爆走兄弟レッツ&ゴー!!
ばくそうきょうだいれっつえんどごー
走れ、僕の夢
走れ、未来へと
いわゆるホビー漫画と呼ばれるジャンルの1つ。ミニ四駆のうち主にフルカウルミニ四駆とリアルミニ四駆を題材にした作品。第2次ミニ四駆ブームを巻き起こし、アニメ、映画、ゲーム、CD、トレーディングカード、シールなどといった、様々なメディアミックスを展開した。
略称は「レッツゴー」「レツゴー」「レツゴ」など。作品名の読みを「レッツ“ア”ンドゴー!!」とされる事が時折あるが、正しくは「レッツ“エ”ンドゴー!!」なので注意。
原作は「月刊コロコロコミック」にて1994年6月号から続編の『爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』にまたがって1999年10月号まで連載された。単行本は全13巻。(MAXシリーズは7巻)
元々は前後編に分けた読み切り漫画で掲載だった。これは『ダッシュ!四駆郎』が終わって新しくミニ四駆漫画を作る際に人気が出るか分からなかったため。人気が出たので連載となった。
兄の星馬烈と弟の星馬豪の星馬兄弟(レッツゴー兄弟)は、性格は正反対だが三度の飯よりもミニ四駆が大好き。
ミニ四駆開発者である土屋博士はミニ四駆の可能性を試すため、彼らに新型ミニ四駆であるフルカウルミニ四駆第1弾セイバーをそれぞれに与え、烈はコーナリング重視のソニックセイバー、豪は直線重視のマグナムセイバーへと進化させ、そのマシンでGJCウィンターレースに出場した2人は、アクシデントで失格となるものの、一躍有名となった。
現実世界における当時の公式レースの出場資格は小学生と中学生であったが、本作の過去の世界では中学生は公式戦に出場できず、アニメ版では少年時代のファイター(杉山闘士)がそれに直面し、苦悩する場面があった。
続編・スピンオフ
爆走兄弟レッツ&ゴー!!WGP(WGP編)
当初は無印編で終わる予定だったが、第2次ミニ四駆ブームの影響で延長になった。
第一回ミニ四駆世界グランプリが日本で開催されることになり、全世界の猛者達と戦う物語。劇場版『暴走ミニ四駆大追跡!』も公開された。
詳細は『爆走兄弟レッツ&ゴー!!WGP』を参照。
原作(単行本)ではこのWGPの時期は無印編から独立しておらず、タイトルに『WGP』がつかない。
爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX(MAX編)
主人公を交代したシリーズで、前作の主人公達が第二回ミニ四駆世界グランプリ開催地であるアメリカへ旅立つ時期から物語が始まる。
詳細は『爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』を参照。
爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!
『コロコロアニキ』で連載された原作漫画の続編。後にコロコロオンラインにてWebで連載。
詳細は『爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!』を参照。
レッツ&ゴー!!翼ネクストレーサーズ伝
『Return Racers!!』に登場した翼を主人公にしたスピンオフ作品で、『コロコロイチバン!』で連載された。
詳細は『レッツ&ゴー!!翼ネクストレーサーズ伝』を参照。
原作では女性キャラクターの割合が少なく、アニメでは女子が増やされた(それでも男子の比率が高い)。
メインキャラクター※ | |
---|---|
星馬烈(CV:渕崎ゆり子) | 星馬豪(CV:池澤春菜) |
鷹羽リョウ(CV:高乃麗) | 三国藤吉(CV:神代知衣) |
J(CV:渡辺久美子) | |
大神研究所・大神軍団 | |
沖田カイ(CV:今井由香) | 近藤ゲン(CV:喜田あゆみ) |
土方レイ(CV:木藤聡子) | 大神博士(CV:大友龍三郎) |
サブキャラクター | |
鷹羽二郎丸(CV:大谷育江) | 黒沢太(CV:陶山章央) |
こひろまこと(CV:くまいもとこ) | 佐上ジュン(CV:西村ちなみ) |
三国チイコ(CV:矢島晶子) | 土屋博士(CV:江原正士) |
岡田鉄心(CV:椎橋重) | ミニ四ファイター/杉山闘士(CV:森久保祥太郎) |
柳たまみ(CV:勝生真沙子) | 佐上保(CV:宇垣秀成) |
水沢彦佐(CV:永野広一) | 原・J・マキ(CV:勝生真沙子) |
三国菊乃丞(CV:玄田哲章) | 星馬改造(CV:宇垣秀成) |
星馬良江(CV:安達忍) | 南条隼人(CV:折笠愛) |
R(CV:安藤ありさ) | 松下健一(CV:石川寛美) |
※世界編でのTRFビクトリーズ所属者を便宜的に主要登場人物とした。
無印・原作の無印編に登場したもののみ。
※1 ベースはモンスタービートルJr.
※2 ベースはマンタレイJr.
アニメはテレビ東京とその系列局(TXN)各局にて月曜の夕方6時台前半に3年間にわたり放送。TXN放送局がない県では、他の放送局にてそれぞれの時間帯に放送された。
3シリーズ通して言えることだが、アニメは設定の一部を引き継いでいるが、ほとんどアニメ独自の展開になっている。これはアニメの展開が早々に原作に追いついてしまったためである。第1シリーズの19話まではほぼ漫画通りの展開だが、それ以降はキャラなどは同一人物であっても展開は別物となっている。アニメオリジナルキャラも多い。
原作とアニメ共にマシンがレーサーの意思に反映してカーブをしたり、武器や必殺技を出すシーンが数多く見受けられるが、無印編は理系顔負けのカスタマイズや機械仕掛け化、コースの地形を利用する事で実現し、アニメWGP編ではGPチップと呼ばれる人工知能でマシンが自在に動く根拠とされた。
しかしMAX編ではかなり演出重視になっており、特別な根拠もなしにマシンが自由自在に動く描写が多く描かれている。
アニメのDVD-BOXには光過敏性発作(所謂ポケモンショック)の対策として残像処理がされたが、「逆にVHSよりも見にくい」とファンからは不評であった。劇場版には処理はされていない。
ブルーレイ版は残像処理はされておらず、HDテレシネにてリマスタリングされ、オリジナルよりも画質が良くなっている。
現在ではどちらも価格が跳ね上がっており、入手が難しくなっている。
2024年には2枚組となった一気見仕様のブルーレイも発売された。
日本国外でも、中国(中華人民共和国)、韓国、イタリアや中東の国々で放送されたが、一部の設定が変わっているものも。
例:韓国ではTRFビクトリーズは韓国代表。
イタリアでは烈がRicky、豪がGhigoとほとんどのキャラの名前が変わっている、など。
主題歌
楽曲名(オープニング) | 歌手 | 備考 |
---|---|---|
ウィニング・ラン! ~風になりたい~(#1~#25) | 山形ユキオ | 歌手の山形ユキオは以前、『ダッシュ!四駆郎』のアニメにも出演している。 |
FLESH & BLOOD ~二つの想い~(#26~#51) | G-CRISIS | 歌い方のイントネーションやPVの世界観が独特で、ファンの間ではネタにされることも。また、アニメ放映では1番が歌われたが、2番の歌詞が使われている箇所がある。 |
楽曲名(エンディング) | 歌手 | 備考 |
ヨ!ブラザー(#1~#12) | ブギー・マン | 1994年に「Pachinko Man」をヒットさせた歌手。三木道三が出るまでレゲエ唯一の成功例とも呼ばれた。 |
傷つくこともできない(#13~#25) | 梶谷美由紀 | 『美少女戦士セーラームーンSuperS』のエンディング曲『らしくいきましょ』などを歌うアニソン歌手。また、ED映像は描いた絵のようなビクトリーマグナムが走るというものだが、後期になると視聴者が描いたオリジナルマシンも登場する。 |
恋のターゲット・ボーイ(#26~#39) | THE PINK HOPS | 96年当時一斉を風靡した洋楽デュオME&MYの「Baby Boy」の日本語カバー。映像でビクトリーマグナム(Vマグナム)が走行しているコースは1996年のミニ四駆ジャパンカップのコース。一気見仕様のブルーレイには、権利上の都合でこの曲が収録されず、作中のBGMに差し替えられた。 |
夢の涯てまでも(#40~#51) | PERSONZ | BOØWYとは深い交流関係にあった女性ボーカルJILLを中心にしたロックバンド。同バンドのファンだった当時のスタッフのオファーで決まったもの。映像では順にバンガードソニック、ネオトライダガーZMC、ビークスパイダー、ブロッケンG、レイスティンガー、スピンコブラ、サイクロンマグナムが登場する。 |
各話リスト
ここでは、シリーズ一年目の51話を記す。
話数 | サブタイトル |
---|---|
1 | ミニ四駆兄弟登場 走れセイバー! |
2 | ウインターレース 波乱の決勝戦!! |
3 | 謎のフルカウルマシン! |
4 | 嵐の兄弟対決!爆走ダウンヒルレース! |
5 | 再対決!トライダガーX 地下水路の戦い! |
6 | 危うしマグナム!稲妻走りの新マシン!! |
7 | 激突!コーナー勝負 ソニックセイバーVSスピンアックス |
8 | かっ飛べマグナム!スプリングレースをめざせ! |
9 | 強敵大集合!火花を散らすスプリングレース |
10 | 必殺マグナムトルネード! |
11 | 烈の危機!残されたチャンス |
12 | 豪の挑戦!マグナムを取り戻せ!! |
13 | 6人目のフルカウルレーサー |
14 | 脅威の最強マシン 大神博士の野望! |
15 | ギャングと対決!ご先祖様を守れ!! |
16 | 火山口の死闘!セイバー絶体絶命! |
17 | Vマシン誕生!勝利の明日に賭けろ |
18 | 走れVマシン!危険がいっぱい遊園地レース |
19 | 強敵JBを倒せ!!友情のVパワー |
20 | 消えたマシン トライダガーX! |
21 | チイコ大旋風 対決!星馬兄弟 |
22 | 帰ってきたあいつ 恐怖の切り裂きマシン! |
23 | 缶詰工場の決闘!新たなる旅立ち |
24 | スピンコブラ発進!ニューマシン開発指令 |
25 | サマーレース開催 ミニ四駆の熱い夏! |
26 | 傷だらけのゴール!涙のトライダガー |
27 | 炎のニューマシン よみがえれトライダガー |
28 | 焼結!驚異のZMC 鷹羽リョウ完全復活 |
29 | 激流パニック!ミニ四駆救助隊 |
30 | 海だ!サルだ!チームワークで大勝負 |
31 | ブロッケンG登場!破壊の重量級マシン |
32 | ゆうれいと対決!学校七不思議レース!! |
33 | 砂嵐の戦い!ルール無用の大神レース |
34 | キャンプで決戦!追いつめられたJ |
35 | 敵はVマシン!レッツゴー奪回作戦 |
36 | 幻のスコーピオン 伝説のミニ四駆 |
37 | レイスティンガー!大神の切り札! |
38 | 復活!マグナム その名はサイクロン |
39 | サイクロン上陸!俺は天才デザイナー |
40 | 白熱のオータムレース |
41 | 対立!Jと豪 危うしサイクロン |
42 | ミニ四師匠 豪!?秋祭りレース開催 |
43 | 王子様とレース!ジュン愛逃避行 |
44 | マグナム絶好調!烈のあせり |
45 | 烈の裏切り!?ソニックVSマグナム |
46 | 復活のJ!プロトセイバーEVO |
47 | 火花散るラストチャンス! |
48 | SGJC開幕!!波乱のスタート! |
49 | レッツゴー大苦戦!爆進!破壊軍団 |
50 | 大激戦!雪山レース過酷な第2グラウンド |
51 | 栄光の表彰台!!勝利のミニ四駆 |
SGJC
読みは「スーパーグレートジャパンカップ」。アニメでの全国大会。4つのシーズンレースの中で、一度でも3位以内に入賞できれば、出場資格があたえられる。しかし、無印の時代では大神博士が特別レースを新設してことにより、出場者が増えた。
烈豪兄弟らが達が出場したSGJCは、上記の48話~51話までのエピソードとなる。3日に分けて行われ、1位~6位にポイントが与えられ、総合ポイントが多い者が優勝となる。
- 1日目
富士の子サーキットの1周3000mのコースを4周する。ピットインはガレージの中でのみ許される他、電池以外のパーツ交換は2回まで。
- 2日目
雪の峠のクロスカントリー。ピットについての制限はない
- 3日目
小島のコースを3周し、その後、橋の1.5kmのストレートを抜けてゴール。電池・タイヤ交換は3回までOKだが、ピットは所定の場所でのみ可能。また、ピット以外でマシンに触れられないので、停止したり転覆するとほぼ詰みである。
WGP編とMAX編にもシーズンレース回がある。SGJCは描かれなかった。
原作ではシーズンレースはなく、グレートジャパンカップで統一されている。
ゲーム
- ミニ四駆シャイニングスコーピオン レッツ&ゴー!!(スーパーファミコン)
- ミニ四駆GB Let's&Go!(ゲームボーイ)
- フルカウルミニ四駆スーパーファクトリー(セガサターン)
- エターナルウィングス(プレイステーション)
- 星馬豪を演じた池澤春菜氏は今作が初主演作であり、数少ない男の子役だった事もあって思い入れが強い事を公言しているが、当初は佐上ジュン役でオーディションを受けていた。ジュンを実際に演じたのは西村ちなみ氏。
- 森久保祥太郎氏、櫻井孝宏氏、宗矢樹頼氏、加藤有生子氏(当時は加藤優子名義)にとってはデビュー作。森久保氏が演じるミニ四ファイターはセリフが多いことを当初スタッフ達は把握しておらず、もしこれをあらかじめ知っていたらこの配役にしなかったと後に語っている。櫻井氏は無印で競技長を、WGP編ではリオーネとワルデガルドを演じ、宗矢氏は無印にて固有名詞をもたないキャラクターを演じた。加藤氏は無印とMAX編それぞれにて固有名詞をもたない単発の登場人物を演じた。
- 本作においては声優1人につき数キャラクターを演じるいわゆる掛け持ちの配役が多く、3シリーズすべてを含めると最も多いのが名前ありキャラでは総計6役を担当した今井由香氏。名前無しキャラを含めたら総計12キャラを永野広一氏が演じている。
- 何人かの声優は徳田ザウルス氏が原作で同じくミニ四駆(レーサーミニ四駆)を題材にした『ダッシュ!四駆郎』にも出演しており、例として江原正士氏は『四駆郎』ではアイルトン・ウルセーナを、『レッツ&ゴー!!』シリーズでは土屋博士を演じた。また、同じくこしたてつひろ氏が原作でドッジボールを題材にした『ドッジ弾平』にも出演した声優が複数おり、とりわけ日高のり子氏は一撃弾平と一文字烈矢とでそれぞれ主演を務めていた。三作全てに出演した声優もおり、例えば『四駆郎』にてダッシュ軍団の一員であった戸田弾九郎を、『ドッジ弾平』では一撃弾十郎を演じた玄田哲章氏は『レッツ&ゴー!!』シリーズでは三国菊乃丞を演じた。同じくダッシュ軍団の一員であった南進駆郎を、『ドッジ弾平』では二階堂大河を演じた関俊彦氏は『レッツ&ゴー!!』の映画『暴走ミニ四駆大追跡!』にてテドゥルートを演じた。それ以外にも、『四駆郎』で神崎操を、『ドッジ弾平』では木下つよしと火浦高志を演じた三木眞一郎氏は無印24話に社員Aなる単発の人物役で出演しWGP編ではエーリッヒ・クレーメンス・ルーデンドルフを演じている。
- その後、同じ時間帯で放送された『爆転シュートベイブレード』シリーズにも、『レッツ&ゴー!!』シリーズに出演した複数の声優がキャラクターを演じた。
キャラクターイラストが大半だが、マシンのみの画像も存在する。
カップリングはBLが大半でNLはあまり見かけなかったが、『Return Racers!!』が連載開始されて以降は若干増えつつある傾向にある。
爆走兄弟レッツ&ゴー!! レッツゴー フルカウルミニ四駆 リアルミニ四駆 レツゴ50users入り レツゴ100users入り レツゴ500users入り レツゴ1000users入り こしたてつひろ
爆転シュートベイブレード - 同じく熱狂的なブームを引き起こしたベイブレードを題材にした漫画作品。コロコロコミック等で原作漫画を連載し、テレビ東京系列にて月曜の夕方6時台前半にアニメを3年間にわたり放送し、2年目の夏場にはアニメ映画を上映した点も共通するホビーメディアミックス作品。高乃麗氏など、本作にも出演した声優が複数いる。
ミニ四駆RC伝説燃えろ!アバンテ兄弟 - こしたてつひろ氏によるミニ四駆漫画。
ドッジ弾平 - こしたてつひろ氏によるドッジボール漫画。テレビ東京系列にてアニメ化した共通点も持つ他、後に主人公の子どもが主人公となった続編(ドッジ弾子)も連載される。
バケツでごはん、名探偵コナン(アニコナ) - 同じく1996年1月8日にアニメ放送が始まった漫画作品。原作漫画の連載が小学館の漫画雑誌(『バケツでごはん』はビッグコミックスピリッツ、『名探偵コナン』は週刊少年サンデー)なのも共通。『レッツ&ゴー!!』と異なり、この二番組は主にNNN系列での放送。
カップリング
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君に捧げる
ミハエル様聖誕祭にも関わらずミハエル様出てきません。でもシュミハと言い張る。 そのかわりモブが暴走しました。 * * * * * 俺の名は山田(仮)、シュミット君のスケジュール管理を一手に任された秘書の一人だ。あの子のスケジュールの多忙さを知った時まず真っ先にしたことは本部の近くに部屋を借りさせることだった。「君はバカですかそうなんですねバカなんですね」と酷く流暢に日本語で罵ってしまったのは今となってはいい思い出だろう。基本的な仕事は本部で行っているのだから拠点近くに住居がないのは間違っている。暇な人間ならいいだろうがそれこそ分刻み秒刻みのスケジュールの主なのだからその辺はしっかししていただきたい。 さて、実は日系ドイツ人だったりするわけではなく純粋な日本人である俺がなんでシュミット君の秘書をやっているのかと言えば話は数年前に遡る。俺が高校生だったことに日本でWGPが開催され、まったくミニ四駆に興味のなかった俺はたまたまテレビで放映されていたドイツチームのレースの模様をぼぅっと眺めていた。そうして段々と引き込まれていく。男というものはどうにも勝負ごとに弱いのだ。一進一退の攻防、抜きつ抜かれつ、ミニ四駆自体の性能もさることながらそれを操る人間の操作性によってまったく勝負が読めなくなってくる。気が付けば俺はのめり込むようにしてテレビ画面に釘づけになっていた。それからは毎年テレビでWGPを観戦するのが決まりごとになっていた。 大学生になった年、WGPはヨーロッパで行われた。俺は喜び勇んで高校時代にバイトで貯めこんでいたお金を注ぎ込んでヨーロッパへと旅立ったのである。ヨーロッパでの観戦はそれはもう大興奮だった。古城をバックに見目は美しいがレース会場としてはコンディションが悪いであろう石畳を高速で走り抜ける姿はそれはもう格好良かった。 街中でのレース観戦を終え、次に移動したメインスタジアムではオーロラビジョンにファイターの姿が映され、この後に行われるレースの紹介をしていた。割と分刻みのスケジュールを組みたてはしたが、やはり見れるものは見ておきたい。ノートを広げてレースのスケジュールと自分のスケジュールを照らし合わせる。今日行われるレースは残り2本、このままメインスタジアムで観戦してレースが終了すると同時に動きだせばそのあとのレースにも間に合うだろう。移動のルートも予めチェックしてあるし、たとえ混雑に巻き込まれても抜け道もきちんと確認済みだ。うんうん、と一人で頷いていると空席だった隣に誰かが座る気配があった。これから一試合観戦するのだし、きっと俺は騒いでしまうだろうから挨拶くらいはしておこう、と顔を上げればそこにいたのはなんと初代アイゼンヴォルフのアドルフ君とヘスラー君だった。わお、と内心驚いていると二人は笑顔で会釈してくれて慌ててこちらも会釈をし返す。日本の方ですか?とヘスラー君に問われて、そうですよ、と答える。なんでもヘスラー君は日本文化が大好きらしく、実は寺の三男だったりする俺は仏像や仏教に関して色々と教えてあげたりした。まぁちゃんと仏教系の大学で学んだわけではないから詳しく突っ込まれると困るが一般論までならば十分及第点だろう。そんなこんなで少しばかり二人と仲良くなった俺はうっかりと開きっぱなしにしていたノートにアドルフ君の視線が釘付けになっていることに気が付いた。どうしたの?と聞けばアドルフ君が真顔で「そのスケジュールを組んだのは山田さんなんですか?」と聞いてきたので「そうだよ」と素直に答える。だからこのレースが終わったらすぐに移動しちゃうね、と言いかけたところでアドルフ君がすごい勢いで誰かに電話をし始めた。ゆっくりとした口調ならばなんとか聞き取れる程度のドイツ語力しかない俺がものすごい勢いでしゃべり始めたアドルフ君が何を言っているかなど全く分からず、ヘスラー君に助けを求めるように視線をやったのだけれど彼は彼でものすごい勢いでメールを作成していた。その結果、翌日の夜にぽっかり空いていた時間(ノートには自由時間と書いていた)にアドルフ君とヘスラー君に会う約束を取り付けられあれよあれよとエーリッヒ君とシュミット君に紹介されスケジュール管理とか得意ですか、ドイツ語はできますか、国外で働くことについてはどうお考えですか、とまるで面接のようなことをされて今に至るのである。 ちなみにその日、エーリッヒ君に「これが明日のシュミットのスケジュールです」と言われて見せられたのは酷く詰め込まれたスケジュールだった。移動中に食事をするのは当たり前、な典型的なドラマとかでみるような分刻みなもの。それを見て俺は一言「バカですか」と言った。キレかけるとついつい敬語になるのは俺の悪い癖だがしかたない。そうしてエーリッヒ君からスケジュール表をひったくり、地図を広げ、分刻みのスケジュールに余裕を持たせた。食事を移動の車内で、は避けられる程度の余裕。「まだ未成年でしょうしかも学生でレーサーですよなんでこんなアホみたいなスケジュールで働いでるんですかバカですか過労死希望ですかまったくもって理解できませんね」バン、と余裕を持たせたスケジュールをテーブルに叩き付けるようにしてシュミット君に渡せば、なぜかエーリッヒ君が肩を震わせて笑っていた。アドルフ君にいたっては隠すことなくお腹を抱えて大笑いしている。ヘスラー君は必死に視線を逸らしているがくつくつと笑い声が漏れている。 そうやってなんでかシュミット君本人よりも周りに気に入られてしまった俺は大学を卒業してからドイツで就職し、上司にあたるシュミット君に対しても気軽に「バカですか」と言いながらスケジュール調整をしているのである。 さて、こんなに長々と俺自身のことを語ってしまったが本題はここからだ。俺がシュミット君のスケジュール管理をするようになってから、毎年毎年この時期だけはどうにかこうにか2日間の完全休養を作るようにしている。たとえ緊急であろうとも仕事を一切入れない、入れさせない、そんな日だ。日程は決まって2月13日14日である。そう、シュミット君の恋人たるミハエル君のお誕生日にあわせた日程だ。だが今年は違う。今年はこの二日間に加えてこっそりと15日も休養日にした。俺は頑張った、シュミット君にも頑張ってもらった。おかげさまで誰にも文句を言わせない完璧に仕事をこなした上でのお休みだ。ミハエル君も15日は完全休養日にしてある。ミハエル君にもこっそりと頑張ってもらっていた。ミハエル君は14日にお家主催のバースデーパーティがあるのだけれどそれが終わってから再びシュミット君と合流するのだ。そこで二人は初めて翌日、つまり15日がお休みだと知るのである。これはミハエル君の秘書と結託した我々シュミット君の秘書からのサプライズプレゼントである。愛する人と過ごす時間はきっとなにより素敵だろう。ハッピーバースデー、ミハエル君。君の先行きが幸福に満ち溢れていることを、君とシュミット君がいつまでも幸せでいることを願っているよ。 なに、遠慮はいらない。16日になったなら溜まった仕事を君にもシュミット君にも差し出してあげるから。2,773文字pixiv小説作品 【レツゴ】煙霧
WGPの中盤が過ぎ、精神的に余裕がなくなっている烈兄貴と自分のこだわりを捨てきれも、自分の主張を伝えきれもしない豪が衝突する話。 ※最後まで明るくないので苦手な方はご注意ください。 診断メーカーのお題から。 烈兄貴が狂ったように笑って「お前、わかってていってる?」と言うシリアスな話をPTされたらかいてください。 #selifodaii http://shindanmaker.com/133918 というお題でしたが、狂ったように笑った烈兄貴が想像できなかったので、狂ったように笑ってはいないです。 どんなにブチ切れていても、豪がしょんぼりしたら、お兄ちゃんスイッチが入る烈兄貴が大好きです!2,507文字pixiv小説作品- レツゴでバレンタインシリーズ
【レツゴ】バレンタイン一週間前
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豪×烈(一応両想いCP)短い小説です♪ 前半は『ホットケーキ★マジック』の前半の続きで『レッドシグナル』に続く話、後半は『魅せられて』の前(劇の練習中)になります(/・ω・)/ 前半のくっつく前の豪の葛藤が長いので、他のお話と比べると糖度は低くなっちゃいましたが… 糖度が欲しい私は続きを書こうかと計画中です♡ (これで今晩も眠れます) BC→『枝分かれ鎖』の言葉に惹かれてタイトルに! 『なぜなら』『ブラックコーヒー』とかの意味もあるらしいです♪ 【注意】この話には設定にRR要素が入っていますので、苦手な人はご注意ください(^^ゞ5,042文字pixiv小説作品- ミニヨンク! ~school racer project~
目次
あのアイドル達が、ミニ四駆を手に再び集結! 何度も立ちふさがる壁を乗り越え、ライバルに打ち勝ち、頂点を目指せ! マシンは君の心に応えてくれるようになるぞ! 本作品は基本的にラブライブ!の二次創作ですが、爆走兄弟レッツ&ゴー!WGPのキャラクターも登場します。 現実のミニ四駆では考えられないことが起きますのでご了承ください。2,802文字pixiv小説作品 - PDCⅢ全112チームの通信簿
(通信簿10)レッツ&ゴーの通信簿+α
どうもtatsu31です。 今回はある意味シンフォギア並みにかわいそうな予選敗退の仕方をしたあのチームだけで1回やります、が最初のページにてちょっといろいろ書いてます(これでもいいのかどうかわからない)。一時的にメンタルはボロボロになりましたし。とりあえずこれで切り替えということで。おまけはOB選手について。 次回参戦予定かつガッツリ応援予定のあのチームのこともちょっと書いてますが、このチームの応援はしくじりたくないなあ。正直ONEOUTS以上に思い入れあるし。 ツイッターアカウント:https://twitter.com/TATSU311710,826文字pixiv小説作品