ROMAN EMPIRE
概要
本名「リーチ・ジョセフ・アノアイ」。1985年5月25日、フロリダ州ペンサコーラ生まれのサモア系アメリカ人。
プロレスラーを多数輩出しているアノアイ・ファミリーの一人で、父はワイルド・サモアンズのシカ・アノアイ、兄はWWEで「3 minutes warning」メンバーだったロージーである。
従兄にはヨコヅナ、リキシ、兄ロージーと同じ「3 minutes warning」メンバーのジャマール(後のウマガ)がおり、他にもリキシの子であるウーソズの2人に、その弟であるソロ・シコア、遠い親戚にザ・ロックやナイア・ジャックスなどもいる。
ジョージア工科大学にてアメリカンフットボールで活躍。2007年5月にNFLドラフトによりミネソタ・バイキングスに入団するも同月下旬に解雇、8月にジャクソンビル・ジャガーズに加入したがこちらも一週間も経たずに解雇される。2008年にカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)のエドモントン・エスキモーに入団し、5試合に出場したがまたも解雇された。
2010年にWWEと契約し、下部団体FCWで9月にロマン・リーキーのリングネームでデビューする。
2012年にFCWがNXTにブランド変更されると、ロマン・レインズと改めヒールに転向、同年11月、WWEのPPV「サバイバーシリーズ」のCMパンク、ライバック、ジョン・シナによる三つ巴の王座戦にディーン・アンブローズ、セス・ロリンズと共に乱入する。翌日のRAWにも現れ、3名はザ・シールドを名乗った。
ザ・シールドは最高責任者であるトリプルHの立ち上げたオーソリティーに加わり悪の限りを尽くしたが、2014年に反旗を翻してベビーターンする。
しかし同年、ロリンズが裏切るとチームは解散状態になり、レインズはシングルプレイヤーとなった。
以降、上層部からジョン・シナに続くベビーフェイスとして大プッシュを受けるが、それがあまりにも露骨であったことや、技の引き出しが少なく技術もあまり備わっていないことから声援とブーイングが入り混じる状態となる。それでも2015年の「ロイヤルランブル」で優勝。2016年の「レッスルマニア32」でトリプルHを破ってWWE世界ヘビー級王座を獲得する。
しかしプッシュされる度にブーイングは大きくなり、そして2017年の「ロイヤルランブル」で、観客のほとんどが、サモア・ジョーかフィン・ベイラーがNXTから昇格、あるいは復帰の噂のあったカート・アングルが30番目に登場するのを期待していたにもかかわらず、レインズが登場したことから、ファンを大いに失望させてしまった。
加えて屈指の人気レスラーにしてレジェンドたるアンダーテイカーを脱落させた事、それによって生じたレッスルマニアでのテイカーとの遺恨戦が凡戦であった事、加えてその凡戦の末テイカーに勝利してしまったことでファンからのヘイトは決定的なものとなり、遂には入場曲が流れただけで大ブーイングが飛ぶようになった。(※)
挙句、ジョン・シナと違い試合中も声援がほとんど無いという始末である。
それでもグッズ売り上げはジョン・シナに次いで2番目に良いというのだから不思議なものである。
※アンダーテイカーにはレッスルマニア無敗記録があり、すでにブロック・レスナー戦での敗戦によって記録こそ途絶えていたものの、レッスルマニアでテイカーに勝利するということは、それをファンに納得させられるだけの実力と格を相当に備えていなければならない。レッスルマニア33後のレインズへのブーイングが確固たるものとなってしまったのは、上層部による露骨すぎるプッシュにレインズが実力と格の両方で応えられなかった為と言える。
2017年後半、ザ・シールドの再結成によりブーイングは止んだが、ディーン・アンブローズの負傷欠場で有耶無耶になった上に、2018年の「ロイヤルランブル」でも28番目での登場という好待遇であったことから、またブーイングされ始める。
同年8月19日にブロック・レスナーを破りユニバーサル王座を戴冠したが、10月22日に11年間もの間白血病と戦っていることを明らかにし、その再発により王座を返上し闘病生活に入る。
しかし、4ヶ月後の2019年2月25日、白血病が寛解したとして復帰を表明した。
2020年のレッスルマニア36では、第一部の第8試合(セミ・ファイナル)にてゴールドバーグが持つWWEユニバーサル王座に挑戦することが決まっていたが、当日の試合直前にキャンセルとなり、代わってブラウン・ストローマンが登場し王座を奪取している。
当初はレインズのキャンセルの理由が公表されていなかったために、ゴールドバーグが我が儘勝手を言って相手を代えさせたのだろうと言われたが、のちに「レインズの白血病が再発し免疫力が低下していることが判明したのでコロナ感染を防ぐために急遽長期休養することになった」と理由が明らかとなった。
その後PPVサマースラムの王座戦に乱入し復帰と王座戦への挑戦を表明。
ポール・ヘイマンと結託し、ヒールに転向後、PPVペイバックにてユニバーサル王座に戴冠。
「トライバルチーフ」(族長)を自称するようになり、同じアノアイ一族のジェイ・ウーソとの抗争後、ジェイ、ジェイの兄のジミー・ウーソを従え、ユニットの「ブラッドライン」を結成。
メンバーによる試合への介入など様々な手を使って幾度となく王座を防衛、ブロック・レスナーが持っていた王座保有期間記録の503日を更新、2022年のレッスルマニア38ではWWE王座を戴冠していたブロック・レスナーを破り、最高王座統一を達成、名実共に団体のトップヒールとして君臨している。
2023年のレッスルマニア39では一大ベビーフェイスとしてAEWから出戻ったコーディ・ローデスを撃破、6月にはとうとう王座防衛日数が1000日を突破。ジェイの離反などの問題も乗り越えてレッスルマニア40でロイヤルランブルを連覇して挑戦権を得たコーディとの再戦が決定。1日目でザ・ロックとのタッグでコーディ、セス・ロリンズ組に勝利して2日目の王座戦は反則無し介入有りの“ブラッドラインルール“の適用が決定。満を持して王座に挑むがブラッドラインのメンバーが介入に来るたびにジェイだけでなくジョン・シナにアンダーテイカーなど豪華なゲストがコーディの救援に現れた。試合終盤かつてのユニット「シールド」のベストを着て現れたロリンズに対して過去の私怨を晴らすためのパイプ椅子攻撃を優先した事によってできた隙を突かれコーディのクロスローズ三連発を受け敗北。長年守った王座から陥落する事になってしまった。
ヒールターンして以降は理不尽なブーイングが減り、いい試合をすれば歓声が上がり、卑劣な事をしたりヒールのような事をすればちゃんとブーイングが飛ぶなど、正当な評価がされるようになっている一方、王座を保持している期間が長すぎるという批判も少なくない。
なおブラッドラインのストーリーラインは好評で、依然としてグッズの売上もトップクラスである。
ブラッドライン
レインズが率いる一大ヒールユニット。
アノアイ・ファミリーがメンバーの半数以上を占めており、全盛期にはWWEの最高王座、タッグ王座を長期に渡り独占していた。
構成員は以下の通り。
- ロマン・レインズ
WWEチャンピオン&ユニバーサルチャンピオン
トライバルチーフ(族長)。
ユニットのリーダー。
- ポール・ヘイマン
マネージャー
ECWやWWEをブッカーとして支え続けてきたプロモーター、コメンターにしてマネージャー役。
2020年にレインズが復帰してからマネージャーとして付き従っている。
優れたマイクとビンスにも負けず劣らずの素敵な顔芸で観客のヒートを盛り立てる。
また、長年プロレスを裏方から支えてきた経験もあり、ここ一番での発言の説得力は抜群。
長くブロック・レスナーのマネージャーを務めていた経験があり、レインズとレスナーが抗争に入った際は「ヘイマンを巡った昼ドラ」だの「三角関係」だのとネタにされた。
2024年には業界に対する長年の功績によりWWE殿堂入りしている。
その後ソロ・シコアのクーデターに無理矢理追従させられる形であったが最終的にトライバルチーフとして認めるように迫ったソロに対してトライバルチーフとして認めなかった為、彼のブラッドラインにテーブル葬された上で追放となった。
- ジミー・ウーソ
- ジェイ・ウーソ
RAWタッグチームチャンピオン&SmackDownタッグチームチャンピオン
レインズの親戚の双子レスラーで、通称"ウーソズ"。
髪が長く赤のメッシュを入れていて陽気な方がジミー、髪が短く真面目な雰囲気の方がジェイとで見分けられる。
2021年にSDタッグ王座をミステリオ親子から、2022年にRAWタッグ王座をRK-Broから奪取、レインズに続きタッグ王座統一を果たした。
2023年にかつてのブラッドラインのメンバーだったサミ・ゼインとそのパートナーのケビン・オーエンズに敗北しタッグ王座を陥落。
さらにジミーがレインズの独裁的な姿勢に反発するようになり、それを諌めていたジェイもジミーを庇いレインズに叛旗を翻した。
そして2023年の「Money in the Bank」でレインズ・ソロ組とウーソズが対決。ウーソズはレインズをフォールして勝利し、レインズに対し1294日ぶりのピンフォール負けを着けている。
その後ジェイは2023年のサマースラムでレインズのベルトに挑戦するもジミーの裏切りによって敗北、その翌週のSDでジェイは、「ブラッドラインもSDもWWEも辞める」と公言し、ブラッドラインとは完全に決別し、公式サイトにも退団扱いされていた。
が、コーディ・ローデスの誘いもあり、翌月のペイバックで、ジェイはSDからロウに移籍する事が決定、そしてコーディとタッグを組んで10月のファストレーンで、ヒールユニット「ジャッジメント・デイ」のフィン・ベイラー&ダミアン・プリーストから統一タッグ王座を奪取している。
その後ブラッドラインの介入もあり王座を陥落。抗争を繰り返した結果レッスルマニア40で兄弟対決を行いジェイが勝利している。
合体型ダイヤモンドカッター1Dや、サモアン・スプラッシュ、スーパーキックを得意技とする。
- ソロ・シコア
ウーソズの弟。
2022年9月のPPVクラッシュ・アット・ザ・キャッスルで、レインズの対戦相手ドリュー・マッキンタイアを妨害、王座防衛をアシストした。
その後ブラッドラインに加入し、カーメロ・ヘイズからNXT北米王座を奪取した後、NXTのクリエイティブ担当のショーン・マイケルズの命令を受けて王座を返上、ブラッドラインが主に活動するスマックダウンに正式に昇格し、ブラッドライン入りを果たした。寡黙で無表情なキャラを貫いていたが、レッスルマニア40でレインズの王座陥落後のスマックダウンでタマ・トンガと共にジミーを襲撃して追放し、その後レインズ不在の中、タマ、タンガ・ロア、ジェイコブ・ファトゥを加入させて暫定リーダーとしてブラッドラインを仕切っていたが、遂にはレインズが名乗っていたトライバルチーフを自ら襲名してブラッドラインを完全に乗っ取った。
サモアン・スプラッシュや裏投げなどを得意技とする他、12月以降は嘗てウマガが使用していた技であるサモアン・スパイクをフィニッシャーとして引き継いでいる。
- サミ・ゼイン
アノアイ・ファミリーではないものの、王座統一後のレインズに擦り寄り、太鼓持ちとして加入。
以外にもレインズからの心象は悪くなく、直接Tシャツを渡されてメンバー入りを認められた。
2022年10月28日のスマックダウンにてゼインに対しての不満を漏らすジェイをレインズが仲裁するという一幕で、緊張(?)のあまりゼインが口走ったウーシィ(ucey)という単語がブラッドラインのメンバー全員のツボに入ってしまうという珍事が発生。
レインズが笑いを不敵な表情で何とかごまかし、ジェイが必死に顔を覆って笑いを堪えるというシュールな光景を意図せず生み出し、観客に笑いを提供することとなった。
邪険に扱われながらもブラッドラインの勝利に貢献し、良い顔をしていなかったジェイからも認められるようになったが、かつての友人ケビン・オーエンズへの暴行を躊躇った事でレインズに切り捨てられ、ブラッドラインを追放された。(本来ゼインとブラッドラインの絡みは1発ネタの予定だったがゼインのパフォーマンスが非常に好評でストーリーが変更されたとの事)
その後オーエンズとタッグを組み、レッスルマニア39でウーソズからタッグ王座を奪取している。
コーナーに立て掛けた相手に放つビッグ・ブーツヘルヴァキックやバックドロップの体制で持ち上げた相手を旋回させながら叩きつけるブルーサンダーボムを得意技に持つ。
アノアイ一族出身で本名のドゥウェイン・ジョンソンとして俳優として成功もしているかつてのトップレスラー。プロレスは半引退の状態だったが2024年の元旦に放送されたロウにサプライズ出演。そして2月2日のスマックダウンにてレインズと対峙してレッスルマニア40での対戦を仄めかしたが、ファン人気が高くロイヤルランブルを2連覇して王座挑戦権のあるコーディ・ローデスを追い落とす形となった事でWWEファンからは反発されブーイングが発生、Xでもコーディとレインズの対戦を求めるハッシュタグがトレンド入りするほどだった。この騒動を受けてかトークショーでコーディのファンを「わがままで泣き虫な子供」と煽るなどヒール的な言動をするようになり、続くレッスルマニア40のキックオフイベントの場でレインズに挑戦を表明したコーディを一族の血を侮辱したとしてビンタし会場は騒然となる。その後2月17日のスマックダウンにて正式にブラッドラインへの加入を表明しコーディを叩き潰すと宣言した。
ブラッドライン入りしてからは「ファイナルボス」を自称してWWEを買収した会社の取締役という実生活でのポジションを活かした傲慢なキャラとなってレッスルマニアの1日目に王座戦のルールを”ブラッドラインルール“にする権利を賭けてレインズと組んでコーディ、セスとタッグ戦を行う事を決定。試合ではヒールながらもそのカリスマ性で大歓声を受けピープルズエルボーで勝利している。
- タマ・トンガ
長年新日本プロレスで活躍した選手で、2023年に契約期間の満了と家庭の事情で新日を退団しその動向が注目されていたがレッスルマニア40の直後のスマックダウンにてサプライズ登場。ソロ・シコアと共にジミー・ウーソを襲撃した。その翌週ソロの口から新しいブラッドラインのメンバーとして招いたと発表された。アノアイファミリーとの血縁関係はないがタマの義父のキング・ハクはソロの父親のリキシとタッグを組んでいた兄弟分だったという縁からの抜擢と思われる。
- タンガ・ロア
義兄のタマ・トンガ同様、長年新日本プロレスで活躍した選手でありキング・ハクの実の息子。バックラッシュ2024において登場、ケビン・オーエンズ、ランディ・オートン組からブラッドラインをアシスト、ソロ・シコアから「鬼人」して正式にブラッドライン入りを認められた。
- ジェイコブ・ファトゥ
サム・ファトゥ(トンガ・キッド)の息子であり、ソロ・シコアとウーソズの従兄弟。アメリカのMLWで活躍していた選手でクラッシュ・アット・ザ・キャッスル2024後のスマックダウンでコーディ・ローデス、ケビン・オーエンズ、ランディ・オートンを単独で襲撃してソロから「処刑人」としてブラッドラインに迎えられた。
得意技
- スピアー
NXTからの昇格後より使用。
相手の腹部へタックルし、相手の脚部を抱え込んで倒す技・・・が本来の形であるが、レインズのは相手腹部への頭突きに近い。
アメフト出身という経歴もあり、同じ技を使用する現役選手の中でも説得力が随一。
放つ前に「Woah!」と雄叫びを上げるのが定番。
ジャンプして右拳を叩き込む技。
プロレス技と呼ぶべきか否かは賛否の分かれる。
AJスタイルズも同じ技を使う。
サモア系レスラーが好んで使用するバックフリップ。
現役時代の父や叔父が得意とした技で、ウーソズやソロも使用している。
レインズは片手で相手を持ち上げて勢いよく落とす形を使う他、ウマガが得意としていたポップアップ式もごく稀に使う。
投げっぱなしで使う。
どう見てもロックボトムだが、解説では意地でも言わない。
- トペ・スイシーダ
ザ・シールドの他の二人はトペを使用するのに、レインズは使わないため「飛べない」と思われていたが、単にロリンズとアンブローズが使うのでレインズは使わなかっただけだった。
アンブローズ退団後はたまに使っている。
- ギロチンチョーク
ヒールターン後に使用するようになった技。
体格のいいレインズが太い二の腕で思い切り締め上げるので説得力は抜群。
締める際に顔芸やトラッシュトークをするため見映えもよく、試合に緩急を付ける事ができてヒールらしさも際立つというお得な技。
ヒール時のレインズはローブロー後に放ったり締め落とすまで続けたりとあくどい使い方をしている。
- ローブロー・キックアウト
こちらもヒールターン後に使用するようになった技、というより反則。
3カウントを取られている最中に相手の股下に腕が入り込むようにしてキックアウトすることで、キックアウトと金的を同時に行える。
- トリプルパワーボム
シールド時代のフィニッシャーで両脇のロリンズとアンブローズが持ち上げた相手の足をレインズが抱えてパワーボムにするという合体技。放つ前に決めポーズのメンバー3人で拳を突き合わせる動作を行ったり、レインズが「Woah!」と雄叫びを上げる事もある。
- スピアー・スパイク
ウーソズ離反後から使用するようになったソロ・シコアとの合体技。
ソロが左腕で引き起こした相手にレインズがスピアーを、ソロがサモアン・スパイクを同時に放つ。
関連動画
入場曲「The Truth Reigns」(元々「ザ・シールド」の入場曲)
主にベビー時代に使用された楽曲で、会場に流れれば割れんばかりのブーイングが飛び交う
「Head Of The Table」
レッスルマニア37以降使用している新しい入場曲
「Royal Rumble 2017」で30番目に登場した際のWWEファンのリアクション集
高まりに高まった期待感を完膚なきまでにぶち壊した事から、期待が高まるシーンにレインズの入場曲をねじ込んでネタにするレインズくん台無しシリーズなる大喜利が一時期ニコニコ動画でちょっとした流行を呼んだ。