概要
1952年設立。
かつては、1979年3月1日以前はWWWF(World Wide Wrestling Federation)、以降はWWF(正式名称はWorld Wrestling Federation)という名称だったが、パンダのロゴを持つ同名の環境保護団体との裁判に敗れ、2002年にWWE(World Wrestling Entertainment)に変更したが、2011年4月に現在の社名に変更された。
プロレス団体としては珍しくニューヨーク証券取引所に上場しており、アメリカの大統領選挙には保守派の共和党の支持に回っていたが、イラク戦争の失敗やバラク・オバマが大統領になった事による民主党政権に変わった事により、保守色は薄めつつある模様。
2023年4月にUFCを運営するエンデバーに93億ドルで買収され、9月12日にWWEとUFCは合併し「TKOホールディング」に名称変更。これによりWWEは上場廃止となったが、代わってTKOホールディングが株式上場している。
所属レスラー数、興行規模、ファン数などにおいて世界最大規模を誇り、世界各国でTV放映されている。
所属するレスラーは「SUPER STAR」と呼ばれ、彼らの愛憎劇を軸に試合が組まれて行き、ほぼ月一回行われるPPVにて因縁を解消すべく決戦が行われる(解消されず引きずる場合も…)。
女性レスラー(レスラーでない女性も含む)は、以前は「DIVA」と呼ばれていたが2016年頃より呼ばれなくなり、以降は男子レスラーと同様にエクストリーム系の試合も行われるようになった。
Pixivでは、主にSUPER STARやDIVAを題材にした作品にタグとして付けられる事が多い。
スペイン語実況席
アメリカでは公用語が定められていないため、事実上の第二外国語としてスペイン語話者が多い。それゆえにWWEの実況でもスペイン語の実況席が設けられている(現在は廃止)。
スペイン語実況席はWWE(旧WWF)のメインイベント、特に特番でリング外の乱闘になった時、必ずと言っていいほどぶっ壊されるのがお約束。
逆にスペイン語実況席を破壊しない特番はつまらないと言った意見も多々見られる。
視聴方法
日本では2023年10月より、レギュラー番組(RAW&SMACKDOWN)・PLE(かつてはPPVと呼ばれていた)をインターネットテレビのABEMAで配信。RAWとSMACKDOWNは開催日から半日後の日本時間夜9時(10月までは米国内でサマータイムを実施している関係上夜8時)から大部分のCMカットし、マイクパフォーマンスやバックステージ劇などは日本語字幕・日本語実況を挿入する形で無料配信し、初回放送から1週間程度無料見逃し配信を実施。
また、同月よりWWEネットワークの大部分のコンテンツをABEMAに移行することを発表し、事実上日本国内のWWEネットワークをABEMAに統合。レッスルマニアやマネーインザバンク、ロイヤルランブルなどの5大PLEについては、ABEMAでPPV形式で独占生配信している。それ以外のPLEの多くは無料生中継を行う。過去のPLE全大会やNXTの試合も後日ABEMAビデオで配信しており、2024年からはNXT主体のPLEもABEMAプレミアム会員限定で生中継を行っている。
2022年までは、レギュラー番組・特番をCS放送のJ SPORTS、ダイジェスト番組を一部地方のUHFチャンネルで放送。
J SPORTS枠は、2016年よりRAWの1時間短縮放送とSmackdownの総集編「After burn」のみとされたが、代わりにフル放送を開始した「DAZN」が2018年12月末に撤退、2019年よりフル放送復活とあいなったのだが、こちらも2021年12末にWWEとの契約終了。再放送も2022年1月末で終了し、テレビ放送は一時期消滅してしまう。その後、RAWとSMACKDOWNに関してはWWEのYoutubeチャンネルによる1時間半の縮小版を配信していたが、前述のABEMAでの配信開始に伴い現在は終了。
また、WWEネットワークでも配信。レッスルマニアなどのPLEやNXTと205liveなどを生配信。RAWやSMACKDOWNが3~4週遅れての放送。一方、PLEのみ日本語実況があるが、日本語字幕はない。前述の通り、こちらは2023年10月よりPLEなどの大部分のコンテンツがABEMAに移行され、国内ではABEMAと統合予定。以降は大部分のコンテンツはWWEネットワーク自体では日本国内では視聴不可能の状態となり、現地点では選手ドキュメンタリーなど一部コンテンツは引き続き視聴可能。なお、日本国外でも本国アメリカではpeacookに統合されるなど、各国でWWEネットワークのコンテンツが各国の主要動画配信サービスと移行・統合する動きが進んでおり、2024年を以ってWWEネットワークを終了する予定。2023年のABEMA配信開始は各国のWWEの展開に沿った流れに乗った形である。
一方、2024年にWWEはNetflixと「RAW」の独占配信契約を結んだため、アメリカとカナダ、イギリスでは2025年1月よりRAWのテレビ放送が無くなる。また、アメリカ国外の多くの国々では、PLEを含めた全てのWWEネットワークのコンテンツをNetflixに移行予定。日本に関しては言及されていないが、Netflix的には拡充予定があるため今後の動向が注視される。
主要番組・ブランド
WWEの興行・ストーリーで最も中心となるのは毎週全米で放送されるRAWとSMACKDOWNといったブランドの番組である。一軍に位置づけられる主力の選手はRAWとSMACKDOWNのどちらかに出演という形で所属し、それぞれの番組で異なるアングルとストーリーと試合を展開していく。
現在のスタイルとなったのは2002年からで、2011年に一時期番組は残したままブランド統合がなされた時期もあったが、2016年より再び再分割。主にレッスルマニア終了後辺りで『スーパースターシェイクアップ』で両選手を対象としたRAWとSMACKDOWNによる分割ドラフトが行われ、この結果に基づいて所属ブランドを決定する。但し、ストーリーやタイトルの行方によっては、あるブランドの所属選手が別ブランドに出場することもある。
現在
RAW
(月曜日(日本時間:火曜日)に生放送:3時間番組)
WWEの看板ブランドの一つで、1993年開始以来最も長く続いている番組である。イメージカラーは赤。番組名のRAWは生の意味であり、開始以来原則としてほぼ毎週生放送で月曜夜に放送しており(2005年2月7日(現地時間)の放送は日本時間2月4日に開催されたさいたまスーパーアリーナ大会の放送のため収録放送)、初期の番組名から『Monday Night RAW』とも呼ばれている。90年代はライバル団体であったWCWが裏で放送した『マンデーナイトロ』と『Monday Night War』と呼ばれる激しい視聴率争いを繰り広げていたが、97年にアティチュード路線に切り替わると、形勢逆転。そして2001年にWCWが衰退に伴いWWEに買収され、現在の番組名に変更。2012年から3時間の放送に拡大した。
開始以来一時期を除きNBC系列のケーブルテレビ向けのUSAネットワークで放送されていたが、2025年よりTV放送からネット配信のNetflixに移行予定。
SMACKDOWN
(金曜日(日本時間:土曜日)に生放送:2時間番組)
RAWと対を成すもう一つの看板ブランド番組である。イメージカラーは青。番組名の由来はドゥエイン"ザ・ロック"ジョンソンの決め台詞から。
1999年に開始され、2002年からはWCWとECWの統合に伴い所属選手が大量に増加したことにより、RAWかSMACKDOWNのどちらかのブランドに所属する2ブランド制に移行。RAWと対照的に番組開始から長らく収録放送であったが、2016年より生放送に変更。2019年から放送局が地上波FOXに移行すると毎週金曜日の放送になり、『Friday Night SmackDown』とも呼ばれるようになった。2024年10月より、USAネットワークに移行予定。
NXT
(ファーム団体。火曜日(日本時間:水曜日)に生放送:2時間番組)
過去
205 live (金曜日にSMACKDOWNに続けて放送:SMACKDOWNの放送直前に収録:1時間番組)
主要PLE
WWEにおけるビックマッチに相当するイベント。基本的にはRAWやSMACKDOWNで展開しているストーリーはタイトルマッチなどこのイベントで決着をつけることが多い。
以前はPPVと呼ばれており、RAWとSMACKDOWNとは別に番組を購入する仕組みであったが、WWEネットワークやpeacookなどでストリーミングサービスによる生中継が定着したことで、PLE(プレミアムライブイベント)という呼び名に変わった。
年度によって開催されるPLEが異なる場合があるが、レッスルマニアなどの4大PLEを中心に毎年必ず行われるのがほとんど。
4大PLE
ROYAL RUNBLE(ロイヤルランブル)(1月)
WrestleMania(レッスルマニア)(4月)
SummerSlam(サマースラム)(8月)
Survivor Series(サバイバー・シリーズ)(11月)
レスラーへの対応
レスラーの管理はとても厳しい団体として有名である。
怪我をした場合WWE専属の医師がOKしない限り試合をすることができない。特に頭部の怪我や脳震盪には(過去にトラブルや裁判があったから)かなり厳重に対応するのでダニエル・ブライアンの様に本人の意思によらず「引退」することになったりする。
ブランドとして「Raw」「Smackdown Live」「NXT」「NXT UK」「205 Live」を抱えているが、それぞれの所属レスラーは収録日には試合が組まれていなくとも会場にあらかじめ定められた時間までに入っていないといけない。これは急に試合を組まれたり、セグメントへの出演が決まったりするからである。
所属レスラーはWWE側が決めたキャラクターに沿って行動しなければならない。以前は家の中ですら守らないといけなく、一歩外へ出れば絶対厳守だった。
今はプライベートは一応あるが、会場内もしくはセグメントやトーク、プロモの収録などの時はキャラクターになっていないといけない。
入場時はあらかじめ決められたムーブ(秒単位で決まっている)通りに動き、技や決めポーズなども勝手にはできない。
禁止技があり、主に他のレスラーの得意技や必殺技は使えない、頭部にダメージが大きい技は使えない、雪崩式断崖式の技(試合中の流れで出した場合は認められる)は使えないと言う決まりがある。
また当初は使えてもランディ・オートンのパントキックの様に後から禁止になる技もある。
それからキャラクターに合わない技も使えない場合が多い。
違法薬物の使用は、かつては筋肉増強剤の使用が暗黙の了解として使われていたが、今は「ドラック」とともに禁止されている。ウェルネス・ポリシーが定めらていて、もし使用が発覚したら一回目で30日、二回目で60日の謹慎が課され、三回目だと問答無用で解雇である。しかも抜き打ちの検査を受けなかった場合、理由の如何に関わらず上記の罰則が適用される。
契約に「競業忌避規定」があり、解雇もしくはレスラー自ら退団を申し出てそれが認められた場合、退団した日から90日間は他の団体と契約することも出場することもできない。
ネット上では謹慎期間と書かれる場合もあるが、正しくは「その期間WWEに保有権がある」である。
WWE側が最低限の給料を保証する代わりに再契約交渉を独占的に行え、かつ期間内なら必要であれば試合やセグメントなどに出場させる事ができる規定である。
性的マイノリティへの対応
WWEでは過去に性的マイノリティをギミックとしたスーパースターが度々登場していたが、何故かレスラー本人がカミング・アウトする事はほとんど許可してこなかった。現時点(2020年7月29日現在)でカミング・アウトしているのはダレン・ヤングとソーニャ・デビルの二人だけである。またシェイナ・ベイズラーはWWE内でカミング・アウトこそしていないが同性愛者であることは知られている。
現在WWEにおいて性的マイノリティをギミックにしているのはレズ・カップルをモチーフにしている“ザ・アイコニクス”である。但し、メンバーのビリー・ケイもペイトン・ロイスも既婚者である。
抗争ストーリー
WWEでは友人同士で抗争を展開するストーリーが組まれることがあり、有名なのはランディ・オートンとジョン・シナの抗争である。現在はコロナの影響で出場できるスーパースターに限りがあるため友人同士による抗争が中心となっている。
例を挙げれば
セス・ロリンスとレイ・ミステリオ(セスの奥さんであるベッキー・リンチとミステリオが友人)
ドルフ・ジグラーとドリュー・マッキンタイア
“ザ・フィード”ブレイ・ワイアットとブラウン・ストローマン
マンディ・ローズとソーニャ・デビル
サーシャ・バンクスとアスカ
シェイマスとジェフ・ハーディ
といった具合である。
関連人物
過去から現在に渡り所属していたSUPER STAR・DIVAの一覧
代表取締役
SUPER STAR(男子)
ショーン・マイケルズ(HBK)
HHH(トリプルエイチ)
ウィリアム・リーガル・・・スティーブン・リーガルとも
JBL(ジョン・ブラッドショー・レイフィールド)
TAJIRI(タジリ / 田尻義博)
ザ・シールド(セス・ロリンズ&ディーン・アンブローズ&ロマン・レインズ)
ヒデオ・イタミ(KENTA)
SUPER STAR(女子:DIVA含む)
ASUKA(華名)
カイリ・セイン(宝城カイリ)
HALL OF FAME
記事有のみ記載
スティーブ・ウィリアムス(レガシー部門での受賞)
ドナルド・トランプ(一時期、WWE RAWを買収していた)
ブルーザー・ブロディ(レガシー部門での受賞)
力道山(レガシー部門での受賞)
(他、追加希望)