概要
1976年9月23日生まれ。山梨県甲府市出身。愛称は「マルさん」、「ノブ」「ノブおじさん」、「ノブおじ」。現在はHOUSE OF TORTUREの一員。血液型O型。新日本プロレス所属。
通称:ノブおじ
ジャンボ鶴田後援会関係者の口添えでジャイアント馬場と面談し、高校卒業と同時に全日本プロレスに入門する。2000年6月、三沢らの全日本プロレス大量離脱に追従し、三沢が旗揚げしたプロレスリング・ノアに移籍する。
鈴木軍のノア撤退後はそのまま鈴木軍に追随する形で、2017年1月27日からは新日本プロレスに参戦している。
2017年以降は新日本プロレスのマットを主軸とし活動している。
長年、エル・デスペラードをパートナーとして活動していた(というより、デスペの師匠として導いていた)が、2022年の鈴木軍解散に伴いコンビ解散。「JUST 5 GUYS」としてタイチらと行動を共にすることとなる。
そして2023年9月9日のHOUSE OF TORTUREとの全面抗争中に負傷欠場と伝えられていたが、24日の同シリーズでタイチのタイトルマッチに乱入。愛用の角瓶ウイスキーの毒霧を噴射しチームを裏切り、HOUSE OF TORTUREに加入した。
新日本所属後こそ一歩引いた立ち位置でいることが多くなったため知らないファンもいるが、実はNOAHのGHCジュニアヘビー級初代チャンピオンにして最多戴冠記録を持つ絶対王者であり、全日本の世界ジュニア王座、アジアタッグ王座を奪取し、新日本のIWGPジュニアタッグも歴代二位タイの戴冠六度を誇る古豪。日本ジュニア界のグランドスラムまであと一つ(IWGPジュニアヘビーのシングル王座)というところまで来ている古強者である。こういった点もあり、業界内での評価も押し並べて高い。
スタイル
相手の嫌がることを熟知した、当代きってのテクニシャン。
新日本プロレスに移籍(契約がどうなっているかは謎)した後はジョバー(※)としての活動が多く、また47歳(棚橋弘至新社長と同い年)という年齢故かシングル戦線にはあまり関わっていないが、その状態であってすら2024年1月現在、日本のジュニアトップ戦線を突っ走る高橋ヒロムに「一番嫌いな食べ物(パクチー)と同じくらい辛い相手」と言わしめ、石森太二にアレルギー反応を覚えさせるほど。師弟関係にあったデスペに関しては言わずもがな。
ジュニアの中でも小柄であり技自体も所謂「オールドスクール(古き良き。逆を返せば新鮮味が無い)」なものの、プロレスラーとしての勘が非常に良く、ここぞというタイミングで嫌な技を仕掛けてくる。そのスタイルは同業解説観客問わず、「仕事人」と呼ばれる。
タッグパートナーとして
タッグでは先述の通りジョバーとして非常に優秀であり、「相手が勢いづいたところで足を引っ張る」「カウント2.9でカットに入る」「レフェリーの見えないところで反則を行う」等、「技名がつかないが必要なムーヴ」を的確に行うため、ノブおじの対戦相手からは嫌がられ、ノブおじのファンからは喜ばれる。
また、観客にはあまり聞こえてないがめっちゃ声を出してパートナーに伝えていることをyoutube内の新日本プロレスチャンネルshortで暴露されている。
シングルプレイヤーとして
「それじゃあ、嫌がらせに長けたおじいちゃんじゃん!」と思ったアナタ。あなたの為にこそこのページは存在している。
いやがらせの権化だったタッグの時と比べ、シングルプレイヤーの時には「とにかく膝攻めおじさん」と化す。
地味だが威力のありそうなロードロップキックやムーンサルト(信じられないだろうがこのオッサン、アラフィフになっても「繋ぎ技」としてムーンサルトをぶち込んでくる)等、とにかく相手の下腹部より下を徹底的に痛めつけ、最終的には足4の字(4の字固めとも)でタップアウトを狙うスタイルを敢行してくる。
やっている事こそ1つだが、ここに至るまでの戦法は多岐に渡り、正攻法は勿論のこと「場外で足殺しを行いタイムアウト負けを謀る」「ギリギリで歯向かってきた相手にタッチアウト(垂直落下式ブレンバスター)をぶち込む」「一度立たせて反撃させ、それをカウンターしてロードロップでさらに膝殺し」等、一個たりとも無駄のない、泥臭いのに綺麗なプロレスで魅せてくる。
これを評価する出来事として、前述の高橋ヒロムはIWGPジュニアヘビーのベルトをかけて戦った際、勝ってこそいるが「今日、俺が勝つと思ってここに来た奴、何人いる?相手はあの金丸だぞ。絶対に勝てる保証なんてねぇ!怖かった!」とマイクで叫ぶ、ヘビー級の石井智弘を膝の負傷で欠場させる等が挙げられる。
煌めく金の派手さはないが、渋く輝く銀の艶やかさがあるプロレスラーである。
※ジョバー……プロレスにおけるタッグマッチなどの複数戦において、メインの選手を引き立たせるための負け役のこと。詳しくはここを見て。
得意技
上述の通りのスタイルゆえ使用する技も派手さこそ少なめだが、今なお相手のラリアットを錐揉み回転で受けて魅せられるその身体能力は言うまでもなく折り紙付きであり、非常に美麗かつ的確に、かつ嫌らしく狡猾に相手を削りにかかる多彩なラインナップの持ち主。
また、ユニットを移ったり所属が変わったからといってレパートリーに新技を付け加えることはほとんどなく、もっぱら使い慣れた固定の技を用いる。そのため元同門にして現在は対角に立つ身となったエル・デスペラードにも「あの人は変わっていない」と言われている。
タッチアウト
旋回式垂直落下型ブレーンバスター。現在のメイン・フィニッシャーである。だがこれ一辺倒ではないあたりが流石であり、なんなら大一番ほどこの技が出ないぐらい。
技名はかつて野球経験があることから、そのままタッチアウトが由来。
ディープインパクト
トップコーナーから仕掛ける飛びつき式DDT。稀にフィニッシュとしても使用されるが、基本的には上記タッチアウトへの布石として、相手の首にダメージを与えることが狙い。
技名の由来は1998年の同名アメリカ映画から。
またロープの反動で勢いをつけて走り込み、ミスティカのような動きから仕掛ける旋回式DDTもチェンジオブペースとして使用している。
足4の字固め
武藤敬司の使用によって一躍有名技となったこれが、金丸の常套手段。ニー・クラッシャーや低空ドロップキックなどで徹底的に膝へダメージを蓄積させ、この技へ繋ぐのが現在の必勝パターンである。腰を浮かせられるともう終わり。
ヒロム、デスペラードといった現親日ジュニアのトップ選手たちですら、金丸の足殺しにはろくな抵抗もできずにタップアウトさせられることもままあるほど。特にリーグ戦で対戦相手が有力株と目されていたり現王者だったりすると、この技の凶悪さが一段と増す。
サムソン・クラッチ
かつてサムソン冬木こと冬木弘道が開発、使用していたフォール技。
己の背後に立った相手に対し、相手の両足の間に仰向けに倒れ込みながら自分の両足を相手の脇に引っ掛け、さらに両手で相手の両足を捕らえて足を前に倒すことにより、相手をひっくり返しつつ自分の上半身を引き起こしながら相手をエビに固め、そのままピンフォールを奪い取る。一気に畳み掛けようとする相手からこれ一発であっという間に決めてしまい、相手が何が起こったのか分からずにポカンとしている、なんて光景も金丸の試合における名物。
さらに、この技が一度キックアウトされてもエビ固めを解かず、さらに相手の足を4の字に組み替えてもう一度フォールを取りにいく派生技「足4の字式サムソン・クラッチ」が奥の手として存在する。まさに隙を生じぬ二段構えであり、文字通り相手の足をすくうこの技で数多の選手に土をつけてきた。
王座戦でも度々フィニッシュを飾っており、その仕掛けるタイミングの絶妙さ、正確さ、素早さから「妙技」の呼び名をほしいままにしている。
各種反則技
金丸といえばやっぱりコレ。何せ「ヒールマスター」である。
場所もタイミングも一切選ばず、その豊富な経験則と卓抜した閃きから繰り出されるありとあらゆる反則は、見る者の度肝を抜いたり感心させたり怒号を上げさせたりと毎度観客を沸かせてやまない。
名前がつかないムーブこそ金丸義信という男の真骨頂であるため、とてもまとめきることなどできないが、代表的なのはウィスキーミスト。常にスポーツドリンクと称してリング上に持ち込む角瓶の中身をさりげなく口に含み、絶妙のタイミングで相手の顔面に吹き付ける。王座奪取、裏切り、合体技など、要所で常に金丸の切り札として存在感を放ってきた。これの吹き方一つとっても、芸術と呼べる美しさを持つ。
その他、椅子、角瓶、チャンピオンベルト等の凶器攻撃、急所蹴りや目潰し、場外はもとより試合直後やバックステージから果ては入場前の奇襲、レフェリーやタッグパートナーを盾に使っての妨害等々、その老獪な引き出しの多さを遺憾なく発揮した場合は、わずか三分足らずで試合を決めてしまうことさえある。