※以下、ネタバレ含みます
予告
エース「優しさを失わない」
蛭川「俺は見た、お前の正体……」
エース「たとえその気持ちが、何百回裏切られようとも。それが私の…」
次回、『エースの願い』
南「星司さん」
北斗「夕子」
あらすじ
辛くもメビウスキラーを倒したウルトラマンメビウスことヒビノ・ミライ。しかし彼は消耗し、そこを突かれて近くにいたジングウジ・アヤとヒルカワ・ミツヒコを巻き添えにして異次元に引きずり込まれてしまう。そこには、人間の負の面を利用したヤプールの罠が待っていた。
一方、怪獣を呼び寄せる時空波を追って月面まで来たGUYSの面々は、システムダウンしたフェニックスネストで身動きを取れずにいた。そんな中、カザマ・マリナの耳に何者かの声が届く。
月を見上げ、マリナに語り掛けるこの男こそ―――
概要
『ウルトラマンメビウス』44話にして、ウルトラマンエース単独客演回。レオや80、タロウにも言えたことだが、エースが単独で客演するのはこれが初となる。
さらに戦いの場の一つのなるのは月面、そこ現れるのは超獣ルナチクス、そしてラストシーンでは……と、エースファンなら唸ること間違いなしの要素を多く持った回である。
またほかの客演回にない特徴として、メビウスとエースを共闘させなかった点がある。エースの激励でメビウスは奮起こそしたものの、対峙した巨大ヤプールは単体で撃破して見せた。以前から先輩ヒーローの登場エピソードにおいてネックの一つと言えた、先輩を立たせると後輩が弱く見え、後輩を立たせると先輩の印象が弱くなる点を解消しているのだ。どちらかを下げることなく、双方に活躍の場を与えて見せた見事な采配と言えよう。
エースの願い
具体的にどんな内容だったのかは詳細は優しさを失わないでくれを参照。
『メビウス』のサブタイトルはすべて「〇〇の××」という形で統一しているのだが、それに則りつつ、そのままズバリのタイトルをつけた形となっている。
それから10年以上後、『ウルトラマンZ』19話『最後の勇者』で再びエースは単独客演。サブタイトルは、ゼットの名付け親として登場したエースがゼットの名に込めた想いを示しているのだが、それを番組終了後のミニコーナーにて「エース兄さんの願い」と表現しているのがなんとも心憎い。
総評
上述した秀逸なストーリー構成と、『北斗と南の再会』というシリーズ的にも歴史的ビッグイベントを実現した事からメビウス全50話の中でも人気エピソードのひとつとして名高い今話であるが、一方では『ウルトラシリーズの諸悪の根源』として悪名高いヒルカワの、その悪評の根幹といえる数々の筆舌し難い理不尽な暴虐行為が行われた回でもある為、この次の回「デスレムのたくらみ」と合わせて胸糞回として挙げる視聴者も多く、ヒルカワを激しく憎悪する視聴者を中心に「初見以来二度と見ていない」「エースのくだりと、ヤプールとの戦闘シーン以外は早送りしている」「せめて、ヒルカワは別の回に出してほしかった」といったマイナスな評価も少なくない(勿論そういった人もエースのくだりは高く評価してる人もかなり多いが)。この回におけるヒルカワの悪行の結果、演じた加藤厚成の「ウルトラシリーズの疫病神」という負のイメージを決定的なものとなってしまった。
関連項目
最後の勇者…同じく、後年のウルトラシリーズにおいて神回と評価の高い、エースゲスト回。