- 演:加藤厚成
- 登場話:第1話「レイオニクスハンター」(脚本:荒木憲一/監督:菊地雄一)〜第6話「史上最強のレイオニクス」(脚本:小林雄次/監督:梶研吾)、第10話「新たな戦いの地平で」〜第11話「ある戦士の墓標」(脚本:長谷川圭一/村石宏實)
概要
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODESSEY』に登場。
50年後の未来のペダン星から派遣された誇り高きレイオニクスハンターで、未来のペダン星がレイオニクスバトルによって滅びたため、歴史を改変するために派遣されてきた。
武器は強力な光線銃ペダンガンと電撃棒ペダンスティック。また、腕に付いたブレスレット型の転送装置でテレポートも可能(相手の宇宙船に忍び込むことも容易であるが、レイとの揉み合いで消滅した)。スーツも他のペダン兵と全く異なる為、相当高い階級にある事が窺える(他に同様の格好をしているのは『大怪獣バトルNEO』の技カードに描かれたペダン星人ぐらいである)。
メットは外す事もあれば、ゴーグルだけを開く事もある。
かなりの愛国主義者でレイオニクスを憎悪し、その滅亡を望んでいる。
ペダンの科学力を過信しているのか、それとも母星を滅ぼしたレイオニクスへの恐怖からか「力こそ全て、強力な武器を持つ者こそが生き残れる」と語っており、戦意喪失していたベムスターをペダニウムランチャーで追い討ちしただけでなく、それを悪びれない傲慢な態度を取った際には「ペンドラゴンは戦艦ではない」をモットーにしているクルーの怒りを買った。さらにハルナに「この宇宙には力よりももっと大切なものがある」と諭され、これが彼が変わる最初のきっかけとなった。
過去に地球人がペダン星との間に確執があった事を知っている模様。
作中ではサヴィーニ876星系にある惑星ハマーに向かう寸前だったピット星人やゼットン星人、騙し討ちしようとしたフック星人を討伐している。ハーランからもそのキル数を信頼されていた。
ZAP宇宙基地に潜入し、爆弾を仕掛けてレイの殺害を目論んだが、レイに返り討ちに遭って気絶。
身柄はゴースタードラゴンとは別に脱出したスペースペンドラゴンクルーに引き渡され、尋問を受けた。
しかし、ドラゴンスピーダーβを使ってスペースペンドラゴンを宇宙ドックに誘導して改造し、ペダニウムランチャーを据え付けた。その後、道案内役になる代わりに自分をハマーへ移送しろと取引を持ちかけ、惑星ハマーへ上陸。
その際に目的地の座標情報を小出しにするなど駆け引きに長ける面を見せた。
ハマーに着くや否や、合流したペダン星人部隊を指揮したり、自ら出向くなどしてレイを襲撃するが、アイスラッガーでスティックを落とされただけでなく、グランデの乗るボスタング型宇宙船からのビームを受けて殺害に二度も失敗し、ハーラン司令からも失望されている(なのでレイオニクス抹殺計画の修正案を聞かされていなかった)。
レイを襲撃した際に命まで取られず、彼のまだ見ぬ故郷への思いを聞いてからは心境に変化が生じ始めていたが、それでもレイオニクス殺害を正当化しようとしており、レイの「平和の為に戦いたい」という意志が真実かどうかを試すべく、自らが操るキングジョーブラックを差し向けるも敗北。なおも、レイの射殺を目論むが、引き金を引けずに終わる。
その後、レイに可能性を見出し、撤退と荒廃した母星の復興に尽力する旨を上司であるハーランに進言。レイを母船に案内するがハーランの計画変更に反発したため攻撃されて負傷する(ダイルとしては約束を守り、過去には今後一切干渉しないつもりだったのが、ハーランによって反故にされてしまった)。
人質になっていたZAPクルーを解放した際、一般部隊から銃撃を浴びせられ瀕死の重傷を負い、レイに未来を託し落命。彼の死に怒ったレイの怪獣たちとペンドラゴンから放たれたペダニウムランチャーでキングジョーブラック軍団が壊滅し、レイオニクスハンター隊も恐れをなして未来へ撤退。
その破片から作られた墓標には形見のヘルメットが置かれ、ZAPクルーから「勇敢なる戦士」として讃えられ、敬礼を受けた。スペースペンドラゴンに据えられたペダニウムランチャーは彼の形見となり、行く先々でZAPスペーシーの冒険を助けている為、彼の魂は死後もZAPクルーと共に戦い続けているのである。
50年後の未来とは即ちアーケード版の時代に相当する。アーケード版NEOの主人公一行とは因縁があり、レイオニクスであるカネゴンを射殺しようとしてアギラに阻止され、ウルトラギャラクシーの時代に飛ぶ事に。
(ちなみにペダン星が荒廃した原因は無印主人公の御蔵イオがナックル星との戦争を終結させる為に協力を仰いだ結果である。)
余談
ちなみにダイルを演じた加藤氏は『ネクサス』では物語の黒幕であるダークザギ、『メビウス』ではクズジャーナリスト蛭川光彦とそれぞれ改心することのなかった悪役を演じてきており、ごく一部のファンからは『出演する度にウルトラマンと防衛チームを苦しめてばかりいる』という一種のジンクスの様な扱いを受けていたが、今回のダイル役で、見事そのジンクスを脱却している。
当初は主人公サイドと和解する予定のない完全な悪役として設定されていたが、かつて演じたヒルカワが悪行の報いを見える形で一切受けなかったことで一部のファンからヒルカワと同一視され激しく憎悪され、「ウルトラシリーズの疫病神」と評されていることを知った制作サイドがそのイメージを払拭すべく、キャラ設定を変更したという裏話がある(なお、実際に某作品を見た人が思うであろう疫病神を演じた役者は後続の劇場作品にしれっと主人公の母親役として出ている)。
しかし、役者が役者だけに初期から『どのツラ下げて出演しやがった』と露骨に嫌悪感剥き出しの声が上がり、その最期についても『最期の行動は本来なら感動なのかもしれないが偽善にしか見えず、感動出来なかった』『他の役者なら感動出来た。加藤のせいで何とも思わななかった』という意見も存在していた。さらにはダイルをヒルカワに置き換えて『やっとヒルカワが地獄に落ちた』『メビウスを苦しめた仕返し』『ウルトラマンを苦しめたんだからお前はもっと苦しんで死ねよ』とのコメントが加藤氏のブログや番組公式HPに送りつけられるなどしてしまった。
とはいえ、『中の人の過去に演じた役は別において、ダイルは普通にかっこよかった』『加藤さんへのイメージが少し変わった』等の肯定的な意見も少なからず寄せられており、マイナスイメージを完全に払拭…とまではいかなったものの、一定の成果は上げられた模様。
また、ダイルの上司であるハーランを演じたのは『ネクサス』にて斎田リコ/ダークファウストを演じた中丸シオン女史であり、偶然にもダイル役の加藤氏とは本作では上下関係や結末が、完全に逆転した形となっている。
約束をあっさり反故にするイメージがペダン星人にあるかと思われるが(実際、セブンと本作で他者との約束を反故にしている)、実はペダン星人の中にも他人との約束を果たそうとする義理堅いものもおり(『大怪獣バトルウルトラアドベンチャー』のペダン星人のおじさんやドロシーが該当する)、ダイルもまたその一人なのである。
この事からペダン星人は卑怯者ばかりというわけでもない事が窺える。
スーツとメットは劇場版ウルトラマンデッカー旅立ちの彼方へ…のペダン星人に流用される