ROH
あーるおーえいち
ROHは2002年にメリーランド州 ボルティモアを拠点に発足されたプロレス団体で、「リング・オブ・オナー・レスリング(Ring of Honor Wrestling)」の略称。
2020年頃まではWWE、TNA(現インパクトレスリング)に次ぐ、アメリカ第三の団体と呼ばれていた。
エンターテイメントに偏りがちな2団体とは異なり試合内容に重きを置いており、コアなプロレスファンに人気の団体である。
2001年、アメリカのプロレスビデオ配信会社である「RF Video」は、ECWが崩壊しWWEに買収されたため、新たな提携先が必要となった(WWEは独自でビデオ販売・配信しているため)。
そこで、RF Videoの社長であるロブ・ファインシュタインは独自のプロレス興行を催すことを計画、2002年2月23日、ECWのホームエリアであったペンシルベニア州フィラデルフィアで「The Era of Honor Begins」を開催したのが始まりである。
2004年3月、ファインシュタインがスキャンダルにより辞任する。ファインシュタインの所有していた株は最終的にキャリー・シルキンに売却された。
しかし以降、ROHのビデオおよび競合他社の関連商品の通信販売により、その事業は拡大していった。
2006年4月、WWE最大のイベント「レッスルマニア」と同日に興業を行い大成功を収め、以降それが恒例化していく。
2007年5月、初のPPV放送を行う。これにより選手の相互参戦を行い友好的であったTNAとの関係が一時的であるが悪化している。
また同年に日本ツアーを計画、7月16日の東京公演は「プロレスリング・ノア」と、翌17日の大阪公演は「ドラゴンゲートと共同開催している。
また、アメリカ国内においても徐々にその開催地を拡大させていった。
2009年1月、HDネット社とテレビ番組契約を締結、その2年間契約が終了した際に団体の解散が発表されたが、2011年5月に「シンクレア放送グループ(Sinclair Broadcast Group)」が買収することで団体は存続する。
2014年2月22日にロッキー・ロメロの橋渡しにより新日本プロレスと提携、5月10日に最初の合同興業をカナダのトロントにて開催した。
2016年8月10日にはメキシコの「CMLL」とも提携、2017年2月には日本の女子団体「スターダム」とも提携している。
2018年頃よりチケットの売り上げが芳しくなくなり、更にコーディ・ローデスとヤングバックス(マット・ジャクソン、ニック・ジャクソン)が脱退して、新興団体AEWの副社長に就任すると人気は更に低迷。他の選手も徐々に、AEWのみならずWWEやインパクトレスリング、新日本プロレスなどの他団体へ流出していった。
2020年、人気の低迷に加え新型コロナウイルス流行の影響で1年半もの興業が行えず、2021年12月11日のファイナルバトルPPVを最後に、戦略見直しのため2022年3月いっぱいまで全興行の中止と、全選手との契約終了を発表。
そして2022年3月2日、AEWの社長トニー・カーンが団体を買収しオーナーになったことを発表(ちなみにWWEも買収に乗り出していたが、AEWの方が好条件だったとのこと)。ROHは実質的にAEW傘下として存続していくことになった。