ホリイ「こいつが、キリエル人の正体……?」
ヤズミ「いや……多分、体のサイズまでも、ウルトラマンティガに合わせて『変身』したんです」
ムナカタ「挑戦するために……!」
概要
炎魔戦士(えんませんし)の異名を持つ。
ウルトラマンティガに対抗するために変身した姿であり、劇中登場した2回とも、マドカ・ダイゴがティガに変身するのを見届けてから登場している。
しばしば勘違いされがちだが、あくまでもキリエル人の戦闘形態というだけで、彼らの真の姿ではない。
名前の由来は「主よ」を意味するラテン語「Kyrie(キリエ)」と「Humanoid(人型の)」の組み合わせと思われる。
キリエロイド
第3話「悪魔の預言」に登場。
泣いているような顔が特徴であり、戦闘時には「キリキリ~ッ」と『キン肉マン』に出てくる超人のような叫び声を発する。右腕には白く鋭い爪キリエルクローが伸びている。
GUTSがマイクロウェーブ波をポイント33交差点に打ち込んだことで企みを阻止され、イルマ隊長を間一髪の所で救い出したウルトラマンティガの前に出現。
素早い格闘能力でティガと互角の戦いを演じる。
一度は「ハンドスラッシュ」で怯まされ、ティガ・スカイタイプに圧倒されるも、獄炎弾ですぐさま巻き返し、ティガを敗北寸前にまで追い詰めたが、イルマ隊長の言葉で立ち上がったティガの「ティガ・フリーザー」で凍らされ、動きが止まった隙を突かれ「ゼペリオン光線」で倒された。
必殺技
- 獄炎放射
『大怪獣バトル』で使用。手から火炎を放つ。
『ティガ』で使用したのはモーション的にはこちらだと思われる。
- 獄炎弾
正拳突きの構えで二発火炎弾を放つ(『大怪獣バトル』での構え)。
『トリガー』では胸の前で両手を抱え込むようにして火炎弾を作り出し、そのまま突き出して放った。
トリガー&ティガのWデラシウム光流相手には二発同時に放って相殺し、スカイタイプ相当にタイプチェンジ後には空中から拡散して放つ、空中戦では追尾弾のように放つなど様々な使い方を見せた。
- コンビネーションキック
素早い動きで蹴りを数発放つ。
『大怪獣バトル』で使用。
- ドリルキックコンボ
足払い、中段蹴りで敵を浮かせ、タンブリングで急接近からのきりもみ回転キックでトドメ。
『ウルトラマンFER』で使用。
- 炎魔地獄
『破壊神の手翳』よろしく聖なる炎を空中に投げつけ、あたり一面を火炎地獄に変えた後、さらに複数の火柱を招来して敵を呑み込み、演舞のような構えと共に完全に焼き尽くす。
『ウルトラマンFER』で使用。
- 獄炎踵落とし
足に聖なる炎を纏い、敵に空中かかと落としを浴びせる。
『大怪獣バトル』で使用。
派生形態
各形態の詳細はリンク先を参照。
大怪獣バトル
大怪獣バトルNEO
TVシリーズ『ウルトラマンティガ』の世界からババルウ星人、テンペラー星人、マグマ星人を伴い、バトルナイザーを持つカネゴンを追って並行世界にやってきたが、グローザムに凍結させられ、第8話で漸く再登場し、ガタノゾーアの復活を目の当たりにする…。
大怪獣バトルウルトラコロシアム
レイオニクスバトラーとして登場。ブルトンを使役しており、レイオニクスバトルに勝ち残ってキリエル人の支配する宇宙に秩序を築く事が目的と相変わらずのキリエルっぷりを披露している。
ウルトラアドベンチャーNEO
ティガが活躍していた時期のネオフロンティアスペースからブルトンによって大怪獣バトルNEOの世界(詳細は後述)へ連れ去らわれてしまい、放浪を続けていた。
すべての宇宙を救済するべくバトルナイザーを入手しようとしており、テンペラー星人たちとともにバトルナイザーを持つカネゴンを狙い、次元の穴からアイのいる街に出現。バトルナイザーを受け取ったアイを付け狙う。
戦いの途中グローザムの槍で氷漬けにされたが自力で脱出し、その槍で胸を刺して一矢報いていこう因縁の相手となる。途中アイがいる世界がティガがガタノゾーアを倒して以降も消滅していないことをアイから聞かされ、自分が異世界にいるということを知るとそのまま姿を消し行方不明となった(トリガーに登場した個体との関連は不明)。
大怪獣ラッシュ
舞台であるプラズマギャラクシーにも宇宙人ハンターとして別個体が多数登場している。
しかし、この世界のプラズマ怪獣は遥かに巨大で並の怪獣の比ではない強さを持つので原作ほどの強さではない。
CGアニメ版ではテンペラー星人、ヒッポリト星人とチームを組むが、恐竜戦車マークⅡ相手には敵わずリタイア。
属性は炎以外にも土、メタル属性が充てがわれているが、ハンターアイテムは「キリエル火炎罠」、「キリエル火炎爆弾」、回復アイテムの「キリエルドリンク」と殆どが炎属性のもの。
トクギは原作にも登場した「聖なる炎」、怒りによって攻撃力に補正が乗る「キリエルの怒り」、対象を炎上させる首輪「ケルベロスチョーカー」の3つ。
必殺技は火炎を纏ったグレートソードを振り下ろす「超獄炎断」、ナックルから高威力の獄炎弾を放つ「超獄炎放射」、ハンドガンから獄炎と弾丸を同時に発射する「超獄炎爆裂弾」と格闘と手からの火炎で戦っていた原作の個体とは全く異なるイメージの技で戦う。
ウルトラマントリガー
第19話「救世主の資格」に登場。
スーツは新規造形。なお、これ以前にウルトラヒーローズEXPO2021サマーフェスティバルにスーツが展示されていたことから、登場を予想していたファンも一定数いたようである。
『ティガ』の怪獣が登場するのは第3話のガゾート以来であるがあっちは若干変化しての登場なので完全なオリジナルとしては初となる(第7話のデシモニア、特別編のデバンは除く…って除いてばっかりだな)。
ティガの世界に登場した個体と違い、キリエロイドⅡ同様に翼を生やしたスカイタイプ対応型へとタイプチェンジ出来る能力を持つ(パワータイプ対応型にチェンジできるかは不明)。
トリガーが闇の三巨人との戦闘を終えたところに出現。
先の戦闘で疲弊したトリガーを追い詰めるが、ミツクニの中の光とユナのユザレの力によって実体化したウルトラマンティガの登場によって形勢が逆転。
トリガーとティガのタイプチェンジを駆使したコンビネーションに次第に追い詰められていき、最後は2人のゼペリオン光線によって倒される。
ティガを知っている個体らしく、ティガが登場した際には予想外の出来事にたじろぐ姿を見せていた。その狼狽えっぷりは凄まじく、消耗していたトリガーがティガの元へ駆け寄るのを妨害する事すらままならないほどであった。
番外編
ウルトラマンM78劇場Love&Peace
第3話「ウルトラオーケストラ」ではサックスを担当。この世界ではウルトラマンと仲良く共存している模様。
ウルトラマンボーイのウルころ
今回はスーツではなく人形の姿で暗躍しており、霊体のレイビーク星人とフック星人をウルトラマンアグルに差し向けたが、アグルが念力を送って人形を消し去った事で霊体宇宙人も消滅した。
ゲーム作品
ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 新たなる二つの光
エピソード2「闇夜の中で」に登場。
目的が人類を支配し、世界を闇に塗り込め、自分たちがティガよりも優れている事を証明するという子供にも非常にわかりやすいものとなっている為、何処と無く小物臭が漂っている。
誤解のないよう言っておくが、彼らはあくまでガタノゾーアとは別の派閥に属する存在なのであって、決して闇の勢力ではない。
ウルトラマンFER
ウルトラモードepisode4「悪魔の逆襲」で登場。夜の市街地に出現し、ティガと戦っていたが、ティガの攻撃に怯むとどこかへ撤退していった…逃げたキリエロイドの行方を追ってティガが洞窟で見たものは…
本作限定の能力として手足に聖なる炎を纏って格闘を強化することが可能である。
漫画
ウルトラマン超闘士鎧伝
第3弾に登場予定だった「ハンター軍団」の一体で、こちらでの名称は「ハンターキリエロイド」。
右腕にガトリングを装備していて、このガトリングが合体戦士「アイアンシャドー」の右腕に装着されるという構想であった。
ウルトラマンゼロ&オールスターウルトラマン超絶!ウルトラリーグ
漫画版で登場し、ウルティメイトフォースゼロを相手にアパテーとゼルガノイドを率いて戦った。
DARLNESS HEELS ―Lili―
本作ではヒュース・アーディの部下となっている。ヒュースによって復活させられた戦士とのことで個体名は「サイロ」。
実は第1話からフース人に化けて登場しており、表向きは主人公:リリ・アーカイヴの所属する暴動鎮圧部隊の隊長として行動しつつ、裏でヒュースに対してリリに関する情報を逐一報告していた(これ以外にも、ベリアルのことを知っているかのような反応を見せたシーンもあり、事件の関係者である伏線自体は張られていた)。
第4話でジャグラスジャグラーがホーリーデモンズの頭部に埋め込まれていたリリの母親を破壊(殺害)しようとしたために、これを阻止すべく遂に正体を現し、ジャグラーと戦闘になる。
ジャグラーの蛇心剣を受け止め、背後を取って来たダークザギの攻撃を躱す優れた体術を見せた。
キリエロイドⅡの姿に変化することも可能で、光線技の一撃で多数の怪獣ロボットを破壊していることから、直接的な戦闘力も相当なものと推測される。さらに、一時的に他者の精神を自分の肉体に憑依させることも可能としており、劇中ではヒュースが彼を介してダークネスヒールズの面々と対話していた。
さらに、どうやらレイオニクスのようであり、所持しているバトルナイザーは第二覚醒したレイオニクスが持つ「ネオバトルナイザー」であり、なかなかの手練れと推測される。使役怪獣はゴルザとメルバの二体。
最終決戦でもジャグラスジャグラーとダークザギの2人を相手に(やや押され気味ではあったものの)互角の戦いを繰り広げるが、ホーリーデモンズが倒されたためにその場から撤退。
どさくさに紛れて手に入れた「力」をヒュースの研究所へと持ち帰ろうとするが、そこである人物の襲撃を受ける。
なお、キリエル人の過去のやり口を見る限り、今回も別の誰かの死体に憑依して部隊長に成りすましている可能性が考えられるが、真相は不明。
ライブステージ
ウルトラマンプレミアステージ2
アーマードダークネス入手を目論む宇宙人軍団の一体。ババルウ星人をメビウスに化けさせ、宇宙人少年ニコの憎しみを煽ったのはコイツの差し金であり、用済みと見なすとババルウ星人を殺害した卑劣漢。
彼を追ってきたティガと交戦し、ゼペリオン光線で致命傷を負うが、しぶとく生きており、他の宇宙人と同様にアーマードダークネスの贄となった。
ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンゼット
この作品ではバット星人配下としての登場。
同じく技巧派・スピードタイプであるウルトラマンフーマ、ミラーナイトと対決。
オリジナル同様に素早い格闘術を得意としているが、2体のスピードを捉えることは出来ず、シルバークロスと光波手裏剣を浴びて倒された。
TDG THE LIVE ウルトラマンティガ編 in 博品館劇場
黒ずくめの預言者に化けて登場。50万年の間人類の争いの歴史を見守っており、そんな人類を自分たちの手で管理しようと目論む。
「やがて門は開かれる。亡者達が蘇りし時、光は闇へと飲み込まれる。その輝きを失うであろう」という予言を残し、邪魔者となる光の戦士達を生贄に捧げてキリエル人の大群を呼び寄せよせるべく、手始めに地獄の門から再生怪獣軍団を復活させた。
「自分たちが人類を導く存在なのだから自分たちの行為は全て正しい」と思っており、ゼットを人質に取る卑怯な行為も辞さない。その真の目的は愚かなる人類を抹殺して世界を征服する事であり、ぶっちゃけ他の侵略者とそう変わらない。
5人の光の戦士が揃った事で追い詰められるも、ナイスがやらかした大ポカによって地獄の門から闇の力を得てパワーアップしてしまい、ティガとナイスは地獄の門の世界に迷い込んでしまう。
その後、地獄の門からティガとナイスが帰還、ティガのゼペリオン光線を受けて致命傷を負い、合体光線を受けてトドメを刺される。
また、本編ではキリエロイドⅡごと破壊された地獄の門の強度は増しており、ティガとナイスを助けようとしたゼロ、ゼット、ダイナ、ガイアの合体光線を受けて傷ひとつ負わなかったほど。それもそのはず、地獄の門は外側から破壊する事も閉じる事もできない仕掛けであり、内側から閉めるしか方法はなく、とある戦士によって門が閉じられてキリエロイドの計画は崩れ去る事となる。
立体化
『ウルトラ怪獣シリーズ』や『ウルトラ怪獣500シリーズ』などが代表的だが、『ティガモンスター超全集PART1』、『S.H.Figuarts』、『ULTRA-ACT』、『アルティメットルミナス』、『プラカプセル キャラエッグ ウルトラマンシリーズ』、『超動ウルトラマン6』と商品化の機会はティガ怪獣の中でもトップクラスであり、元祖・ティガのライバルとしてかなり人気が高いことがわかる。
余談
ティガの構成および登場回脚本を担当したのはクトゥルフ神話ネタで有名な小中千昭氏であり、氏自身により街の中に立つ黒い人影のイメージビジュアルがMacによる合成で描かれてる。しかし、本人はそのことを覚えていなかったという。
なお、一部のファンの間では、イスの大いなる種族がモデルとなっているのではないかと推測されている。 炎を操るという意味ではクトゥグアっぽい気もするが。
登場回「滅亡の予言」の撮影が急遽決まったために丸山浩氏は決定稿を含めデザインを2枚しか描いていないという。脚本にナイトシーンが多かったことから、小中氏のイメージに多少反発する形で、暗闇から白い部分がぼぉっと浮き上がるという意図からデザインし、そのダークヒーロー的な風貌でティガのライバルとしてふさわしい人気ウルトラ怪獣となった。デザインイメージは悪魔である。
キリエル人が街を爆破するシーンはその後のウルトラシリーズで度々流用されており、そのせいかファンからは『またキリエルの仕業か』、『ハイハイ、またキリエルキリエル』とネタにされている。
『ティガ』の怪獣としては最初にデザイン画が描かれた。デザインイメージは悪魔。また、シンメトリーにしないことも意識された。平成のバルタン星人を狙ったデザインのため、神秘的でかっこいい方向性でデザインされた。ディテールや頭部の形状はバルタン星人を意識したデザインで、上から見た図はV字型になっている。ナイトシーンが多かった初稿のため、闇夜に映えるように白を多くし、特撮監督の神澤からの要望で黒を多くしたものが決定稿となった。
ちなみにイベントなどでお馴染みの「ウルトラP」では特技が切り絵という設定で登場する。誰が呼んだか「切り絵ロイド」。
『トリガー』第19話の個体の飛行形態の翼は、当時のキリエロイドⅡの造形物を流用している。
また引き画の時はソフビを改造したものを使用している。
『トリガー』第19話で円谷プロは毎年新規で有名怪獣のスーツを作り直すプロジェクトが進行しており、その流れで『ティガ』のアニバーサリーイヤーであることから、キリエロイドが新造されることとなった。監督たちからはキリエロイドの登場を要望されていたが、ティガの客演回に取っていたことから使えないと説明していたという。
ちなみにTCG『バトルスピリッツ』ではロボットでもないのに系統は「冥主・"機人"」となっている。
侵略者だから冥主はわかるとしてなぜ機人が採用されたのかは謎であり、これは「炎魔戦士キリエロイドキリエロイドⅡ」(CB01-022)や『炎魔戦士キリエロイド【2】』(CB22-015)でも修正されていない。
「機人」のスピリットが多数所属する白属性の軽減シンボルがある以上、おそらく誤植ではないと思われるが…。
『全ウルトラマン大投票』ではストーリーの面から人気の高いキリエロイドⅡに票数が集まっており(36位)、通常のキリエロイドは第49位にランクインしている。