概要
(イラストは和風版)
クトゥグア(クトゥガ、Cthugha)は、火の属性をもつ旧支配者である。地球からは27光年離れたフォマルハウト近くのコルヴァズという小さい恒星の中に棲んでいる。地球に現れる時は巨大な生ける炎の姿をし、その中心には光の小球の集合体が見える。
創作者はオーガスト・ダーレス。
四大元素の設定も含め、力の強大さの設定などがダーレスの提唱するクトゥルフ神話とラヴクラフトのもので矛盾が起こる要因の一つでもある。
他の旧支配者が配下を持っているのと同様、配下に「火の精」と呼ぶ、触れたものを発火させる光の小球を従えている。
フォマルハウトに封じられた後、凍える炎アフーム=ザーを産み落とした。このアフーム=ザーは旧支配者を目覚めさせる役目を負っており、ルリム・シャイコースなどの『冷たきもの』たちの長でもある。
溶解している状態の原始の地球に降り立ち、地表が冷えてくると眷属と共に地球の中心に向かった。クトゥグアの住処に繋がる唯一の門は火山の中にあるかもしれないという。
旧支配者と旧神との戦争があったとする場合、この戦いにも参加した。クトゥグアはその戦いの最中に放射能(?)を浴び、永久的な狂気に陥った。
クトゥグアはナイアルラトホテップとは対立関係にあり、ナイアルラトホテップが地球上での拠点のひとつにしようとしたアメリカ・ウィスコンシン州リック湖のほとりのンガイ森に出現し、これを焼き払ったことがある。
ナイアルラトホテップだけではなく、その信奉者に対しても危害を加えている。逆に、これと争うものの召喚に応じて手助けをすることもあるが、地球上でもクトゥグアの信奉者が存在する形跡は乏しい。それだけ危険で近寄り難い神であるということだろう。
ナイアルラトホテップとの間にある種の敵意があり、彼らはどうやら地球に飛来する以前から対立しているらしい。
ナイアルラトホテップと対立していることや、同等の力を持つ神とされるヤマンソは外なる神であることから、クトゥグアも旧支配者の中では外なる神に近い力を持つ存在であることがわかる。
ただし、ダーレスはナイアルラトホテプなど神性をひっくるめて旧支配者と表現してしまうことが多かったため、ラヴクラフトの作品や他の作家の記述と矛盾してしまう部分がある。
誤って喚び出される危険なものたち、ヤマンソ
クトゥグアは呼び出す儀式が簡単であるが故に危険であり、失敗すると誤ったものを呼び出してしまい、手のつけられない事態に陥る。
化身の一つとして認識されている「生ける漆黒の炎」は周囲のものを焼き尽くすこと以外の思考を持たないため、召喚者は制御されない炎の力に晒されることになる。
ヤマンソという神は、普段は魔方陣を用いたクトゥグアの召喚時にクトゥグアの通り道となる外の次元に潜んでおり、地球へ至る道が開くとそこから出て来ようとする。
その為、魔方陣を用いたクトゥグアの召喚は速やかに行われなければならず、呪文を間違えたりして召喚に手間取っていると、ヤマンソが出現してクトウグアを召喚しようとしていた者を捕食(クトゥグアに殺されたとされている事件の幾つかは、実はヤマンソの仕業であると言われている)してしまう。
信仰
地球に最も早く降り立った旧支配者でありながら、信仰の形跡がほとんどない。それだけ近寄りがたく危険な神であるということのようだ。
スティギアの神官が信仰し、この崇拝はカルタゴ人の神であるメルカルトとモロクへの信仰と絡み合うことになった。
・ネスター・モベダン・モベド
6世紀のゾロアスター教の預言者。より正統な司祭達の不摂生をあざ笑い、荒野に旅立った。20年後かなりの数のカルトとなって故郷に戻り、黄金の党(ネスターの信者は寺院をこう呼んでいた)を焼き払おうとした。しかし、都市の守衛がネスターを殺し、信者の大部分も捉えられて殺された。
逃げ延びたカルトの生き残りはネスターの信者に当てた手紙を見つけ、インドネシアとロシアに移住した。彼らは現代までそこに住んでいる。
他の支部も生き延びていると言われているが、確認されてはいない。
呪文
クトゥグアを召喚するものはフォーマルハウトが地平線上にある時、この句を三回唱えなければならない。
・フングルイ ムグルウナフ クトゥグア ホマルハウト ウガア=グアア ナフル タグン! イア! クトゥグア!
関係性
封印された後生み出した神性であり、息子。
『冷たき炎』と呼ばれ、姿は親であるクトゥグアと同じく炎を纏っているものの、極低温を伴う灰色の炎である。
冷たきものの長であり、怖ろしきルリム・シャイコースすらも従える。
漏れ出た冷気がハイパーボリア大陸を凍り付かせた。
炎の精・フサッグァ
眷属。クトゥグア顕現に伴って現れることがある。
ヤマンソ(イォマグヌット)
クトゥグアを召喚する際に通り道となる別の次元に潜んでいる外なる神。
未知なる理由で人類の滅亡を望んでいるため隙あらば出てこようとしている。
クトゥグア召喚に手間取っていると誤って出てきてしまうものの一つ。
巨大な炎の塊の様なクトゥグアとは対照的にヤマンソの外見は小さく、3つの燃える花弁を中に持った炎の円の姿で現れる。
別名「外で容赦なく待つもの」「星々からの貪食者」
化身
・生ける漆黒の炎
クトゥグアの召喚に失敗し、代わりにその火の要素の一部が地球に呼び出された怖ろしい産物。クトゥグアから別れた極々限られた一部分だが、理性がない分人間にとってはクトゥグアそのものより危険。
七本の角を生やした頭部を持ち、とてつもない筋肉の塊が不定形の体の表面でうねっていると描写される。
唯一の思考と目的は周囲のすべてを焼き尽くすこと。
エイボンの書にて存在が言及されるも制御するすべは著者も知らなかったようだ。
他メディアの扱い
這いよれ!ニャル子さん
デモンベインシリーズ
アル・アジフの断片に記されている炎を司る旧支配者。
劇中では断片が実体化したページモンスターが登場。
魔力弾として撃ち出す以外にバルザイの偃月刀に炎を纏わせるといった使い方も出来る。
エドガーがマスターとなったアイオーンでは最大出力の呪文螺旋(スペル・ヘリクス)神銃形態にてロンドンをクレーターに変える威力を見せている。
自動拳銃「クトゥグア」はモーゼルミリタリーをベースとした黒と紅の大型自動拳銃であり、暴君ネロ(エンネア)から手に入れる。
炎の神の洗礼を受けた.50AEベースの.50口径弾The minions of Cthughaを使用。
イブン・ガズイの粉薬が混入された弾薬の使用も可能。
この銃を手に入れる以前はアイオーンでは魔法使いの杖型の砲や対霊狙撃砲、バルザイの偃月刀などを用いて使用し、デモンベインでは覇道財閥がデモンベイン用呪術兵装としてルガーP08をモチーフに作成した銃を作成・使用したが、クトゥグアの制御には失敗している。
パズル&ドラゴンズ
2017年4月30日にヨグ=ソトースと共に実装された、火属性悪魔タイプのモンスター。
初期レアリティは☆5。
属性に依存しないリーダースキルが魅力で、HP50%以上確保、かつ7コンボ以上で最大7.5倍の火力を気軽に出すことができる。
ダメージをある程度防ぐことができるのも長所。
ただし、同期のヨグ=ソトースとは違って回復力の倍率がなく、ダメージを受けすぎると大きく弱体化する欠点を持つ。
スキル『降り立つ狂気』の効果は、1ターンの間2コンボ加算+自分以外の味方スキルを2ターン溜める。コンボ吸収持ちの敵への対策に。
2018年9月28日に二通りの究極進化が実装された。
火はバインド耐性が追加されよりリーダー向けに、火光は覚醒スキルが充実した。
とくに火光クトゥグアは10コンボ攻撃強化、追撃覚醒スキルとかなり攻撃的な性能になっており、元が☆5とは思えない火力を叩き出すようになった。
回復ドロップ5つを縦に積みさえすれば根性持ちの敵を確実に始末できるのも大きな強みである。
偽典・女神転生
種族邪神の仲魔として登場。なお、本作にはアザトート名義でアザトースも出てくるがどういうわけか彼を差し置いて種族最上位に位置している。またクトゥルフ神話出典の悪魔であるこの二柱とイトハカは偽典ではフォーモリア神族に属しており一見無関係に思えるが、偽典発売の5年前にフォーモリアの神々をクトゥルフの邪神の一種として扱った小説ダオイネ・ドムハインが発表されておりそこが由来の可能性がある。
Fate/GrandOrder
本作に登場するフォーリナークラスのサーヴァントは、大部分がクトゥルフ神話の神性をその身に宿しており、クトゥグアは楊貴妃に宿っている。なお、これらは明言されているわけではないが、その発端となった章の内容、及び各サーヴァントの演出等から確定的である。