--新たなるシグナルは
TRY THE WORLD--
概要
1997年に放映されたアニメ。漫画版の『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』を原作とする。
1996年放送の『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の続編。WGPとは「World Grand Prix(世界大会)」の略で、当初は前作の1年(無印編)で終了するはずだったが、第二次ミニ四駆ブームを巻き起こしたこともあってもう1年延長された。
前作の仲間やライバル達とチームを組み、世界の強豪相手に戦うストーリー。
劇場版『暴走ミニ四駆大追跡!』はこの世界グランプリ中に起きた出来事として描いているが、アニメとの展開また設定が色々異なる部分があり、パラレルワールドに近い(後述のゲーム版ではこの劇場版も踏まえた設定がなされている)。
世界グランプリのファイナルステージは箱根駅伝が元になっており、走る場所は実際にロケハンが行われたという。スタートのGPXドームは東扇島、ゴールの富士の子サーキットは富士スピードウェイがモデル。
なお、原作漫画『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』では作品タイトルにWGPとはつかない。『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』のまま世界編が描かれ、世界編の終了後に『爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』に移行した。
余談になるが、モータースポーツとしてのミニ四駆の面が強まったためか、正史(原作・アニメ)では大神博士等といった世界を支配する系の典型的な悪役が一旦鳴りを潜めている。(ちょっとだけ作中の時期が被ってるが次作では再び登場している)
今期の悪役的存在としてはロッソストラーダがいるものの、作品全体からすればヒール役である。(アニメ版で沖田カイが準レギュラーで引き続き出ているが、他チームとはいえヒーロー側である)
ストーリー
世界中で爆発的なミニ四駆ブームが起こっているのをきっかけに、FIMA(国際ミニ四駆連盟)主催の第1回ミニ四駆世界グランプリ(WGP)が開催されることが決定。
それは今までの個人戦ではなく5人1チームで戦うリーグ戦で、日本からはSGJCで優秀な成績を収めた星馬烈、星馬豪、鷹羽リョウ、三国藤吉、Jの5人が選ばれ、TRFビクトリーズとして日本代表として出場する。
当初はアメリカが開催国と決まっていたが、NAアストロレンジャーズとTRFビクトリーズとのレース対決でリョウが3位に入ったことで、開催地はミニ四駆発祥の地である日本に決定し、世界の各地から選りすぐりの10チーム、計50人が参加。
豪達ビクトリーズは、世界の強豪相手に優勝できるのか……?
アニメ独自の要素
グランプリマシン
原作ではこれまで通りの通常のミニ四駆のままで、専用に開発されたチューンナップパーツを付ける程度であったが、アニメでは通常のミニ四駆とは全く違うトルク、スピードをもつモーターやそれに耐え得るボディを持ち、GPチップという人工知能を搭載した「グランプリマシン」と呼ばれる、普通のミニ四駆とは似て非なる専用のマシンが必要になる。
グランプリマシンの性能は通常のマシンとは相手にならないほど高く、グランプリマシンとしての改修が施されていなかったサイクロンマグナムは、グランプリマシンとして開発されたNAアストロレンジャーズのバックブレーダーに全く歯が立たなかった。後にその後、ビクトリーズメンバーに選ばれた5人は出場決定に合わせ、量産型ZMC「ZMCγ(ガンマ)」のボディとGPチップを搭載し、車体にチームロゴが刻印されたグランプリマシンに改造された。
GPチップ
先述の通りグランプリマシンには全て、GPチップと呼ばれる小型電子パーツが搭載されている。
GPチップには学習機能が搭載されており、自分自身のマシンの特性や路面の状態などを学習し、擬似ステアリングや加減速などによって、最適な走りが可能。
詳細は「GPチップ」の項目を参照。
勝敗について
その日のレースによって、勝敗の決め方は異なる。ルールによっては1位になっただけでは勝利にならない。また、レースによってはピットイン可能・不可能もあり、可能な場合でも交換が制限されることもある。
- ポイント制
最も多いレース。1位~5位までにポイントが与えられ、獲得したポイントの合計が多いチームの勝利。
1位→5ポイント 2位→4ポイント 3位→3ポイント 4位→2ポイント 5位→1ポイント
- リレーレース
リレー形式でレース。先にゴールした方の勝利。ファイナルステージはこれに近い形式。バトンタッチが行われる場合もあり、原作ではバッテリー、アニメではボディキャッチなどが使われた。
- 4トップレース
相手チームより先に自分のチームが4台ゴールした方の勝利。(豪は「4位になった者の勝利」と終盤まで勘違いしていた)
- タイム制
全員がスタートし、チームのトータルタイムの早い方の勝利。ただし、フライングすると1台につき5秒、リタイヤすると7秒のペナルティタイムが1台ずつ加算される。(例:1チームで2台フライングすると、そのチームに10秒加算される)
- 通常レース
1位になったマシンのチームが勝利。
原作との違い
- 「第一回WGPが日本で開催される」
- 「アメリカ、ドイツ、イタリアが強い」
- 「イタリアが不正を行う」
- 「イタリアによりマシンが壊され修復してビートマグナムを作る」
- 「ハマーDことハマー・デーヴィッド・グラントが小心者」
程度しか原作との共通点が無く、グランプリレーサーの大半はアニメオリジナルで、原作に登場したキャラクターでもデザインが異なったり、ミハエルのように性格・能力設定が異なる。
またアニメ向けに制服の色やデザインなどが変更されており、例えば原作のTRFビクトリーズの制服は実際のマシンレースのように、各レーサーごとにスポンサーロゴのようなマシンロゴなどが入っているが、アニメでは削除され、左胸にTRFビクトリーズのシンボルロゴがあるだけに留めている。
後継マシンに関しても、原作は尺の都合から劇中で出番があったのはビートマグナムのみ。バスターソニックとスピンバイパーの出番はWGP編の時期では描かれず、続編のMAX編冒頭でゴールするシーンと誕生秘話を書いた番外編のみでの登場となる。
プロトセイバーEVO.はアニメ版だとSGJC編からすでに登場しているが、原作ではWGP編が出自。ライジングトリガーに関してはそもそもMAX編がメインのマシンである。
最終回ではミニ四駆のローラーを模した優勝トロフィーに'97の文字があり、劇中の時世はWGPの放送時期と同じ1997年であることが示唆されている。
国際ミニ四駆連盟「FIMA」の扱い
WGPの主催者で、FIMAは「Fédération Internationale Mini-yonku Association」の略称。呼称は「フィマ」、「エフアイエムエー(37話)」。
原作ではFIMAの存在は開催時に鉄心が一言二言のみ言及するだけだが、アニメ版では岡田鉄心を名誉会長とし、WGP参加国からの役員が数度登場し、衛星カメラを使用するなど、かなり大規模な組織である事が描写されている。
なお原作では最初から日本開催だったが、アニメでは元々アメリカで開催される予定だったところを、岡田鉄心の一存により日本開催に変えさせた経緯が追加された。
組織の元ネタは、FIA(国際自動車連盟)とFIFA(フィファ、国際サッカー連盟)。ロゴマークはオリンピック五輪。
参加チーム
原作では日本、アメリカ、ドイツ、イタリア以外の国は登場しない(中国、ジャマイカは特別編1話だけで、北欧は名前のみの登場。ドイツも二軍は登場せず)。他の国はその他大勢の脇役として描かれ、何か国、どこの国が参加したのかは不明で、原作では各国リーダー以外ほとんど人物像がわからなかった。
しかしアニメでは全10か国、それぞれのチームの5人に細かな性格設定が成され、原作と性格やキャラクターも大きく異なることとなった。
そのため上述のように、世界グランプリの出場選手は一部を除いてほとんどはアニメオリジナルであり、『オールスターバトルMAX』『ハイパーヒート』『エターナルウィングス』『POWER WGP2』のゲーム作品やドラマCDにも活かされ、アニメでも知ることは困難だった出場選手全員の名前・顔・人柄などを知ることができる。
TRFビクトリーズ(日本代表) | NAアストロレンジャーズ(アメリカ代表) |
アイゼンヴォルフ(ドイツ代表) | ロッソストラーダ(イタリア代表) |
CCPシルバーフォックス(ロシア代表) | サバンナソルジャーズ(アフリカ代表) |
小四駆走行団光蠍(中国代表) | オーディンズ(北欧代表) |
ARブーメランズ(オーストラリア代表) | クールカリビアンズ(ジャマイカ代表) |
SFCゲーム、『POWER WGP2』のみ
第1回世界グランプリの10チームのうち、『WGP2』ではオーディンズとARブーメランズとクールカリビアンズの出場はなかった。
チームメンバーの名前や詳細などは各チームと人物の個別記事を参照のこと。
登場マシン
『POWER WGP2』
※は未キット化
アニメオープニング・エンディング曲
楽曲名(オープニング) | 歌手 | 備考 |
---|---|---|
GET THE WORLD | 影山ヒロノブ | レッツ&ゴーと聞くとこのOPを浮かべる人も多い。劇場版でもアレンジ版が使用された。またサウンドトラック集では星馬兄弟版も収録されている |
楽曲名(エンディング) | 歌手 | 備考 |
Grow up Potential 〜夢に向かって〜 | GANASIA | ED映像は2種類ある。 |
Tune-up Generation | 松宮麻衣子 | - |
We are the VICTORYS | ザ・ビクトリーズ | 映像内でTRFビクトリーズのマシンが走行しているコースは1997年ジャパンカップのコース。 |
今夜はイブ! | レッツゴーBOYS & GIRLS | GIRLSは佐上ジュン(演:西村ちなみ氏)と三国チイコ(演:矢島晶子氏)を指す。ED映像は2種類ある。後者ではハリケーンソニックがバスターソニックに、スピンコブラがスピンバイパーになっており、また放送当時はクリスマスが近かったのもあってか、背景にクリスマスツリーが追加されている |
各話リスト
※括弧内は無印から通算しての話数。
話数(通算話数) | サブタイトル |
---|---|
1(52) | ミニ四駆新時代 めざせ世界グランプリ! |
2(53) | TRFビクトリーズ誕生!WGP日本開幕! |
3(54) | GPマシン完成!リーダーはだれ? |
4(55) | 驚異のチームプレー!氷原から来た銀狐 |
5(56) | 打倒!バックブレーダー 猛特訓を乗り切れ |
6(57) | 激走!GPクロス 4位をねらえ! |
7(58) | ビクトリーズの危機!新監督たまみ先生?! |
8(59) | 番外対決 豪VSエッジ |
9(60) | 謎の覆面レーサー 俺達カッ飛びブッちぎり |
10(61) | 二郎丸参戦!アストロドームの戦い |
11(62) | 秘密兵器!衝撃!!パワーブースター |
12(63) | 春夏秋冬全開バトル 北国のリーダー |
13(64) | ジャングルを切り裂け!蘇るキラーマシン!! |
14(65) | 伝説のマシンを持った変な奴 |
15(66) | ビクトリーズVS光蠍 シャイニングスコーピオン参上! |
16(67) | 帰ってきた王者 輝け!グレートジャパンカップ |
17(68) | 嵐の中の大作戦!ニューモーターに賭けろ! |
18(69) | 子供の日大レース GPレーサー大集合 |
19(70) | 勝て!恐怖のデスマッチ ディオスパーダVSサイクロンマグナム |
20(71) | リズムに乗って突っ走れ!あつい国から来たレーサー |
21(72) | 燃えろ藤吉!スピンコブラの逆襲 |
22(73) | 決めるぜ、日本一!商店街で大レース!! |
23(74) | 先手必勝!スタート勝負!? |
24(75) | 選手は誰だ?開催!ドリームチャンスレース |
25(76) | ライバル勢ぞろい 白熱!ドリームチャンスレース |
26(77) | ゴール前の大逆転 決着!ドリームチャンスレース |
27(78) | 紅の閃光!ロッソストラーダの魔手!! |
28(79) | スリーリレーバトル!打倒!ディオスパーダ |
29(80) | 奴がリーダー?姿を見せた強敵! |
30(81) | 復活のレーサー |
31(82) | 決死のミニ四サバイバル! |
32(83) | 真夏の悪夢!でた!おばけ合宿 |
33(84) | ミニ四駆親子レース 速さの秘密はお父さん? |
34(85) | ビクトリーズ壊滅!!死闘タワーサーキット! |
35(86) | 誕生!友情のニューマシン!! |
36(87) | 五ヶ国対抗選抜レース!激走!ビートマグナム |
37(88) | 荒馬たちの挽歌 |
38(89) | めざせ大逆転 絶対不利をはね返せ! |
39(90) | 天才との対決!でるか必殺技 |
40(91) | バックブレーダーの厚い壁 |
41(92) | リーダーの責任 |
42(93) | 走れ!ダブルスピン |
43(94) | 邪悪な走行!EVOが変わる時 |
44(95) | よみがえれ烈! |
45(96) | めざせ決勝戦!フリーフォーメーションで突っ走れ! |
46(97) | ファイナルステージスタート! |
47(98) | 湾岸コースをぶっとばせ! |
48(99) | 波乱の第2ステージ!! |
49(100) | 勝者の条件! |
50(101) | 世界一へスタート |
51(102) | 栄光のゴールをめざして |
ゲーム作品
- ミニ四駆爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGPハイパーヒート(ハード:プレイステーション)
- ミニ四駆GB Let's&Go! オールスターバトルMAX(ゲームボーイ)
- 爆走兄弟レッツ&ゴー!! エターナルウィングス(プレイステーション)
- ミニ四駆レッツ&ゴー!! POWER WGP2(スーパーファミコン)
関連イラスト
関連タグ
爆転シュートベイブレード2002 - 同じくホビーもののベイブレードを題材にした漫画『爆転シュートベイブレード』を原作としたアニメ作品。本作と同様にテレビ東京とその系列局(TXN)にて月曜の夕方6時台前半に放送されたアニメの2作目。『レッツ&ゴー!!』のアニメとは、2作目が放送された年の夏場に映画(『爆転シュートベイブレード』では2002年に『激闘!!タカオVS大地』)が上映されたのも共通している。