概要
諸星大二郎による短編漫画およびその主人公の名前。アフリカ南部のカラハリ砂漠を舞台に、ブッシュマンの猟師「ダオナン」とブピという奇妙な「精霊」の出会いが描かれる。
『諸星大二郎特選集第3集 遠い世界』、集英社文庫版『マッドメン』2巻、などに収録されている。
ブッシュマンは南アフリカに住むコイサン語族の一つ。主にカラハリ砂漠で狩猟採集生活を営む民族であり、自らはサンと呼称する。
ツァ犬やダオナンは困惑したの画像ネタとしてネット上で使用されている。
あらすじ
ブッシュマンの青年ダオナンが狩りの途中、墜落したUFOから這い出したブピと出会う。
ダオナンは自分が狩ったカモシカの肉を与え、ブピはキャンプへ帰るダオナンに同行する。言葉も通じない2人だが次第に心を通わす。
2人はハンティングに来たと思しき白人たちの車に出くわし、白人をこころよく思わないダオナンは隠れるが、ブピは近づいていき白人に射殺されてしまった。
時は流れ、岩壁画の前でブッシュマンの古老がダオナンとプピの物語を子供たちに語っている。
ダオナンは精霊にカモシカの肉を与えたのでふたりは友達になり
白人は鉄砲の火を与えたので精霊は死んだ
だからブッシュマンは互いに肉を与え合い
白人は鉄砲の火を与え合うのだ
登場人物
ダオナン
サンの猟師。
例年にない厳しい乾季が襲う中、一人でカモシカ狩りの追跡中に円盤から這い出した奇妙な「精霊」ブピと出会う。餓死と隣り合わせのブッシュマンの社会では獲物を等分に分配するのが鉄則であり、その姿と不可解な行動に困惑しつつも、ブピにカモシカの肉を分け与える。
彼にとってはブピも白人も何を考えているかわからない存在である。
ブピ
地球外生物。
アフリカ南部に墜落した円盤から這い出してきた小さな異形。その正体はおそらく宇宙人。ダオナンとコミュニケーションの擦れ違いを繰り返しつつ砂漠をさまよい、二人は友達となるが、醜い姿に驚いた白人に射殺される。
犬ではなく砂漠のハイエナ。水を求めてダオナンたちにつきまとい、「ツァ」という鳴き声を上げる。ツァとはダオナンたちの言葉で「水」を意味する。