概要
『ネムキ』『ミステリーズ!』において諸星大二郎が連載した、作品である。
『グリム童話』などから材を取り、換骨奪胎し、諸星独自の解釈を加え、アレンジしたものである。その為、原作を大きく離れ、SFになったり、ホラーになったり、執筆中童話のような事件が起きたのでそれをほのめかす演出が入ったり、したものとなっている。
なお『ラプンツェル』は、2回たたき台にして別の話を作っている。
話は一応『ネムキ』掲載作品が『トゥルーデおばさん』、『ミステリーズ!』掲載作品が『スノウホワイト』に収められている。『スノウホワイト』の方では、話の後に、源話のあらすじと、それをどうアレンジしたか、の解説が入っている。また、『ネムキ』2011年7月号に『悪魔の煤けた相棒』、2012年3月号に『シンデレラの沓』が掲載されている。ただ、これは前後して中国の古典や、日本の昔話をモデルにした話を発表しているため、『グリムのような~』ではなく(しいて言えば卓袱料理の別名で「和華蘭」というのがあるのでそのような「わからん」シリーズだそうである)別の話として『瓜子姫の夜・シンデレラの朝』という形でまとめられている。
各話
『トゥルーデおばさん』所収 『ネムキ』掲載分
『Gの日記』(2002年4月号増刊)元は『ヘンゼルとグレーテル』から。
『トゥルーデおばさん』(2004年5・7月号) の原話は魔女狩りがモデルなのではという説に基づいたもの。青い男、黒い男、赤い男に関する描写が付く。なお「トゥルーデおばさん=魔女説」はもともとある。
『夏の庭と冬の庭』(2004年9月号) 魔法がとける話。
『赤ずきん』 (2004年11月号)なお本作の赤ずきんは「赤いKappe」の方。
『鉄のハインリヒ または蛙の王様』(2005年7月号) 一応『かえるの王さま』に取材している。
『いばら姫』(2005年9月号)ホラー系
『ブレーメンの楽隊』(2005年11月号) ブレーメンの音楽隊にやられる皆さんの話
『ラプンツェル』(2005年1・3・5月号)一応SF系 作者によれば「少女の心の話」
『スノウホワイト』所収 『ミステリーズ!』掲載分
『七匹の子ヤギ』(2003年1号) 一応『狼と七匹の子ヤギ』をSF風にしたもの。
『奇妙なおよばれ』(2003年2号) 原典は初版のみに収録。『名付け親さん(KHM42)』とのいろいろが類似しているので後にカットされた(ただ、グリム兄弟は『名付け親さん』の方も話が途中で切れていると指摘している)。
『漁師とおかみさんの話』(2003年3号) 源話の、視点を変えてみたもの。
『スノウホワイト』(2004年4号)『白雪姫』をアレンジしたもの。
『小ねずみと小鳥と焼きソーセージ』(2004年5号)がそれぞれの仕事をしていると。
『ラプンツェル』(2004年7号) 一応「べたなSF」系
『コルベス様』(2005年9号) なおこの話は原作に基づいているが、a各グリム童話の、これの解説で「コルベス様は邪悪な人の名前」と解説がつきbグリム兄弟が、この話と、ここに登場するようなパーティが、宿で鬼畜なことをする『ならず者』という話との類似点を指摘している。
『めんどりはなぜ死んだか』(2005年11号)法廷もの
『カラバ侯爵』(2005年13号) 『長靴をはいた猫』はペローの話とか、本の中で言及あるから。なお『グリム』版では主人公は「伯爵」になる(名前無かった)。
『藁と炭とそら豆』(2006年17号)ミステリ仕立て
『とりかえっ子の話』(2006年15号)笑わなかった取り替え子の話
『金の鍵』(2006年単行本発行時の書下ろし)原典にある最終話を作者本人が行うもの。