"Deadman walkin'・・・"
人物
1965年3月24日アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン生まれ。身長208cm、体重136kg。
本名はマーク・ウィリアム・キャラウェイ(Mark William Calaway)。
1984年に地方団体WCCWにて、ブルーザー・ブロディを相手にデビュー。
その後CWA、WCWと渡り歩き1990年11月に「死の淵からよみがえった怪奇派レスラー」としてWWFデビュー。
リングどころかリング上までも五面金網で囲む「Hell in a cell」や、生き埋めマッチなどの凄惨なハードコアマッチを得意とする。
また、時折キャラ変更を行うがそれがすべて大当たりする稀有な存在。
その豊富な経験と実績でバックステージでの同僚のレスラーのリスペクトは高く、リーダー格の地位にある。
入場・試合等では、ヒールを演じていてもブーイングが歓声にかき消されるほど。
日本のファンは尊敬と親しみを込めて「テイカー」、「御大」と呼ぶ。
因みに1990年3月にパニッシャー・ダイス・モーガンというリングネームで新日本プロレスに初来日し、スコット・ホールと組んでマサ斎藤&橋本真也のIWGPタッグ王座に挑戦している。
当時はショートタイツにセミロングヘアと、現在とはまったく異なるいでたちだった。
WWEの年に一回の祭典・レッスルマニアにおいて、2014年にブロック・レスナーに敗れるまで21戦無敗記録を誇った。(2015年のレッスルマニア終了時点で22勝1敗)
これはアンダーテイカーがWWEを支えてきた証であり、今後このような記録を打ち立てる要素の人間は存在しないだろう。
初期から中期に掛けては"実父"ことマネージャーのポール・べアラーの存在は偉大なものであった。破壊兄弟(Brother of Destruction)ではケインの兄役というギミックをこなし、一部に熱狂的ファンが存在する。
何回も生き埋めになってるけどそこは突っ込んだら負け。そんな喧嘩博士(PD.Streetfighting)にも別の顔があり、普段はバイクを乗り回す総合格闘技好きのおっちゃん。
格闘技雑誌のUFC特集では、"アメリカン・バッドアス"としての彼のコメントが載るほど。(実際、2000年代初期には"アメリカン・バッドアス"のギミックで登場済み。当時の出身地はテキサス州ヒューストン。)
レスラー達の間ではリーダー的存在であり、生ぬるい事や礼儀の無さ、レスラーに対する理不尽な扱いを嫌うことでも有名である。
若手レスラーたちのよき相談相手にもなっており、彼の発言や行動が他のレスラーに少なからぬ影響を与えることがある。まさしく頼れる兄貴でもある。
2020年には格闘ゲームのアプリ「THE KING OF FIGHTERS ALL STAR」とWWEのコラボで参戦キャラクターとして選出され、他の面々が(比較的)プロレスの枠に沿った技で闘っている中で平然と宙に浮いたり謎のオーラで敵を石化させたりと好き放題やっていた。…違和感が一切ないところがまたすごい。
長年にわたり活躍してきたテイカーであったが、2020年のドキュメンタリー映画にて、「リングに戻る意欲がない」と現役引退を表明。
引退式で大社長ビンス・マクマホンや弟ケインを始め、シェイン・マクマホン、リック・フレアー、トリプルH、ショーン・マイケルズ、ジョン・ブラッドショー・レイフィールドといったともにWWEを支えてきたレジェンド達が出席。
レジェンド達、そしてテイカーを愛するWWEユニバースたちに見送られ・・・
アンダーテイカーは30年ものキャリアに幕を下ろした。
そして2022年、テイカーは満を持してWWE殿堂入りを果たしたのだった。
ギミック
墓掘人
文字通りUndertaker=葬儀屋のギミック。キャリアの大半がこの姿である。
不気味な鐘の音と共に登場する。最も有名なのが"Graveyard Symphony"。ショパンの「葬送」を元にした曲。
アメリカン・バッドアス
バイクを乗り回す不良親父のギミック。2000~2003年頃にかけて、このギミックにモデルチェンジした。
こちらではLimp Bizkitの"Rollin"が有名。
通称・別名
数多くの別名があり、詳細はググると吉。
- デッドマン:Deadman
- 怪人:The Phenom
- 暗黒魔王:Lord of Darkness
- 心理戦の達人:Master of mind games
- 墓堀人
得意技
アンダーテイカーがアンダーテイカーたる所以とも言えるフェイバリットホールド。
技をかけられた相手を墓石に見立てて、マットに頭頂部を叩きつける大技。
この後フォールに持っていくのだが、この時相手の両手を胸の前に組ませ(葬送のイメージである)、自らは柔道の上四方固めのような体勢から上半身を反り、白目を剥いて大きく舌を出すのがお決まりでレスト・イン・ピース(rest in peace:安らかに眠れ)と呼ばれることがある。
なお、パイルドライバーの技で負傷者が続出した経緯があり、バッド・アス(不良バイカー中年キャラ)時代にはWWEでは禁止技にされており、レッスルマニアなどの大試合でのみ使用していた。
現在ではテイカーと弟(と言う事になってる)ケインのみが使用を許可されている。
前述の理由からツームストンが封印されたテイカーが、バッド・アス路線に変更した際に使用し始めたフェイバリットホールド。
簡単に言えば吊り上げ式パワーボム。一度相手を持ち上げた所で止め、さらに両腕を高く頭の上まで持ち上げた後に、マットに叩きつける。
テイカーの身長も合わせると、単純計算で4Mほどの高さから叩きつけられる事になる。実際に喰らった日本人のレスラー曰く「超痛ぇ」。
- チョーク・スラム(喉輪落とし)
上記2つに比べるとフォール率は下がるが、それでも試合の流れを掴むきっかけになるフェイバリットホールド。アメリカン・バッドアス時代にはよくこの技でフォールをとっていたが。
相手の喉輪を掴み、豪快に持ち上げマットに叩きつける大技。
カウンターやグロッキー状態の相手への追い討ちとして使う。
アメリカン・バッドアス時代によく使用。
- ヘルズ・ゲート-
2008年から使い始めた、総合格闘技のフットチョーク。
テイカーのような大型レスラーには珍しいサブミッション。
- オールド・スクール
師匠のドン・ジャーディン直伝のムーブ系の技。
相手の片腕をねじり上げながら自身はトップロープを歩き、飛び降りざまにチョップを当てる。
決めゼリフ
- This is my yard!
主にベビーフェイス(善玉)時に使用するセリフ。暴虐の限りを尽くすヒールへの牽制、宣戦布告の意思を込めている。
テイカー曰く、「俺は庭の番犬だ。好き勝手するなら噛み付くぞ」との事。
- Try me, I'll make you famous!
直訳するなら「掛かって来いよ。俺がテメェを有名にしてやるぜ!」だが、これはWWEにおける究極の死亡フラグ。
ここで有名になると言う意味は、「テイカーにフルボッコにされた愚か者として」有名になると言う事。
このセリフの由来は、1998年にマンカインドことミック・フォーリーとの金網デスマッチにて、フォーリーがファンの度肝を抜くハードコアプロレスを展開、一気にスターダムにのしあがった事から。
事実、テイカーとの試合や抗争がきっかけでトップレスラーとなった選手はたくさんいる。
関連動画
アンダーテイカーといえばコレ、と言われるほど長く使用された入場曲。
この入場曲を使用する場合、通常のテレビ放送やPPVに関わらず、入場にかかる時間が長くてかつ、演出が凝ったものである場合が非常に多く、入場だけで金が取れるレベル。
このインパクトのある入場曲や演出すら、テイカーの前では添え物に過ぎないと言われているのも、テイカーから溢れるカリスマ故だろう。
こちらはアメリカン・バッドアス時代の入場曲。
アメリカのロックシーンでは当時絶大な人気を誇ったLimpBizkitが歌ったことも結構話題を呼んだ。
アメリカン・バッドアス時代末期に使用された入場曲。歌詞にある「You gonna pay」とは、代償を払うと言う事。
テイカーにたてついた代償・・・想像するだけでガクブルものである。
2020年の引退目前のレッスルマニア36のAJスタイルズ戦にて、墓掘人とアメリカン・バッドアスを組み合わせたギミックで登場したアンダーテイカーに用意された曲。
歌詞の節々にテイカー引退を暗示しているような言い回しがある、テイカーとの別れを思わせる曲である。