概要
横山光輝の漫画作品『鉄人28号』(及びその派生作品群)の主要登場人物の一人。
主人公である少年探偵・金田正太郎と行動をともにすることが多く、協力者的あるいは支援者的位置付けにある。
正太郎少年のもう一人の協力者として敷島博士がおり、3人はトリオで活動する機会が多い。
カイゼル髭を生やしており、基本的に警察官の官帽を被っている、原作漫画およびアニメ第1作目などに見られる基本的キャラクター設定では、高身長ではなく横幅の広いガッチリとした体形の中年男性といった感じの風体であり、高身長でスラリとした体形をしているいかにもインテリといった感じの敷島博士とは対照的。
敷島博士・大塚署長・正太郎少年の三人組は、古典的な役割とビジュアルを具えたトリオを形成している。
人望があって正義感も強い有能な警察官ではあるが、推理力では正太郎に及ばない。
コミカルな言動で周囲を和ませるムードメーカーでもある。
加代子という美しい妻がいる既婚者で、子供はいない。
正太郎にとっての大塚は親戚のおじさんみたいなもので、大塚のほうも正太郎のことを実の息子のように大切に思っている。
初期には「署長」としか呼ばれていなかった。「大塚」という名字は後付けされたもので、その名は漫画『鉄人28号』を掲載していた月刊少年漫画雑誌『少年』の発行元である光文社(東京都文京区音羽二丁目所在)の隣に当時も今もある「大塚警察署」(音羽一丁目所在)に由来する。
『太陽の使者 鉄人28号』での署長
元は所轄署の警部だったが、正太郎の協力者だったため後にインターポール捜査官となった。
原作よりややハンサムで、生身での戦闘力も高い。
アニメ二作目にして初めて大塚茂(おおつかしげる)という名前がつけられた。
『六神合体ゴッドマーズ』での署長
コスモクラッシャー隊を率いる防衛隊長官。明神タケルを始めとする若き隊員を見守る
父親的存在であり、タケルの育ての親である明神博士の親友でもある。
キャラデザも声優も太陽の使者版と同じであり、いわゆるスターシステムの扱い。
放送当時のアニメ雑誌では「太陽の使者」の大塚所長がロボットマフィアと宇宙魔王を倒した功績で出世した未来の姿と書かれていた。『スーパーロボット大戦Z』シリーズでもこちらの設定が流用されており、『第二次~』では国連平和理事会の幹部に着任しコスモクラッシャー隊(他のロボットアニメのヒーローたちも所属)を率いて戦う。
『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-』での署長
アニメには名前しか登場しないが、なんと国際警察機構最強のエージェントである九大天王の一人となっている。作中で登場した他の九大天王は生身で巨大ロボットを圧倒するほどの敵と互角の扱いだったため、それまでの署長のイメージを覆す設定は当時の視聴者に衝撃を与えた。
後にこのアニメを元に制作された漫画『地球が燃え尽きる日』では、コミカルで憎めない従来のイメージに近い性格で登場する。
警察官らしく尋問や捕縛に特化した能力を持ち、手錠で捕縛した相手の周囲にカツ丼型の結界を展開して尋問を行うというシュールなものになっている。ただし、この結界の中で出される極上のカツ丼を食べた者は、質問に対して嘘をつくと手錠で全身を引き裂かれてしまうというえげつない追加効果がある。
敵である筈の衝撃のアルベルトとは縁あって共闘することもあり、ストーリー内でも主人公の草間大作を何かと助けてくれるなど活躍の場は少なくない。
なおGRが参戦した『スーパーロボット大戦64』においても「ゴッドマーズ」版の大塚が登場するが、秘密にされているはずの梁山泊の位置を知っているというネタがあり、攻略本では「九大天王の一人かもしれない」と仄めかされている。
『鉄人28号(2004年版)』
原作に近い設定で登場。戦時中から金田夫妻とは親しく、金田博士が南方に赴任する際には
妻子の将来まで託されている。正太郎の出産にも立ち会ったこともあり、旧版と経緯は違えど
実の息子のように思っている。なお、こちらの署長は未婚。
正太郎に助けられることも多いが、援護射撃で正太郎の危機を救うこともしばしば。
署長の権限で正太郎が自由に署に入る事を許可し、署長を解任された際は「もうタダの大塚」と落ち込んでいたが、後に正太郎を後押しするため金田少年探偵事務所を開いて大塚所長を名乗るなど、暗い展開も多い作中で常に正太郎の身近な味方で居続けた。最終的には警察署長として復帰する。
……のだが、2004年版の監督を務めていたのがジャイアントロボの監督と同じ今川泰宏だった
ため、ファンからは「いつ超人化するんだ」などと冗談交じりに言われていた。
担当声優・演者
白黒版/太陽の使者/ゴッドマーズ:富田耕生
平成版:稲葉実