概要
諸星大二郎が執筆する短編漫画シリーズの総称。
1974年に第一作「黒い探究者」が週刊少年ジャンプに連載され、現在もウルトラジャンプ誌などで不定期に作品が発表されている。
異端の考古学者、稗田礼二郎の活躍を描いた伝奇ロマン。日本各地の様々な場所をフィールドワークに訪れ、その地の歴史の裏側に隠された超次元的・超自然的な神秘を解き明かすという物語。ほぼ一話完結であるが、一つの大きなテーマが複数のエピソードを重ねて語られることもある。
初期エピソード「生命の木」作中の「おらと一緒にぱらいそさ行くだ!」というセリフは、ファンの間ではあまりにも有名。
『妖怪ハンター』という題名は週刊少年ジャンプ連載時における担当編集者の命名である。打ち合わせで諸星が提案した『妖怪狩り』という仮題を受け、カタカナを使った方が読者の目を引くという理由で「ハンター」に変更した。
しかし、作中で所謂「妖怪」が登場する話は少なく、登場した場合においても主人公の稗田礼二郎がそれをハンターとして捕獲したり退治したりする訳ではない。
諸星自身はこの題名が気に入らなかったことを単行本でコメントしており、後年に雑誌で発表された作品の多くは『稗田礼二郎シリーズ』『稗田礼二郎のフィールド・ノートより』『稗田のモノ語り』などと言った別のシリーズタイトルがつけられているが、単行本や文庫でそれらが纏められる場合は『妖怪ハンター』のタイトルが冠せられることが多い。
『ナイトランド・クォータリー Vol.12』のインタビューで、諸星は担当の提案で変更したのは事実だが自身が気に入らないと語ったという風評はデマだと否定している。
ちなみに諸星の作品である栞と紙魚子シリーズでは、セルフパロディで「妖怪ハンター」というタームが登場している。
映画版
「黒い探究者」は塚本晋也監督の手で『ヒルコ/妖怪ハンター』として映画化され、1991年5月11日に公開された。本作では沢田研二が稗田を演じている為、公開以降に執筆された漫画の作中では「先生ってジュリーに似てる」と生徒に噂されるシーンがある。
また、「生命の木」も『奇談』として映画化され、2005年11月19日に公開された。こちらでは阿部寛が稗田を演じている。
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井上淳哉(リメイク作『妖怪HUNTER〜闇の客人〜』の作画担当)