概要
ミニ四駆シリーズのシャーシの一つ。読みはバーサスではなく『ヴィクトリー・スプリント』の略称で、決してバトルレースを推奨している訳ではない。
第2次ブーム末期の1999年、エアロミニ四駆『ブレイジングマックス』で初採用された。その後マイティミニ四駆(バリアトロン、シンクロマスターZ9の2車種)にも採用されている。
第2次ブーム終焉の2000年から続く冬の時代を支えたのもVSで、ダンガンレーサーの不振もあってこの時期でもRS(レーシングスタイル)などのハイエンド版でミニ四駆の新商品発売が続いたため、当時シャフトドライブシャーシでは最新だったVSはそのたびに採用され続けた結果、採用マシンもカラバリの数も第2次ブームで最も採用の多かったスーパー1を上回る結果となっている。
性能
スーパーFM以降新規シャーシはホイールベースが伸ばされる傾向にあったが、VSではスーパー1と同じ80mmまで縮んでいる。ターミナルはスーパーXと同じタイプを採用。
ヒンジ開閉式のバッテリーホルダーや回転つまみ式スイッチ、リヤステー用2点止めマウント等、スーパーXで培った技術を余すことなく投入されており、ギヤ周辺の精度やシャフトの抵抗抜きが大幅に改善され、駆動系の出来はシャフトドライブ式(片軸モーター)シャーシの最高傑作と名高い。
どれくらいVSの駆動系がすごいかというと、再びミニ四駆が注目され始めた2010年代すら、最新技術を採り入れた後発のシャーシが複数出ていてVS自体も登場から20年近くが経っていたにもかかわらず、公式カップ上位者がこぞってVSを使用したほどである。
もちろん欠点もあり、全体的にシャーシの強度が低い点は特に指摘される。もちろんスーパー1やスーパーFMよりはマシではあるが…。改造に際して必ずと言っていいほどフロントバンパーとサイドステーを切り落とされFRPプレートを加工しでっち上げれたフレームに置き換えられてしまい(井桁)、公式にもシャーシの底全体を覆うGFRP製プレートまで作られたほど。
スーパー1やスーパーTZのモーター・カウンターギヤ一体式ユニットやスーパーXのモーター取り外しギミックが排除された関係上、モーターの取り外しが面倒でメンテナンスがしにくい点も欠点であり、同様の問題はスーパーⅡ(スーパー1の改良型)でも抱えている。もっとも、これはスーパー1やスーパーTZのように一体型にするとモーターユニットのはめ合いやギヤの位置出しが悪くなり駆動系に支障をきたしやすいからでもあるのだが…。
2020年3月にはVSの改良型である『VZシャーシ』が登場し、21年ぶりのリニューアルとなった。
メディアミックス
「爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX」で登場。そもそも、このシャーシが初採用された前述のブレイジングマックスはこの作品に登場するマシン。
漫画版では一文字豪樹が土屋研究所の試作品の山から勝手に持ち出しているが、アニメ版では性能に限界が生じていた上フェニックススティンガーに壊され再起不能となったマックスブレイカーの新型を設計するため一文字博士が新型シャーシとして用意してきた。明言こそされていないものの土屋博士と一文字博士の共同開発なのかもしれない。
2020年から配信開始されたソーシャルゲーム超速GPではシャーシちゃんとしてまさかのマスコットキャラ化。ピンクのVSを原型としており怪しい関西弁を話す。