概要
横山光輝作の漫画『鉄人28号』を原作とするテレビアニメ。同作4回目のアニメ化にあたる作品で、2004年4月7日から9月29日にテレビ東京で放送された。全26話。
監督は『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』の今川泰宏。監督の名前から「今川鉄人」と呼ばれる事が多い。
『鉄人28号』が掲載された昭和30年代を舞台に、「もはや戦後ではない」と言われた当時の日本で実際に起こった事件や出来事をモチーフとして積極的に取り入れ、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しているのが特徴。
登場人物やロボットのデザインは原作のイメージを重視しているが、ストーリーにはアニメオリジナル要素が多く追加されておりロボット活劇は少なめ。戦時中の記憶を持たない少年である金田正太郎が、鉄人も含めた太平洋戦争の残した負の遺産の数々に直面するヒューマンドラマが重視されている(これは予算不足でロボットを出しづらいという都合もあったらしい)。
そのため監督の過去作である『真ゲッターロボ 世界最後の日』や『ジャイアントロボ』と比べてぶっ飛んだ描写は少なく、後半からはかなり暗く重い展開が多くなる。特にクライマックスの「鉄人が溶鉱炉で溶かされる」という悲痛な結末は横山氏が当初想定していた「鉄人が悪役として葬られる」際のものを基にしている。
なお、放送中に横山氏が急逝したため途中から追悼文が掲載されるようになった。
2007年にはパラレルワールドを描いた劇場映画『鉄人28号 白昼の残月』が公開された。
登場人物
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1回 | 蘇る正太郎 |
第2回 | 28号対27号 |
第3回 | 怪ロボット現る |
第4回 | もうひとつの鉄人計画 |
第5回 | 鉄人対ブラックオックス |
第6回 | 奪われた操縦機 |
第7回 | 悪の手先鉄人暴れる |
第8回 | 鉄人28号奪回作戦 |
第9回 | 宇宙ロケット殺人事件 |
第10回 | 謎の超人間ケリー |
第11回 | 超人間ケリーの最後 |
第12回 | ブラック博士の憂鬱 |
第13回 | 光る物体 |
第14回 | 怪盗ブラックマスク |
第15回 | 不乱拳の弟子たち |
第16回 | 京都燃ゆ |
第17回 | 黒龍丸事件 |
第18回 | 正太郎、一人… |
第19回 | ニコポンスキーとの対決 |
第20回 | まだら岩の怪人 |
第21回 | PX団の陰謀 |
第22回 | 暴走の果てに… |
第23回 | 裁かれる鉄人 |
第24回 | 生きていた敷島 |
第25回 | 黒部の危機 |
第26回 | 罪と罰 |
ゲーム版
2004年にサンドロットが制作、バンダイが発売したプレイステーション2版『鉄人28号』は本作のタイアップ作品であり、担当声優も共通している(2004年版オリジナルキャラクターである高見沢秘書も登場している)。
ただし、ストーリーは「世界征服を企む悪の組織X団との戦い」という単純なもので、各ステージごとのエピソードも本アニメより原作漫画に近いものが多い。
ゲーム的にはサンドロットの前作『リモートコントロールダンディ』や『ギガンティックドライブ』と同様、「広大な3DMAPを舞台に自在にロボットを操れる」点が特長。また、「昭和30年代を意識した街並みを破壊し尽くすことも可能」「国会議事堂を放り投げてもお咎め無し」という圧倒的な自由度の高さ、狂った世界観からバカゲーとしても知られている。
フィギュア
当時にスポンサーの江崎グリコから、「タイムスリップグリコ鉄人28号編」が発売された。4種類のアクションフィギュアと5種類のジオラマがおまけとしてついた食玩だった。
造形は海洋堂。放送に合わせているため、劇中のシチュエーションを再現したものが多い。鉄人はフルポーザブル仕様と、一話に登場した包帯に巻かれた仕様の二種類が出ている。
海洋堂は後に、鉄人及びブラックオックスを、リボルテックシリーズから発売している。