概要
1987年1月30日、アイルランドのリクルック出身。
10代の頃にプリンス・デヴィットが主催するレスリングスクールに入門し、2002年にレベッカ・ノックスのリングネームでデビューする。
キャリア初期はアイルランドのインディー団体を主戦場に活躍した。
来日経験もあり、木村花の母親である木村響子とシングル戦で対戦したこともあった。
2013年にWWEと契約を結び、リングネームをベッキー・リンチに改め、2014年にNXTに初登場。
2015年にはサーシャ・バンクス、シャーロット・フレアーと共に、 WWE女子戦線を牛耳るベラ・ツインズに対抗するべくステファニー・マクマホンが宣言したディーヴァ革命の一環としてRAWに昇格、シャーロットとペイジと結託しチーム・PCBを名乗った。(なお、チーム・PCBはのちにペイジの裏切りで解散となる)
2016年のバックラッシュでは、新設されたスマックダウン女子王座をめぐった6パックチャレンジマッチに参戦、最後まで生き残ったことで初代王者に輝いた。
2018年9月のヘル・イン・ア・セルではスマックダウン女子王座を戴冠していたシャーロットに挑戦し王座を奪還、11月のサバイバー・シリーズではRAW女子王者のロンダ・ラウジーと対戦する予定だった。
しかし、RAWへの襲撃イベントの際にナイア・ジャックスの攻撃が顔面に誤爆、大量出血に加え鼻骨骨折と脳震盪によりドクター・ストップがかかってしまい、サバイバー・シリーズ参戦はお預けとなり、代打はベッキー本人の希望でシャーロットが務めた。
なお、ファンの間でベッキー人気が爆発し始めたのはこの頃。(サバイバー・シリーズの王座対抗戦では、本人不在にもかかわらずベッキーチャントが会場に響いていた)
その後、12月のTLCでASUKA、シャーロットとの3WAY戦に敗北、翌年のロイヤルランブルでは王座奪還をかけてASUKAに挑むも、変形アスカロックの前に敗退。
このままロイヤルランブルでの出番は終わりかと思いきや、女子30人ロイヤルランブル・マッチの28番目に、足首を痛めたラナの代打として関係者の許可を得て参戦し、優勝。
ロンダが保持するRAW女子王座に挑戦を表明する。
この辺りからコスチュームも昇格以来のスチームパンク風のゴーグルに長いコートから、黒の革ジャンという出立ちに変貌、自ら「ザ・マン」を名乗るようになる。
しかし、ロイヤルランブルで負った怪我について医者の診断を受けていないことを理由にステファニー・マクマホンが挑戦権剥奪を発表、激昂してステファニーに殴りかかり無期限出場停止処分を言い渡されてしまう。
代打はまたしてもシャーロットとなったが、今度はスマックダウンに無断で登場、場を諫めに現れたトリプルHにビンタするという暴挙に出た。
その後のRAWで一旦謝罪したものの、ビンス・マクマホンに対し謝罪を拒否したため60日間の出場停止処分が下された。
あわやレッスルマニアの試合が取り消しというところで、ロンダがステファニーに抗議し、RAW女子王座を一方的に返還したことで、出場停止処分が解かれ、3月のファストレーンでシャーロットとRAW女子王座をめぐって対戦する。
ところが、今度はロンダが試合に乱入しベッキーを暴行、試合はベッキーの反則勝ちとなったものの王座戴冠は認められず、レッスルマニアで3WAY戦を行い決着をつけることが決定。
さらに、同じ週のスマックダウンでシャーロットがスマックダウン女子王座を奪取したため、レッスルマニア35は勝者がRAW、スマックダウン両番組の女子王座を戴冠するという異常事態となる。(さらに、レッスルマニア史上初の女子王座戦がメイン試合となったことも話題を呼んだ)
上記の発表に加え、ロンダ&シャーロットとタッグを組んでライオット・スクアッドに勝利した直後、仲間割れを起こし大規模な乱闘に発展、警察沙汰にまで発展してしまうなどの紆余曲折を経て、レッスルマニアに挑んだ。
先にロンダと結託してシャーロットを脱落させると、ロンダとの一騎打ちを制し、ベッキーは史上初のRAW女子王座、スマックダウン女子王座の同時戴冠を成し遂げた。
その後はヒールターンしたサーシャ・バンクスと抗争したり、シャーロットと組んでASUKA&カイリ・セインのカブキ・ウォリアーズと女子タッグ王座を巡って争ったり、8月に婚約することとなるセス・ロリンズとイチャイチャしつつバロン・コービン&レイシー・エバンスと抗争したりと活躍していた。
2020年5月のマネー・イン・ザ・バンク翌日のRAWにて、マネー・バンクの中身を自身のRAW女子王座のベルトにすり替えたこと、マネー・バンクを獲得したASUKAにRAW女子王座を託すこと、そして自身の妊娠を発表した。
コロナ禍で無観客の中、ASUKAのベッキーチャントに見送られ、ベッキーは産休に入り、同年12月に無事第一子を出産した。
そして2021年8月のサマースラムで事前告知なしのサプライズ復帰、スマックダウン女子王者ビアンカ・ブレアを秒殺し、WWEへ返り咲くと同時にヒールターン。
同じくヒールとして活躍している旦那にも負けず劣らずのカラフルなダサコスに身を包み、BIG Timeを自称、SDからRAWへの移籍によるRAW女子王者シャーロットとの王座交換を経て、今度はヒールとしてRAW女子王座に君臨する。
ドゥードロップやリヴ・モーガンらとのRAW女子王座を巡った抗争の末、レッスルマニア38で因縁のビアンカに敗北し王座から陥落。
その後もビアンカと抗争を続けたが、サマースラムでのビアンカとの王座戦の直後、ベイリー、ダコタ・カイ、紫雷イオに囲まれたビアンカに加勢する形でベビーターン。
翌日のRAWで演説した後、脱臼の治療のため欠場した。
得意技
ディスアーマー
うつ伏せ状態の相手に対し、相手の左腕を捕らえながら両足で跨がるように腰を下ろし、後方へ体重を掛けながら左腕で締め上げる羽根折り式の変形脇固め。
英語表記は「Dis-arm-her」となる。
形としては永田裕志の腕固めに近い。
マンハンドルスラム
リストクラッチ式サイドスラム。
技の形状が似ているためロックボトムと間違われやすく、公式YouTubeチャンネルで公開されているロックボトムを盗んだ選手Top10でもちゃっかりランクインしている。
余談
- エアリンガスで2年半客室乗務員として働いていた事がある。
- 「ザ・マン」がブレイクした理由として、ステファニーやトリプルHといった権力者たちに逆らう姿が、アティチュード時代の中心人物であるこの男と重なったからだと考えられる。ちなみに本人とはRAWで共演、一緒にビールを飲んだ。
- また、上記について本人も自覚しているのか、時期は不明であるもののハウスショーでスタナーやピープルズ・エルボーを使ったことがある模様。