザーバー
NJPWグレーテストレスラーズ
新日本プロレスが創立35周年を期に創設して功労者(引退した選手のみ)を表彰する制度。
2012年以降は発表無し。故人は✝。なおブラック・キャットとドン荒川は正式に引退しないまま亡くなっている。
2007年
2009年
2010年
2011年
ドン荒川✝