プロフィール
概要
日本のインディープロレス団体DDTとメジャー団体新日本プロレスの2団体に2016年2月まで所属していたジュニアヘビー級のプロレスラー。
小学生時代からプロレスを愛し、プロレスラーに憧れていたというプロレスラーでありプロレスファン。
高校時代はラグビー部に所属、高校卒業後は成田空港で旅客機の機内清掃を行う仕事を1年行い、その後新空手(直接打撃制の空手で、プロのキックボクサーに進む選手も多い)の大誠塾に所属、2003年7月21日の新空手道交流大会ではK-2トーナメント(中量級・15人参加)で優勝もした(翌日退団)。
2004年7月1日にDDTプロレスリングでKUDO相手にデビュー。
DDT&新日本プロレス双方で活躍、BEST OF THE SUPER Jr.第18回大会で優勝、IWGP Jr.シングル&IWGP Jr.タッグの王者にもなっている(タッグパートナーは、ケニー・オメガ)。
2013年には、ヘビー級のリーグ戦であるG1 CLIMAXにも出場した。
同年10月にDDTと新日本の2団体の所属になることが発表された。
そして、新日所属として初めてむかえた2014年1月4日東京ドーム大会にて、チャンピオンのプリンス・デヴィットを下し自身3度目となる、IWGP.Jr シングルの王者になった。
2016年2月一杯で新日・DDT両団体を退団し、自ら立ち上げた「飯伏プロレス研究所」の所属となった。
2019年4月20日、自身が保持しているIWGPインターコンチネンタル王座防衛戦VSザック・セイバーJr戦後のマイクアピールにて新日に再入団することをアピールした。
同年にはG1 CLIMAX優勝を果たしており、新日本のヘビー級(G1 CLIMAX)・ジュニアヘビー級(BEST OF THE SUPER Jr)のリーグ戦双方で優勝という偉業を、史上初めて達成している。
G1にいたっては2018年~2020年まで三年連続決勝まで進みこのうち19年-20年は二連覇している(史上三人目。ほかの二人は蝶野正洋と天山広吉)。
2021年の東京ドーム大会にてIWGPヘビーとインターコンチネンタルの二冠王者となり、同年に両ベルトを統合・初代IWGP世界ヘビー級王座となる。
しかし年末の負傷による長期欠場が引き金となり、新日本との関係が悪化。最終的には2023年をもって退団に至っている。
40歳という年齢を一つの節目として捉え、今後はプロレス専門学校を設立したいと考えているとのこと。
ファイトスタイル
必殺技はフェニックススプラッシュ、シットダウン式ラストライド、カミゴェなど。
当初愛用していたフェニックススプラッシュには、威力は高いが外れやすいという問題があり、このリスクを回避するためにカミゴェを開発。以降は使用機会が少なくなった。
もっとも、近い時期から積極使用しているボマイェは、溜めの長さからかしょっちゅう初撃を外しているのだが
身体能力にはかなり定評があり、本来トップロープから行うような技を相手と同じ高さでやってのけ、滞空時間の長い飛び技も披露する。
また、身軽さだけでなくパワーも相当なものであり、ヘビー級の選手をジャーマンで投げ切り、パワーボムでたたきつける(背筋力が300kg以上ある)。
ヘビー級転向後はとにかくストイックに筋力を増量させており、団体に筋トレを根付かせた棚橋弘至も舌を巻くほどの肉体美を誇っている。
普段の見た目は穏やかだが、しかし一度キレると手がつけられないという凶暴性も併せ持っており、一転して過剰な攻撃を繰り出す場面も見られる。
本人いわく本当にキレたのは、この姿を初めて見せた中邑真輔戦のみであり、以降はパフォーマンスで行っているとのこと。
デビュー前には総合格闘技を仮想的と見なしており、いつか訪れるかもしれない異種格闘技戦に備えて、新空手にて打撃戦を学んでいた。
結果的に試合は流れてしまったが、本当にK-1に出場予定だったことがあるほどの、高い技術を有している(予定されていた対戦相手は、ボビー・オロゴンの弟であるアンディ・オロゴンだったが、アンディの負傷により試合は消滅)。
人物像
上述通り、性格は物静かでやや天然気味。一方でそれが変な方向に作用し、予想外の行動に出る狂気も併せ持っている。
特にキャンプ場プロレスでは打ち上げ花火を持ち、試合に出場している選手や観客を花火を発射しながら追いまわす姿が確認されている(この試合、飯伏は選手として出場していない)。
参加した試合に至っては馬乗りになって両膝で相手の肩を封じながら顔面めがけて花火を発射する暴挙を行っており、レフェリーが試合を一時止めて素で説教していた。
低迷期の新日本プロレスを再浮上させた、棚橋と中邑を「神」と崇めて尊敬しており、彼らと彼らの巻いたインターコンチネンタルベルトには、強い思い入れを抱いている。
上述したカミゴェは、棚橋を倒し「神を超えるため」に編み出した技であり、その内容も中邑のボマイェと同じく膝蹴りであった。
2019年の再入団以降は、本格的に棚橋から本隊エースの座を受け継ぐ形になっており、翌年には「(これからは神を崇めるのではなく)お前が神になれよ」という言葉を涙の棚橋からかけられ、その決意を新たに固めた。
この他には内藤哲也とも、独特な距離感のライバル関係を築いている。
DDTおよび新日本で共闘したケニー・オメガとは、恋愛関係にたとえられるほど強い絆を育んだ親友同士であり、タッグチーム「ゴールデン☆ラヴァーズ」の戦いぶりは、多くのファンを魅了した。
のちにケニーが海外へ渡った時には、意外なほどドライな物言いで彼を見送っているのだが、ケニー側からは本人のツイッターアカウントで、再会を望むメッセージが何度か送られている。
新日本時代末期の長期欠場中には、職業としてプロレスラーを続けていくこと自体にも嫌気がさしていたのだが、ケニーとの再会などがプラスに働き、フリーランスでのキャリア続行を決めるに至った。
タイガーマスクWとの関係
テレビアニメとのコラボレスラー・タイガーマスクWの正体ではないかと推測する者もいる。
デビュー戦時点で実況・解説に正体を勘ぐられたり、自身も何度もタイガーへアドバイスを送ったと発表したりするなど、意味深な言動が目立っている。アニメでも事実上の最終回である37話に、本人役での出演を果たすという厚遇を受けているが、結局タイガーとどういう関係であったのかはあくまでも不明。
これを知ってか知らずか、テレビ朝日にて放送された「プロレス総選挙2017」では、田中裕二が「初代タイガーマスクについて、飯伏選手はどう思う?」と話題を振る場面が全国放送されることになり、視聴者の笑いを誘った。
ついでに本人は「勉強になります」と締めくくっていた。