IN MY VEINS
概要
1980年4月1日、テネシー州ノックスビル生まれ。
2002年のデビューから現在に至るまで、フルタイムで所属している数少ないレスラーである。
ヴァイパー(毒蛇)、レジェンドキラーの異名を持つ。
日本のアメプロ界隈からは、名前の語感からそのまま取ったおとんの愛称でも親しまれている。
経歴
祖父はボブ・オートン・シニア、父はボブ・オートン・ジュニアというプロレス界のサラブレッドであるが、プロレスラーになる前の1998年にアメリカ海兵隊に入隊していた。しかし、素行不良が過ぎて1年ほどで除隊処分を受けている。
2002年にWWEデビュー。スマックダウンで初試合をするも、フィニッシャーのオーバードライブを失敗して再度かけ直すという苦い思い出となった。その後、肩の負傷で欠場するが、番組が盛り上がるシーンで自分の回復度合いを報告するビデオレターを挟んでくるというキャラになりヒールターン。それから間もなくの2003年1月、トリプルH、リック・フレアー、バティスタと共に『エヴォリューション』のメンバーに選出されるという破格の待遇を受ける。
その翌年には、WWE史上最年少の24歳で世界ヘビー級王者となった。また、「ザ・レジェンドキラー」として、数多のトップレスラーたちから勝利を収めていった。
2008年、同じくトップレスラーを父親に持つ、テッド・デビアス、コーディ・ローデス、マヌ、シム・スヌーカ、と共に『レガシー』を結成する(マヌとスヌーカは早々に追放)。
またこの頃より、虎視眈々と相手に必殺技のRKOを叩き込む機会を待ち構える姿から「バイパー(毒蛇)」の異名を取るようになる。
2014年、バティスタのWWE復帰と「ザ・シールド」の台頭により、再びエヴォリューションを結成し(フレアーは不在)ザ・シールドとの抗争に入った。
2016年、ブレイ・ワイアットに幻惑されたように「ワイアット・ファミリー」へ加入、しかしファミリーの仲間割れを誘発した上、最後は全てが芝居であったことを暴露。ファミリーが崇拝するシスター・アビゲイルの館に火を放った。
2020年、ロイヤルランブルで復帰したエッジや”ザ・フィーンド”ブレイ・ワイアット、ドリュー・マッキンタイアとの抗争に入る。
特にワイアットとの抗争が年末に向かうにつれ激化、抗争はオートンがワイアットとの火葬マッチに勝利し、ワイアットを火葬したことで終結したかに思われた。
しかし、ワイアットが以前に抗争していたブラウン・ストローマンへの揺さぶりのために洗脳
していたアレクサ・ブリスが、オートンを挑発。
更にアレクサは、一週間後(2021年)のオートン対トリプルH戦(本来であればマッキンタイアと対戦する予定であったが、マッキンタイアが新型コロナウイルスに感染したことを受け、急遽トリプルHと対戦することとなった)に乱入、オートンに火の玉を放って負傷させる。
当然オートンも黙っておらず、二週間後のアレクサ対アスカ戦に乱入、女性であるアレクサにRKOをかますという暴挙に出ている。
その後もアレクサによる幻惑は続き、3月のPPVでは自身が火葬したはずのワイアットがリングを下から突き破って復活。
オートンは復活したワイアットとレッスルマニアで対戦、顔面から黒い液体を吹き出したアレクサにワイアットが怯んだ隙をついてRKOを見舞って勝利、因縁に決着をつけた。
8月のPPVサマースラムでは、リドルと共にタッグチームRK-BroとしてAJスタイルズ&オモスのコンビが保持していたRAWタッグ王座に挑戦し勝利、RAWタッグ王座を戴冠した。
現在は5月のSmackDownでブラッドラインのウーソズにRAWタッグ王座を奪取されたのを最後に、背中の負傷の治療のため長期欠場中。
RK-Bro
レッスルマニア37直後に結成したマット・リドルとのタッグ。
ワイアットとの抗争を終えて手持ち無沙汰になっていたオートンに、レッスルマニアでUS王座をシェイマスに奪われたリドルが付き纏う形でいつの間にかタッグを結成していた。
無骨で寡黙な一匹狼のオートンと、派手な色合いの衣装でキックスクーターを乗り回す陽キャなリドルのコンビはどう見ても異色、最初こそオートンも自身に付き纏うリドルを邪険にしていた。
が、リドルの熱意に感化されたのか、
- タッグ戦でリドルをアシスト
- 自身の代名詞であるRKOを始めとする自身の技の使用を黙認
- リドルのフィニッシャーであるブロ・デリックをオートンが使用
といった具合に、まさかのオートンがデレるという前代未聞の形で距離を縮め、最後にはオートンが「俺の信頼を勝ち得た」とリドルを認めたことで正式にタッグチームとして完成した。
1月にはチャド・ゲイブル&オーティスのアルファ・アカデミーにRAWタッグ王座を奪取され、「タッグ解消か・・・?」と囁かれたがそんなことはなく、
- アルファ・アカデミーとのクイズ対決でリドルと色違いのお揃いガウンを羽織って登場
- クイズ対決に勝利したリドルを抱き上げ、極上スマイルを披露
といった感じに、むしろいい意味でのキャラ崩壊とデレを加速させたのだった。
その後無事にRAWタッグ王座を奪還、ファンからもタッグチームでは随一の歓声を獲得、人気タッグとして認知された。
尚、現在は上記の通りオートンが欠場したため、RK-Broも自然解散となった。
人物
たいへん気が強い。
前述通り海兵隊を除隊処分となったのもそれが原因であり、2度の無断外出、上官への命令不服従、集団行動への不適応などが具体的な処分理由である。
WWE製作のアクション映画「The Marine 2」で主役の海兵隊員役をやると決まった際は、撮影に協力した本物の海兵隊隊長がいい顔をしなかったとか(ただし、オートンの鎖骨骨折により主役はテッド・デビアス・ジュニアに変更となっている)。
レスラーになっても気の強さは変わらず、若手の頃はロッカールームでの評判も芳しくなく、幾度か謹慎処分を課せられている。
なお、最近は年齢を重ねたこともあって態度も落ち着いているようであり、セグメントでセリフをド忘れしたリドルを気遣う(因みにRK-Bro結成のきっかけとなった)など、気の強さは鳴りを潜めている。
また、ギャグにも割りかし乗り気になったようで、2021年10月のPPVクラウンジュエルでは...
リドル「ラクダに乗って入場してみたいっス!」
ビンス「ええやん、採用!」
オートン「会長、オレも...」
ビンス「お前はそんなキャラじゃないからダメ」
オートン「(´・ω・`)」
なんて一幕もあったとか。
意外な感じだがジョン・シナとは仲が良いらしく、シナを罵倒していた観客に本気で掴みかかったことがある。
ヒール志向であり、ベビーフェイスを強いられていた頃、上層部に早くヒールターンさせろとせっついたこともある。ただ、2009年後半からは観客から自然と声援を送られることも多くなっている。
レジェンドキラー時代以降は試合後に選手が勝ち名乗りを上げているところへ乱入してRKOを決めるなど、行動自体はヒール寄りではあるものの、自身の試合では反則行為をしない、バックステージや試合後に相手に対して暴行を加えないなど、ヒールというよりは粗野な一匹狼という独特な立ち位置を持っていた。
(強いて類似例を上げるのであれば往年のストンコに近いキャラクターと言える)
最近は代謝が落ちているそうで、2016年にブレイ・ワイアットと共闘しワイアット・ファミリーに入っていた際、オートンは太っても体型を隠せるよう、以降よりTシャツとジーンズで試合する事を望んでいたという。
肩が二重関節になっている。
長らく短髪であったが、2017年の11月頃より突然伸ばし始めた。2016年の夏に植毛手術を受けていたそうで、髪を伸ばすのが可能になったのだという。
得意技
ジャンプして放つダイヤモンド・カッター。代表的なフィニッシュ・ホールド。
名称はオートンの本名であるランディ・キース・オートン(Randy Keith Orton)の頭文字からというが詳細は不明。
相手が立ったままであろうと、走り込んでこようと、はたまた飛び技を仕掛けてこようと、ひとたび首を掴んでしまえばそのまま放てるため、返し技としても有効な万能技。
この万能っぷり故か、30人バトルロイヤルが目玉であるPPVロイヤルランブルでは、RKOを連続で繰り出さすオートンが半ばお約束と化しており、一部のファンから新春RKO祭りと呼ばれることも。
技を繰り出す前振りとして床に這って拳を床に叩きつけるという蛇を思わせる動作を行うが、一度拳の叩きつけ方が強すぎたせいで手首を負傷してしまった事がある。
映える技である一方背中へのダメージが大きい技でもあり、オートン自身もインタビューで「過去に戻って違う技を(フィニッシャーとして)開発したい」と語っている。
パントキック
起き上がろうとしている無防備な相手の顔面を走り込んで蹴るだけの技だが、その残虐性と“レジェンドキラー”として幾多の伝説的なレスラーを負傷欠場に追い込んだギミックにより、広く必殺技として認識される様になった。
相手の足首がセカンドロープに引っかかった状態にして放つDDT。鋭いキレで放たれる。
変形バックブリーカー
背中を向けた相手の首のみをロックして仕掛ける高速バックブリーカー。
パワースラム
相手をロープに振り、帰ってきた際の反動を利用して巻き込むように叩きつける技。
エレベイテッドDDT同様、鋭いキレで放たれる。
関連動画
- 「line in the sand」
モーター・ヘッドの楽曲で初期の入場曲。
エヴォリューションのテーマ曲でもある。
- 「Burn In My Light」
レジェンドキラー時代の入場曲。
- 「Voices」
現在使用されている入場曲。
- 「Talk to me」
RK-Broの入場曲。
オートンの「Voices」とリドルの「Hey Bro」のマッシュアップである。
余談
- レジェンドキラー時代、オートンは数多くのレジェンドに自慢のRKOを食らわせているが、相手が現役を退いた年配であろうが、はたまた女性であろうが構わずRKOを食らわせていたことから、一部のファンからは男女平等RKOだの無差別RKOテロリストだのと呼ばれているとか。
(自宅のプールに飛び込もうとした息子さんにまで食らわせたことも。ただし、自身が奥さんや息子さんから食らうのも忘れない素敵なおとんである。)