VIVIO
ゔぃゔぃお
1992年3月にレックスの後継モデルとして発売。デビュー当初のキャッチフレーズは「SIMPLE RICH(シンプルリッチ)」。
車名は英語のVIVID(鮮やかな、生き生きとした)からの造語。また排気量の「660」をローマ数字で表記した 「VI VI 0」 にもかけられている。多くのグレードと「ビストロ」や「Tトップ」などの派生車種を持ち、ラリーなどのモータースポーツへも参戦した(後述)。ボディタイプは3ドアハッチバックと5ドアハッチバックの2種類で、発売当時主流となりつつあった5ナンバーの乗用車となる3ドア/5ドアのセダンと、税制上の優遇措置があった、いわゆる軽ボンバンと呼ばれる4ナンバーの商用車である3ドアバンが存在した。
外見は、ショルダーラインから上の窓まわりを一段絞ったこと、曲線を生かした面構成がスタイリング上の特徴となっている。ボディカラーもレックスでのソリッドカラー中心の展開から、光沢感、高級感のあるメタリックやマイカ塗装へと移行しており、質感向上をアピールした。乗用と商用で車体後部の形状を作り分けていることも特徴で、乗用グレードではレンズ面積の大きい横長のリアコンビネーションランプを採用した一方、バンでは欧州仕様のバンパーと小型のリアコンビネーションランプを採用してハッチの開口部を広げ、荷役性を向上させている。
ヴィヴィオは1990年の軽自動車規格改正に合わせて新設計されたシャシを持ち、比較的低い重心で操縦安定性の向上を図っている。発売当時の軽自動車の保安基準は時速30kmでの衝突安全を確保するものであったが、ヴィヴィオは普通車の基準である時速40kmでの衝突安全を確保していて、当時の軽規格の中では車体の強度と剛性は高い。
欧州にも輸出され、日本国内より速度域の高い欧州でも、高い操縦安定性が現地の自動車専門誌[要追加記述]から評価を受けた。
リコール対象にはならなかったが、オルタネーターB端子からの配線とバッテリー端子を結ぶコネクターが原因で電圧が不安定になる不具合が発生する個体が稀にある。
ちなみにフル660cc規格が「スバルで初めて」とゆーのはデタラメなので要注意(サンバーは規格改定と同時にフルモデルチェンジしている)。むしろEN07エンジンはこのときにレックスがフルモデルチェンジしなかったので生まれた奇跡の産物である。
1998年10月 - 生産終了。後継車はヴィヴィオのプラットフォームを改良したプレオ。
ドライバーズ・ミニ・コンセプト
軽自動車は1名乗車の機会が多いとする調査結果に基づいて運転席の居住性を重視した「ドライバーズ・ミニ」というコンセプトに則って前席のレイアウトが設計されている。運転席側の空間を広くするため、助手席はやや小ぶりで左側に寄せられている。シフトレバーやパーキングブレーキレバーが設置されているセンタートンネルも車体の中央からやや左側に配置されている。
エンジン・駆動方式
エンジンはレックスから引き続き、クローバーフォー (CLOVER4) と呼ばれる直列4気筒の「EN07」型が横置きで搭載された。仕様として、NA.SOHC.キャブレター仕様42馬力(バン用)、NA.SOHC.EMPI(電子制御式燃料噴射)48馬力(MT車は52馬力)(セダン用)、アイシン製スーパーチャージャー(MSC)SOHC.EMPI.64PS(ECVT用)、アイシン製スーパーチャージャー(MSC)DOHC.EMPI.64PS(5MT用)の計4種類が基本。最終型ではDOHCのハイオク仕様化に伴ってレギュラー仕様のSOHCに5MTを組み合わせたり、DOHC+ECVT(スポーツシフト仕様)という組み合わせもラインナップされた。駆動方式はFFを基本とし、パートタイム式及びビスカスカップリングを用いたフルタイム式の四輪駆動モデルも用意された。
サスペンション
サスペンションは、スバル伝統の4輪独立懸架のストラット型を採用し、前輪はI型ロアアーム+テンションロッドからL型ロアアームに、後輪はセミトレーリングアーム式から、ストロークに余裕あるデュアルリンクストラット式となった。カタログでは「レガシィと同じメカニズム」と書かれている。94年のマイナーチェンジで、リアサスペンションリンクの形状が見直され、よりアンダーステアを抑えた特性に変更された。なお、DOHC MSC仕様では前後に、SOHC MSC仕様と一部のDOHC MSC仕様では前側に、トーションバータイプのスタビライザーが装備されている。
トランスミッション
5速MTと無段変速機ECVTのほか、バン向けとして追加された3速ATの3種類がある。ECVT車の後期型には6速マニュアルモードを備える「スポーツシフト」搭載車も存在した。
5速MT
OD付き5速マニュアルトランスミッションが採用されている。これは各ギア比をクロスし、3気筒エンジンに比べ低回転域のトルクが不足する構造上の特性を補っている。1994年発売のC型で、全車2速のシンクロ機構がダブルコーンタイプに変更され、耐久性とシフトフィーリングの向上が図られている。なおA・B型でもC型以降のダブルコーンシンクロに互換性がある。1996年のE型で、エンジンのプレミアムガソリン化により増加したトルクに対応して、クラッチディスク径を変更して許容トルクが強化されている。
ECVT
ファンドーネ製スチールベルトを用い、スロットル操作によるスナッチを改善したスバル独自のCVTである。プーリーへの油圧とクラッチの動作を電子制御化したもので、フィアットにも技術供与されている。一方で耐久性に弱点があり、ベルトは10万kmの保証パーツであったが、電磁パウダークラッチは故障が頻発した。このトラブルはより耐久性が要求される商用バンで問題視され、後のマイナーチェンジで一般的な3速ATに変更されている。
KK/KW/KY 型(1992年 - 1998年)
1994年
マイナーチェンジ(年改)でC型に移行。NAエンジン車のフロントフェイスが変更。後部の車体構造が小変更され、後席3点式シートベルトが標準装備化。リアサスペンション形状変更 MSC車アルミホイール変更 カラードドアミラー・カラードドアハンドル廃止。
1992年のパリ 、モスクワ、 北京と巡るマラソンレイドに参戦し、プロローグランでワークスパジェロをも上回るタイムを記録している。1993年のサファリラリーには、WRC にレギュラー出場していたワークスドライバーのコリン・マクレーと、地元ケニアのパトリック・ジル等がグループA仕様のヴィヴィオRX-R4WDで参戦。チームはマクレーに「とにかく他チームの前を走れ」、ジルには「なにがなんでも完走しろ」とオーダーを出した。一時トヨタワークスのセリカを上回る総合4位を走行し、マクレーは車を壊してリタイアとなったものの、ジルは見事完走し最終的にA-5クラスで優勝した。生産修了から暫く経った近年でも、WRCラリージャパンに地元北海道をはじめとするプライベーターが本車種で参戦している。なお、ヴィヴィオのFIA ホモロゲーションは、2006年まで有効であった(APRCに限り2010年までに延長)。
ヴィヴィオの装備やエンジンの違いによるグレードの一覧。
es
5ドア最上級モデル。exに加えてブロンズガラス、チルトステアリング、後席ヘッドレスト、運転席ハイトアジャスターが付くが、SRSエアバッグはメーカーオプション。 初期型において唯一の集中ドアロック装着車。
Reebok
1996年5月限定発売。スニーカーやスポーツウェアで有名なリーボックとのコラボレーションモデル。MSC車に準じたスポーティーな外観、ブルーの専用シート、ADDZESTサウンドシステム、SRSエアバッグ等を装備。
el
前期型では廉価グレードとしてラインナップされた。エアコンは装備されているがパワーステアリングはメーカーオプション。布シートやホイールキャップが装備されている。販売の主流となったグレードであるが、中期モデルで装備が簡略化され、セダンの最廉価グレードとなる。
2シーター
バンの最廉価グレードで、MTのみの設定。その名の通り、後部座席を取り外しており、eから更にリアデフォッガーやリアゲートオープナーまで省略されている。スズキ・アルトの最廉価グレードと横並びの55.8万円の価格設定となっていた。
GX
前期型に設定されたMSC(SOHC)を積む上級グレード。exに近い装備内容であるが、SC系フロントフェイスやサイドエアロ、デュアルマフラー、運転席ハイトアジャスター、ミシュランタイヤ、ピラーブラックアウトを装備するが、集中ドアロックは付かない。ECVTのみの設定である。
RX-R
DOHCエンジンを採用してMTのみをラインナップしたホットモデル。「RX」はレオーネ以来、シリーズ中の上位モデルに設定されたグレードで、ヴィヴィオの「RX-R」では「超高密度スポーツ集積マシーン」のキャッチコピーが与えられている。MSC(DOHC)を積み、スポーツバケットシート、ハイグリップタイヤ、センターアンテナなどが標準装備。E型ではハイオクガソリン仕様となり、オプションでBBSホイールも選択できた。またE型ではシート地のデザイン、レターマークのデザインも変更されている(MSC車共通)。(らき☆すたでゆい姉さんが乗っていたモデル)
RX-R S1
MSCを搭載したRX-Rの限定車。RX-Rでは初となるシルバーのボディカラー、フロント熱線反射ガラス、サイドブロンズガラス、ケンウッドサウンドシステムを装備し、1992年9月にスバル4WD20周年記念車として発売。その後1993年7月に富士重工40周年記念車として、再び発売された。
RX-R スペシャルバージョン
サファリラリーでのクラス優勝を記念して1995年5月に発売されたRX-Rの200台限定車。STi/PIAA製のフォグランプ(H3-55W)にSTiロゴ入りのフォグランプカバー、フジツボ製レガリスKマフラー、ケンウッドサウンドシステム等を装備。
RX-RA
フルタイム4WDのみでモータースポーツ用ベースグレード。「RA」は、スバルのモータースポーツベース車に共通の記号で、競技に不要な快適装備の類は一切ない。専用ECU、1~4速のギア比がクロスした専用ミッション、コイルスプリングのバネレートやショックアブソーバの減衰力等が専用に設定された強化サスペンション、リア機械式LSD等を装備。エアコン、パワーウィンドウ、リモコンドアミラー等が省略され、RX-Rより20kg軽量化されている。
T-TOP
3000台限定の富士重工40周年記念車。高田工業の手によって、タルガトップに電動格納リアウィンドウを組み合わせオープン仕様に仕立てた。カラフルな内装が特徴。ECVTと5速MTを設定。スバルの軽として初のサッシュレスドアと3Boxの車体を採用した。
ビストロシリーズ
ビストロ シフォン
それまで5ドアだけだったビストロシリーズに追加された3ドア廉価グレード。市販されずに終わった同社の、「スバル・1500(スバル・P-1)」を模したフロントマスク(フロントグリル)と、バンパーオーバーライダー風の装飾が特徴。その他、専用のホイールキャップやシート表皮を装備。