DATA
種別 | 地球原人 |
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身長 | 170cm |
体重 | 70kg |
演 | 町田勝紀(真市) |
概要
第42話「ノンマルトの使者」に登場。
地球の先住者を自称するヒューマノイド型の知的生命体である。首から上は青白い皺状の表皮が確認できるが首から下は潜水服のような質感であり、これが衣服に相当するものか体表組織であるのかは不明。ガイロスという蛸のような怪獣を戦力として保有している。
過去、現住の人類に海底に追いやられそこで暮らしていたらしいが、本来の地球の住民は自分達であり、人間達は侵略者であると主張していた。
活躍
作中で人類が海底開発に着手したことにより、再び住処を脅かされたとしてモロボシ・ダンの前に真市という謎の少年を介して自分達の主張を伝達する。
素性もわからない子供の発言が重視される筈もないのだが、案の定子供のイタズラと聞き流されるや怪獣ガイロスを使っての示威行動と、強奪した原子力潜水艦グローリア号を用いての地上(軍事施設がありそうもない漁港)への直接攻撃を実行する。
ウルトラセブンとウルトラ警備隊は人類を守るため、ノンマルトと、そして彼らの操る怪獣ガイロスと戦うのだった。
結局、セブンやウルトラ警備隊の奮戦によりガイロスは倒され、ノンマルトも海底都市を破壊されて壊滅状態に陥った。しかし、その一方でノンマルトの主張を覆すような具体的な根拠は見つかる事もなく、またそれを見つけ出すのは、今の人類には最早限りなく不可能に近かった。
謎
セブンの故郷M78星雲においては、地球人を「ノンマルト」と呼んでいたため、過去にM78星雲の人々とも何らかの接点があった可能性が暗示されている。これだけが、対宇宙的にノンマルトが先住民であったかもしれない事を匂わせる唯一の事柄であるが、それとて完全な確証と言えるほどではない。
現生人類こそがM78星雲人に『ノンマルト』と呼ばれる存在であり、ガイロスを仕向けて来た『ノンマルト』が『ノンマルト』の名を騙る侵略者の線も十分に考えられるのである。
御存知の通り地球防衛軍/ウルトラ警備隊の監視網は地下や海底には行き届いておらず、それらは絶好の潜伏先として機能し、実際に劇中では複数の異星人の勢力が潜伏先としてこれを利用している。
そして、作中の描写を現実にあてはめて考えるとノンマルト(を名乗る勢力)側の行動には問題しかない。
- 適切な経路での情報伝達を行っていない/適切な外交プロトコルを踏まえない行動(一般回線で電話(!?))
- 社会通念上、重要な要件には対面して身分を明かしての伝達が基本。電話口のみというのはまずあり得ない。
- 真の姿を出さずわざわざ地球人の子供の姿で現れる
- ペガッサ星人などは誰が見ても宇宙人なので発言に信憑性があった。また地球防衛軍自体が宇宙人やそれに類する存在に排他的・攻撃的でもなかった。サイダーまで飲ませていた。
- 脅迫めいた内容をほのめかす
- 古今、脅迫やテロリズムに対しては先方の主張を聞かないこと、受諾しないことはこの上ない対策として確立している。こうした脅迫的言動を発せられてしまえば、防衛軍側としても耳を貸さない態勢に移行してしまうのも当然であろう。
- あまりにも早い対話路線の放棄
- 無通告での武力行使・シーホース号及び海底牧場施設の破壊、乗員、職員の殺害
- 人類の兵器である潜水艦を強奪、これを用いての民間施設への攻撃。
- この時点で正体がなんにせよ、人類側からは侵略者と実質的に等しい勢力と認識され、自らの行動でそれを確定させてしまった。
- 怪獣という兵器に相当し脅威となる物品の持ち込み・運用
- 反撃が容易に想像される武装組織(地球防衛軍)への敵対行動
- そもそもが単なる生存競争の結果に淘汰されただけでは?
そして、最大の問題が
- これしきのことに対応出来ないなら、または目的達成のための手段があまりにもお粗末・悪手であることに気づけないのなら、よしんば現生人類を排除したとしても遅かれ早かれ他の宇宙人にも侵略されていただろう、と思われる事である。
地球侵略を目論む宇宙人は基本的に地球そのものを狙っており、そこに住む人類のことなどはまず眼中に無い場合が多い。ノンマルトとしては『海底は侵略されないだろう』とでも思っているのかもしれないがあまりにも楽観視し過ぎと言う他無い。
が、ともあれ大きな謎を残したままエピソードは終了する。
ノンマルトが本当に地球の先住民だったのか、真に侵略者であったのはどちらだったのか。
その後の作品での登場
平成ウルトラセブン
身長 | 1.6m |
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体重 | 43kg |
演 | 渡辺典子 |
ウルトラセブン1999最終章6部作の第6話(最終回)「わたしは地球人」に人間の女性の姿で登場(本来の姿では登場しない)。基本的に本編のエピソードから地続きの物語であり、今作では本当に先発の地球人類であったという説を採用している。
劇中では、人類がノンマルトを攻撃し侵略した存在であるという事実を人間側(それも地球防衛軍)が既に確認しており、なおかつこれを隠匿していたことが判明する。つまり、平成セブンの世界においては、ノンマルトの主張は真実であり、人類は本当に侵略者だったのである。
ノンマルトはこの証拠が収められたオメガファイルの公開を求め、守護神獣ザバンギを用いて、怪獣という武力での脅迫行動を行う。
しかしこれは実際には脅迫だけではなく、宇宙に散り散りに逃げていったかつての同胞達を受け入れる余地を作るという、地球人を絶滅させるための民族浄化めいた事前行動も兼ねていた。
一連の言動は建前であったのか、オメガファイルの公開を求めていたにもかかわらず、原生地球人側がオメガファイルを発信した証拠をもみ消すため、アンテナの破壊の指示を下す。
だが、最早地球人を愛してしまっていたセブンは、地球人が侵略者であったことを知ってもなお、地球人に力を貸そうとした(これはノンマルト側が復讐のための復讐を許さないという宇宙の掟を破った為でもある)。更にセブンとウルトラ警備隊は他惑星攻撃作戦であるフレンドシップ計画を行うほどに腐敗していた現在の防衛軍上層部の卑劣な隠蔽に反抗し、あえて地球の未来の為にオメガファイルの公開を強行した。
これの前にノンマルトは敗北し自らもまた宇宙へと消えるが、セブンの一連の行動を認める宇宙文明は一切なく、故郷ですらも彼を侵略者に加担した大罪人と見なした。
結果として彼は、馬の首暗黒星雲に監禁されることになってしまった。決まりごとに従う正直者が損をした形であるが、地球人はオメガファイルの公開によって反省の意志を示した事で救われ、宇宙との不可侵条約が結ばれる事になった。
- 『EVOLUTION』5部作に登場するアカシックレコードの記述、そして前述の最終章のノンマルトの一部の言動から本当に彼らが地球の先住民かどうかは疑わしく、「ノンマルト」に化けた別の侵略者だという説もある。
- アカシックレコードに記録されているのは、あくまで地球で誕生した動物や植物などの種の繁栄と滅亡までしか記録されていないため、ノンマルトと現人類がとって代わられること、通常の生物同士の生存競争との差異が何処にあるのかはアカシックレコードに記されていない。『地球人類』というポジションに現人類とノンマルトのどちらが収まっているかは、アカシックレコードから見たら問題ではないと思われるため、たとえ『ノンマルト』側の主張に合致していたとしても、現住の地球人類に非は無いように思えるのだが…。
- 小説版『ウルトラセブン Episode:0』でも登場。こちらでは若いころのアンヌの姿と記憶をコピーしている。。
- 媒体の特性を活かし、ダン、アンヌ共にビデオ版と違い若いころの姿のまま登場。
- セブン=ダンが自分の前から去って行ったあとのアンヌの心と、現人類に地球を奪われた憎しみが混ざってしまったことで、ダンに対する愛憎を抱き、ザバンギに自分もろともセブンを焼き尽くすように命令、ザバンギの攻撃で自ら命を絶ってしまう。
- また、両媒体では現人類がかつてどこの星の知的生命体で、なぜ地球侵略に踏み切ったのか、その理由は明かされることはなかった。何かしらやむを得ない理由で侵略せざるを得なかったのか、それとも従来の侵略星人のように悪意を持って侵略した結果なのかは結局明かされていない。
ウルトラマンM730 ウルトラマンランド
テレビ東京で放送された人形劇『ウルトラマンM730 ウルトラマンランド』では歌手のノンマサトとして登場。
海の怪獣で構成されたバンド『ザ・シーモンズ』のボーカル。アフロのカツラに眼鏡という、どこかで見たような格好が特徴。
ウルトラ忍法帖
『超(ウルトラ)』では刑事ドラマ風の番外編に呑丸人(のん・まると)という名前で登場。
犯人吸羅曽征二(きゅらそ・せいじ)の子分であり、宅配業者に化けて人をショック死させるびっくり箱を被害者の家に届けていた。
『輝(フラッシュ)』では三流亭呑丸斗としてタクワン超人コンテストの司会進行を担当した(名前からして本職は落語家だろうか?)。
ウルトラ怪獣散歩
第31話、第32話にてにせウルトラマンと共にゲスト出演し、メフィラス星人と一緒に沖縄に訪れた。
北谷町町長の野国昌春氏より特製の島ぞうりをプレゼントされたのだが、あろうことかぞうりにノンマルト星人と書かれてしまっていたので大声で抗議した(ノンマルトも他の宇宙人から見たら異星人(地球人)であるのである意味間違ってはいない…のかも。というか何気にノンマルトが実は異星人であるという疑惑が高まったような気もしなくはない)。
一同のツッコミ役ではあるが、立ち寄った場所で「元祖」や「本家」という言葉を見るや「元々何処かに元祖があって、後から乗っ取ったんじゃないか」と突っかかってくる非常に面倒な性格。
スーツがダイバースーツに近いためか、ホテルのプールで泳ぐこともできた。
ウルトラ警備隊モンスターアタック
『ウルトラマン』とのクロスオーバーとして、現地球人に追いやられた先住民たちが地底と海底に分かれ、それぞれ凶悪地底怪人地底人とノンマルトになった事になっている。
このゲームにガイロスが登場しない代わりに、6体のタッコングとシーモンス、シーゴラスを送り込んで科特隊とウルトラ警備隊と戦った。
ウルトラマン超闘士激伝
どこかの惑星の海底都市で暮らしていたが、エンペラ星人のメタルモンス襲撃に逃げ惑っていた。
酩酊!怪獣酒場2nd
第57話でガイロスと共に登場。会社に居場所がないというサラリーマンの愚痴に共感し、自分も地球という「居場所」を奪われたと語る。現生人類であるサラリーマンに特に恨み節を言うわけでもない辺り、比較的良心的な個体なのではないかと思われる。
余談
- この回の脚本を担当した金城哲夫が沖縄出身の為、彼の沖縄植民地時代の体験が下地になっているという見解もあるが、関係者は否定している。
- 実際は、酒の席で出た「もし人類以外に地球の先住民がいたら」という話をヒントに書かれたらしい。
- 名前の由来はNot(否定)+マルス(ローマ神話の戦争の神)。
- ノンマルトが奪取した原子力潜水艦グローリア号のコクピットセットは『マイティジャック』の敵組織Qの戦闘メカの内部コクピットセットが使用されている。
- 『ウルトラマンオーブ』でクレナイ・ガイを演じた石黒英雄はノンマルトの話をやりたがっているらしいが、監督の田口清隆は「あれは誰もが手を出しづらい」との事。
関連イラスト
関連タグ
キリヤマ隊長:ノンマルトの海底都市を破壊した際の台詞「我々の勝利だ!海底も我々人間のものだ!」があまりにも有名。これじゃ本当に地球人側が侵略者みたいだとよくネタにされる。
ウルトラシリーズ
オリオン星人:「ウルトラマンA」に登場した古代超獣スフィンクスを操る宇宙人。約1億3千万年前に地球を植民地にしていたが、突然の洪水によりピラミッドに避難して地下で眠りについていた。母星の指示を受けて活動を再開し、地球の奪還を図る。
地底文明デロス:「ウルトラマンマックス」に登場したノンマルトのオマージュ。
メンシュハイト:「ウルトラマンネオス」に登場した宇宙で進化した種族。ノンマルトと対照的にこちらは(異形の存在であるにもかかわらず)ドイツ語で『人類』という意味の名を名乗っている。なお、作中には現地球人の由来に疑問を投げかけるエピソードも存在しており、もしノンマルトやデロスと彼の双方が同じ世界に居たと考えた場合、とても恐ろしい仮説が成り立ってしまう状態である。
ビクトリアン:「ウルトラマンギンガS」の地底人で、この連中は同胞同士で内戦が起こり、敗北した一派を異次元へ追放してその記録を隠蔽・抹消していると言うノンマルトと人類の関係に似たような事が起きていた。
他作品
宇宙海賊デスカル:宇宙海賊なのだが実は本当は太古の地球人で他の惑星からの侵略で地球を追われる身となったと言う点がノンマルトと同じである。
テイルズオブレジェンディア:かつて、人類は水の中で生きる『水の民』と主人公たち『陸の民』の二つに分かれていた。水の民は元々世界の先住民だが、はるか昔主人公たちの祖先『陸の民』が宇宙船に乗って飛来し陸を作り上げた他、水の民を虐殺・利用するなど、セブンにおける「地球人とノンマルトの関係」と深く共通点がある。また、その事実は主人公たちの時代では水の民以外知られていなかった。
銀河漂流バイファム:こちらは地球人が虐殺を行ったとされている作品
テオティ:同じく地球の原住種族。こちらはきちんと先住していた証拠がある。
ドルイドン族:こちらも地球の先住民族で劇中では地球の奪還をしようとしている。だが終盤では敵対関係にある
主人公サイドの民族もドルイドンの創造主によって生み出された事と両者がそれに背いた事実が判明した。
エイリアン(東京ミュウミュウ):こちらも地球原住民族で現世人類から地球を奪還しようとしている。こちらは和解した。