概要
タミヤが発売している小型の動力付き四輪駆動自動車模型(プラモデル)「ミニ四駆」。
そのヒットに肖ろうとした同業他社が製造・販売した商品を纏めて指す俗語或いは蔑称のこと。パチモン+ミニ四駆=パチ四駆。
そもそも、「ミニ四駆」という名称がタミヤの登録商標なので、他社の製品は「ミニ四駆」と名乗れない。
単なる模倣に止まらず、乾電池の数を増やしたり履帯(キャタピラ)走行を可能にしたりと、本家ミニ四駆との差別化を図った機構を持つ代物もある。後輪駆動などそもそも四駆ではないものも。
また、名前に「Jr.」が付く類のミニ四駆と同様に、タミヤ以外のメーカーが作った既存のRCバギーをジュニア化した製品も多い。
主な商品
- テクニ四駆他(青島文化教材社) - 80年代は他社RCのジュニアモデルがメインだったが、のちに『サイバーフォーミュラ』やデロリアンなどのキャラクターモデルが発売され、サイバーフォーミュラは2019年に6台1セットモデルとして復刻された。
- ミニ4WD他(有井製作所)
- スーパーレーサー4駆(今井科学) - 『サンダーバード』のキャラクターモデルも存在する。
- ガンバレ!よんくまん(LS)
- スーパービッグワンガム(カバヤ食品)
- 超速4駆他(グンゼ産業)
- BG4駆(セガ・エンタープライゼス)
- メガ4駆(セガ・ヨネザワ) - 組み立て済み完成品。
- 水陸全駆(タカラ)
- バトルチューン単4駆(タカラ) - 食玩。
- ジュニア4WD他(東京マルイ)
- ミニフォー(日本模型)
- レーシング4駆他(フジミ模型) - 変わったところでは所ジョージとのコラボ品もあり。一部の製品は動力駆動部を省いた上で、2013年に「グランプリQ」という名前で再販されている。
- プロスピード4WD(ミツワモデル)
- MINI高速4WD(ユタカ) - 半完成品。
- ハイパーレーサー4WD(バンダイ) - 『天空戦記シュラト』のバルダ(神甲冑の移動形態)や『機動戦士ガンダム』とのコラボも行っている。
- WGPバクシード(バンダイ) - アオシマや京商などの同業他社を巻き込んで一度は天下を取ったが、それがタミヤに火をつけてしまい……。
- ゲキドライヴ(バンダイ) - もはやミニ四駆が完全に盛り上がっている状況では取り付く島もなく、爆シードのリベンジならず。それどころか量販店では投げ売りされていることも見受けられるようになってきた。実は二輪駆動なうえ、純粋なレースではなくカブトボーグ……もといチャリオット競技に近い(ミニ四駆もアニメ版(悪役)だとチャリオットな事が多いが)。なお「競技車をぶつけ合うモーター駆動のプラモデル」という観点では、遥か前にタミヤもダンガンレーサー(FR駆動)を出していたというね……。
- ポケットカー(ダイソー) - BOWO PLSなる中国メーカーからのOEM品。
他にも、フックトイ形式の完成品を手がける中小メーカーや、中国メーカーなども商品展開している。
総評とまでいかないこと
この単語自体が蔑称であり、あまり多用は薦められない。
違法パーツ
キット自体は発売せず、ミニ四駆用の改造パーツを発売した会社も存在した。80年代(1次ブーム)にはコロコロコミックに広告を出していた会社もあった。ただしタミヤでのミニ四駆公式大会では車検があり、使用がばれると失格 になる。
特にモーター(漢字1、2文字の名前が多かったため、通称:漢字モーター)は高出力過ぎて熱でボディーを溶かしたり、最悪燃え出す物もあったとか。
(※但し基本的にモーターは動けばそれ相応に発熱するものであり、タミヤ純正品であっても条件によっては火傷しかねない高温になることがあるのは忘れてはいけない。特に高負荷・長時間走行後は、不用意にモーターやバッテリーに触ってはいけない)
また、スペック表記に関しても無負荷での回転数を大々的に表示していたため、実際にマシンに装着すると遅いという現象(実車の馬力表示がグロス値(エンジン単体での計測)からネット値(エンジンを車両に搭載しての計測)になった背景はだいたいこういうこと)が起こってしまうという指摘もあった。
また、モーターを改造する(コイル交換(もしくは巻き直し)や磁石の交換など)テクニックもあったが、これも反則であり、ばれたら失格である。それ以前に失敗してモーターを壊すケースも多かったとか。
漢字モーターの類のうち、童友社などの一部のメーカーの製品は2023年現在も現行で販売されていたりする。
なお、「違法パーツ」は従来「サードパーティーの独自開発商品」であることが明確にわかるものが主流だったが、近年では限定カーボンプレートパーツなどを中心にタミヤ製品のニセモノが出回っていることもあるので注意が必要である。