概要
タミヤ(田宮模型)のヒット商品であるミニ四駆のプロモーションや関連イベントのパーソナリティを務めていた人物。『タミヤRCカーグランプリ』ではラジコンマンやメカニックマンという人物とともに番組に登場し、新製品やミニ四駆の楽しみ方などを紹介していた。
1988年代から1995年まで活躍していた初代ミニ四ファイターと、その後を継いで2007年まで活躍した2代目ミニ四ファイターがおり、両者ともにタミヤの社員であった。『月刊コロコロコミック』では『GO!GO!ミニ四ファイター』や『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』などのミニ四駆関連の漫画にもたびたび登場している。
実在の人物
初代
"MINI 4WD FIGHTER"の文字が入った白いバンダナと白のレーシングスーツ(その上に青の肩パッドを付けることもあった)を身に着け、「ミニ四駆を90秒で組み立てる」をウリにしていた。
おちよしひこの漫画『GO!GO!ミニ四ファイター』で主人公として扱われているのは彼である。
漫画のせいで「真っ白け~のヒト」あるいは「肉抜き魔神(肉抜き教・教祖)」「(肉抜きの結果)ミニ四駆を吹っ飛ばすヒト」とか呼ばれた事も。(「肉抜き」とはミニ四駆のボディやシャーシのプラを削り、車体の軽量化を施す事で走行スピードの増加を目論む改造のこと。やりすぎると走行時におけるガイド壁との激突による衝撃やジャンプおよび着地時の衝撃に車体が耐えられなくなりミニ四駆の破損を招く)
もとはイベントに商品を卸す商品管理部の社員だったが、宣伝部に目をつけられて転属し「ミニ四ファイター」になった。
静岡県出身でプラモ好きが高じて田宮模型への入社を志望したが一次筆記試験で落とされた経歴の持ち主。
しかし諦めがつかずダメもとで人事部に直訴の手紙を出したことで逆転試験通過(いわゆる補欠合格)をもぎ取り二次面接試験で自らの作ったプラモを大量に持ち込み「タミヤのプラモの何が素晴らしいか、自分にとってタミヤのプラモは人生そのものであったこと」を他ならぬタミヤの人事部と上層部がドン引きするレベルで語ったことで逆転入社をもぎ取った。
横山智佐のデビューシングル『DASH!!-レーサーミニ四駆のテーマ-』のカップリング曲『ミニ四ファイター組立てうた』で歌手デビューしたが、あくまで台詞のみであり、歌は歌っていない。それでもNGを続出させて90回は録し直しとなったとか。
1995年のジャパンカップで引退。
2代目
元々は夏休みにタミヤでバイトしたのがきっかけだった。翌年もタミヤでバイトすることが決まったのだが、ある時に前述の初代ファイターに呼び出され、卒業後はタミヤに来るか聞かれた(彼は当時、就活生であった)。そこで「次のファイターをやってほしい」と頼まれた。最初こそ無理と言ったが、タミヤ社員の言葉もあり、そのままタミヤに就職、ファイターとなる決意をした。
そして1995年のオータムレースからデビュー。初代ミニ四ファイターから譲り受けたバンダナと赤のジャケットと肩パッドを着用。初代と同じく歌手デビューしたり、ミニ四駆とともに富士山を登ったりと精力的にプロモーション活動をこなしていた。
2007年に引退した後はダンガンガッツ(現:MCガッツ)にプロモーションを引き継いだ。『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』では彼を基にしたキャラクター(下記)が登場を果たしている。
ちなみに劇場版ではゲスト声優も務めた。
漫画や映像作品では、牛丼が好きという設定がついている場合もある。
『GO!GO!ミニ四ファイター』
月刊コロコロコミック1989年4月号~1991年4月号に連載。このほか別冊コロコロコミックや増刊号にも掲載されていた。
本作はその性質上長らく単行本化されていなかったが(小学館発行のミニ四駆ブック内の漫画として収録されている)、2009年にオンデマンドコミックの『コミックパーク』より初めて単行本化された(全3巻)。
しかしながら2022年にコミックパークがサービスを終了し、電子書籍化もされていないため、再び読む機会を絶たれることとなった。
2007年に発売された『熱血!!コロコロ伝説 Vol.7』で描きおろし漫画を掲載。これにはもともとメインとして扱う予定だった『ダッシュ!四駆郎』の作者である徳田ザウルスが前年の2006年に他界したことによるもので、描き下ろすにあたって連載当時の画風や作風ではなく、2007年時点のおちの作風で描かれており、内容もジャパンカップ大阪大会のセミドキュメンタリーとなっている。
このほかに、ミニ四駆のグレードアップパーツとしておち版のファイターをモデルとした「GO!GO!ミニ四ファイター」のプラフィギュアも発売。立ち姿とミニ四駆に載せられるコクピット登場姿の2種類が成形されている。このフィギュアの原型制作は越智信善(おちの実兄)が手掛けている。
『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』のミニ四ファイター
本名は杉山闘士(すぎやまたけし)。ミニ四駆レースで実況兼司会を務める男性。熱い性格で、少々子供っぽいところもある。趣味はパソコン通信や通信販売、クラシック鑑賞(中でもドビュッシーが好きらしい)。
実況時に少々つまらないギャグを言ったりして会場の盛り下げてしまったりもするが、飛び抜けた走りや技を披露し活躍したマシンに異名をつけて会場を盛り上げる。(例『【コーナーの軽業師】スピンアックスが前に出たぁ!』 『【轟く爆風】、トライダガーXがトップに返り咲いたぁっ!!』など)
ミニ四レーサー時代に春夏秋冬のシーズンレースを4つ全て制した実績を持つが、その決勝戦とも言えるSGJCでは優勝できなかった。
土屋博士の研究室に出入りし開発の手伝いもしている。
モデルは2代目ファイターのはずだが、アニメでは初代ファイターの「ミニ四駆を90秒で組み立てる」という特技もできるようなセリフもある。
星馬豪が柳たまみ先生にマグナムセイバーを取り上げられた際、その理由が国語の授業中にマグナムをいじっていたことによるものだと知るや豪を叱るなど大人としての節度はある。
のだが、彼女のある発言を耳にした瞬間
『先生! 御言葉ですがミニ四駆は、【ただ走らせるだけの玩具】ではありません! マシンのポテンシャルを最高まで引き上げるための改造をし、実際の車と同じような感覚で過激なレーシングマシンを造ることは 趣味やホビーを超えた【美しくも厳しい勝負の世界】なんです!』
『ミニ四駆の歴史も、もう十数年を数え今の子供達や大人達のハートもガッチリとゲットしている【素晴らしいもの】なのです!』と説くと、彼女をミニ四レーサーの世界に飛び込ませた。
たまみ先生には好意を寄せている。
また、豪の兄である烈のクラスの担任であり、たまみ先生の同僚である国立ケンジ先生とは幼い頃からの腐れ縁。
【風輪小学校バトルサーキット~マグナムセイバー争奪戦~】では実施前に夜なべして学校中にコースを製作した。 その規模は大きく正門からスタートし⇒昇降口⇒階段を昇り⇒男子トイレ⇒プールサイド⇒ゴールは体育館という学校一周コースで製作した。 (レースの途中で、烈が『男子トイレ内(あんなところ)にコースは作らないよなぁ;;』と感想を言われ レース終了後、たまみ先生から『いくらなんでも、ここまでコースを張り巡らせる必要ないでしょ? 少し調子に乗り過ぎよ、ファイターさん!』と少々お叱りを受けた。
WGP編では、髪形を変えて世界グランプリの実況を担当するという大役を果たす。モデルとなった前述の2代目ミニ四ファイターは実際のミニ四駆公式レースでも実況を担当していた。
MAXでも2話で登場し、第2回WGPでも実況の為にアメリカへ出発したのだが、英語が喋れなかったためすぐに日本へ帰国、正体を隠す為に「覆面ファイター」として活動していた。しかし、堂本サユリ以外はすぐに正体を見抜いていた。反対にサユリは正体を知らずに「偽ファイター」呼びしており、終盤になってようやく正体を知った。
逆にファイター自身は、GJCの会場に現れたファイターレディの正体(サユリ)に気付き、過去に男の子たちと一緒にレースに参加していた時の姿を 瞬時に思い出していたのだ。
ただし、スタッフ曰く「よく日本に戻ってた」、そして青春ドラマCD第2弾にて「ファイターは第2回WGPの時、時々いなくなっていたがレースが始まる頃にはいた」ということが判明。
所有しているマシンはアニメではシャイニングスコーピオンで、少年時代に岡田鉄心から貰ったもの。原作ではビクトリーマグナムをカスタマイズした、ファイターマグナムVFX。
年齢は明かされていないが、シーズンレース連覇が小6の頃でその10年後がレッツ&ゴー(無印)の世界なので単純計算すると21歳か22歳。
原作では、登場回数は比較的少な目。髪型もシーズンレースの度に衣装を変えて登場するというパフォーマーとしての才をみせている。(星馬兄弟にセイバーを渡すのも彼が担当した。)
しかし、容姿も度々変わっているため、同一人物かは不明。『Return Racers!!』中学生編ではファイターではなくMCガッツになっている。
佐上模型店の裏庭コースの手入れを行っていて、佐上一家と面識が深くコースの手入れをした後は、奥さんからご飯を御馳走になっている。
なお、上記の2代目ファイターの苗字も杉山である。
杉山闘士が、ミニ四ファイターとなったキッカケは何か?
10年前、ミニ四レーサーとして活動していた頃である。 ある技術者から、見たことがないミニ四駆を渡されたのだが『僕は来年から中学生になるから、もうミニ四駆レースに参加する事ができないんだ。 だから、このマシンは返すよ!』と返すが・・・
『お前さん、ミニ四レーサーとして活動するだけがミニ四駆に携わることではないぞ? 自分がミニ四レーサーとして活動できないなら、ミニ四レーサー達を盛り上げるスタッフとして参戦すればいい。』とミニ四レーサー以外の道で、ミニ四駆に携わる道を教わった。
演者について
演じる森久保祥太郎氏のデビューキャラ。スタッフは当時、ミニ四ファイターのキャラを把握しておらず、「ファイターが喋るキャラだと分かってたらこの配役にしなかった」と後に語られる。
また『爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』では、トオルも演じた。
後年のアニメ『えんどろ〜!』においては大食い大会のファイ・ファイで司会者として、声もそのままに彼のそっくりさんが登場した(なお流石にマイクは世界観的に難だったからか、木製のメガホンを使っている)。
また、『レッツ&ゴー!!』シリーズが終了した後にアニメ化された『爆球連発!!スーパービーダマン』でも、マスター攻略王として、司会を勤めている。
森久保祥太郎氏は、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』の草薙漸でもある浅川悠氏と2007年に結婚したが、2009年に離婚した。
余談
直接の関係はないが、かつて三菱ふそう(三菱自動車→三菱ふそうトラック・バス社)から「ファイターミニヨン」という名の中型トラックが販売されていた。
本車両は中型トラックのファイターのシャーシに小型トラックのキャンターのキャブを載せた車種で、「優雅な」を意味する「MIGNON」(ミニヨン・ミニョン)と「ミニ4トン車」にかけたネーミングである。
実はミニ四ファイター登場よりも発売が先で(1986年~2002年)、現在は2014年に発売されたキャンターEXが後継車種として発売されている。
関連タグ
超速GP…おち版の初代・こした版の2代目ファイターが登場している。