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概要編集

1997年以降世界各国で販売されている。

英字表記はFORESTER


プラットフォームはインプレッサと共通でボディはモノコック構造を採用し、全モデルが四輪駆動である。

ただしある程度のオフロード走行も見据えたサスペンションや2,500ccのハイパワー仕様も用意されており、決して単なるクロスオーバーSUVとは言い切れない性能を持つ。


現行モデルは2018年登場の5代目。

エンジンは伝統の水平対向式としながらもおよそ90%の部品を設計段階で見直し、燃費と実用域トルクの向上を実現した。


車歴(歴代モデル)編集

初代 SF5/SF9型(1997年-2002年)編集

2003 Subaru Forester

インプレッサグラベルEX、ひいては当初は後継車種の予定がなかったインプレッサの実質的な後継車種として計画された。

しかし世界ラリー選手権で大活躍をした結果、インプレッサは2代目が生まれることとなり独立した車種として登場することとなった。


レオーネを彷彿とさせる直線基調のデザインが特徴。SUVとは名乗らず「ワゴンとRVの融合」を謳う独特のスタイリングが注目を集め発売後2週間で月販目標の3,000台を達成した。


発売時は2000cc水平対向4気筒ターボのEJ20のみのラインナップだったが、1997年7月に自然吸気エンジン仕様が追加された。


1998年9月の年次改良で2500cc自然吸気エンジンEJ25を採用した新グレード「T/25」が追加された。

このEJ25はレガシィグランドワゴンに搭載されたものを改良し、可変バルブタイミング機構AVCS(ホンダVTECポルシェのバリオカムに近いシステム)を組み込んだ「BOXER PHASE IIエンジン」と銘打つ意欲作だった。

しかし、自然吸気エンジンなのにハイオク指定だったため、数値上スペックが高いターボ車に人気が集まりあまり注目されなかった悲しいグレード。


2代目 SG5/SG9型(2002年-2007年)編集

2004 Subaru Forester STi

2002年2月に先代のキープコンセプトで登場。2代目インプレッサと足回りの基本構成やパワートレインを共有する。

搭載エンジンは先代に引き続きEJ20。特筆すべき点として、後のモデルでも伝統となるターボグレード「XT」が設定される。

やはりというべきか不人気だった2500cc自然吸気エンジン車は消滅した(北米仕様は継続採用)。

このモデルもターボ車が圧倒的に人気があった。最高出力こそ先代の240Psから220Psにスペックダウンしているがドッカンターボ気味だった先代より低速域の扱いやすさが向上している。


2002年10月には「XT」をベースにしたローダウンモデル「CROSS SPORTS」が追加された。

全高が1590mm→1550mmに下がり、機械式立体駐車場にも入庫できるようになった。

このグレードは人気が高かったのか後に自然吸気エンジン仕様のグレードも追加された。


2003年2月、後の「X-BREAK」につながる特別仕様車「Xバックパックエディション」が追加される。撥水シートや傷や汚れに強い荷室ハードマットを装備しており、まさしくX-BREAKの雛形といえる。


2005年1月には大規模改良が行われD型に移行。フロントフェイスが水平基調のものに変更された。

車体剛性やブレーキの強化、灯火類の刷新など目に見えない部分の改良も多い。


3代目 SH5/SH9/SHJ型(2007年-2012年)編集

TOP画像はこのモデル。

2007年12月発売。

大幅にコンセプトが変わり先代までの車高の高いツーリングワゴンのスタイルから、一般的なクロスオーバーSUVになった。

3代目インプレッサの構造がベースのため、リアサスペンションがストラットからダブルウィッシュボーンに変更。

全長4,560 mm×全幅1,780 mm×全高1,675 mmと車体寸法が先代から大幅に大型化しており、全幅は車格が上の4代目レガシィより大きい。

また、初代から続くサッシュレスドアが廃止になった。

EJ20を搭載する最後の代でもある。

自然吸気エンジン仕様がSOHCからDOHCになったがレギュラーガソリンというのは嬉しいポイント。

そしてターボでマニュアルトランスミッションが選択できるのもこの代が最後となる(トルコン式オートマチックトランスミッションもこの代が最後)。

ヨーロッパ仕様のみディーゼルエンジンのEE20を搭載する。


2010年10月25日、大規模改良でD型となる。

2000ccの自然吸気エンジンモデルは第三世代水平対向エンジンのFB20に変更となった。

これにより燃費性能が向上し、低速トルクが向上して扱いやすくなった(特にマニュアルトランスミッション車で顕著)。

FB20はタイミングチェーン駆動に変更になったため、水平対向エンジン特有の大工事となるタイミングベルト交換が不要となったことは大きい。

また、初代から8年ぶりにEJ25を搭載する「S-Edition」が設定された。

専用のインテリアとSTI製の専用ホイールを装備した最上位グレードだが販売期間が短いため見かけることは少ない。このEJ25は3代目フォレスターでは唯一の不等長エキゾーストのため、初代以来久しぶりに独特の排気干渉音(ボッボッボッボッボッ・・・・・・と音がするアレ)がする。


4代目 SJ5/SJG型(2012年-2018年)編集

2016 Subaru Forester XT

2012年11月13日発売。キャッチコピーは「全方位SUV」となり明確にSUVと名乗るようになった。

4代目インプレッサがベースだが、この代からリアセクションが専用設計となったためリアシートの居住性が大幅に向上した。具体的には全長が20cm長い5代目レガシィよりもレッグスペースが広い。


搭載エンジンは自然吸気エンジンが「FB20」、ターボエンジンは「FA20」。「FA20」は5代目レガシィDITに先行して搭載されたものをフォレスター用にセッティングしており、最高出力は歴代最高の280Psを発揮する。

また、欧州仕様は引き続きディーゼルエンジンの「EE20」、北米仕様のみ2500ccの「FB25」を搭載する。

地味なところで直噴ターボ仕様の「FA20」搭載車では唯一ボンネットにエアスクープがない。


ターボを搭載する「XT」のみ、専用のフロントバンパーと18インチアルミホイール、2本出しのマフラーが装備される。「XT」の外観が人気だったのか、「XT」風の外観を模した特別仕様車「S-Limited」がのちに発売された。


満を持してフォレスターにも「EyeSight (Ver.2)」が搭載された。制御の関係上トランスミッションはリニアトロニックとなり、風前の灯のように残ったマニュアルトランスミッション車には「EyeSight」は搭載されない。


また、ベースグレード(マニュアルトランスミッション車もこのグレード)を除くすべてのグレードにラフロード用の運転支援システム「X-MODE」が搭載された。

これは、前後輪の動力配分やタイヤの空転防止などの支援を行う機能で、下り坂で車速を一定に保つ機能等も含まれている。


フォレスターでおそらく最初で最後になるであろう6MT車は、前述のように「ターボなし」、「EyeSightなし」、「X-MODEなし」それどころかスマートキーすらないと悲しいことになっているが、怪我の功名というべきか過剰な装備がないことで最軽量のグレードとなっておりこれはこれで楽しい車である。


2015年11月に大規模改良が行われ、D型に移行。外観はフェイスリフトを受けて4代目インプレッサに似た顔から、5代目アウトバックに似た顔つきに変わった。

運転支援機能が最新の「EyeSight (Ver.3)」に更新され、アクティブレーンキープ機能と車線逸脱抑制機能、誤発信抑制機能など大幅に機能が良くなった。


5代目 SK9/SKE/SK5型(2018年-2025年(予定))編集

SUBARU フォレスター

2018年7月19日発売。外観は先代からのキープコンセプトだが、ボディがさらに大型化して横幅は1800mmをついに超えた。

シャシを含む基本骨格構造にボディパネルを溶接するインナーフレーム構造を持つスバルグローバルプラットフォームを採用。


歴代フォレスター初のハイブリッド車である「e-BOXER」が設定された。本質的には初代XVハイブリッドのものを改良したものなのであまり燃費が良い部類ではないが、軽量かつハイブリッドシステムの一部が故障しても走行不能にならない冗長性の高さがメリットである。


パワートレインはガソリン車が2500ccの「FB25」、e-BOXERが2000ccの「FB20W+MA1型モーター」となり、一旦はターボ車が設定されなくなった。

「FB25」は型式こそ5代目レガシィと同じだが、直接噴射式に変更されておりほとんどの部品が新設計となっている。


とうとうマニュアルトランスミッション車が完全に廃止され、全車リニアトロニックとなった。

また全車電動パーキングブレーキを採用している。


安全装備は全車「EyeSight (Ver.3)」に速追従機能付クルーズコントロール、車線中央維持機能と先行車追従操舵機能が追加される充実っぷり。


地味なところで前グレードでブレーキが前後ともにベンチレーテッドディスク式となった。

先代までは自然吸気エンジン車は後輪がソリッドディスクだったためほんのわずかにプレミアム感が増した。


先代に設定されていた特別仕様車である「X-BREAK」がカタログモデルに昇格した。

先代のカラーアクセント仕様のようにバンパーやルーフレールにオレンジのアクセントが入るようになった。

撥水シートや防水の荷室ももちろん健在。

先代と同様に内装のオレンジのアクセントもセンスが良いのでSUVは欲しいけど一味違った車が乗りたいというドライバーにおすすめ。


「e-BOXER」限定のグレードである「Advance」はブラウンレザーの内装が設定された。落ち着いた色合いでホライゾンブルーパールやジャスパーグリーン・メタリックといった低彩度のボディカラーにとても似合う。車名のごとく森系のセンスが好きなドライバーにおすすめ。


2020年10月にC型に移行。2代目レヴォーグに採用された第四世代水平対向エンジン「CB18」が搭載された。これに伴い2年ぶりにターボ車が復活した。

それに伴い「FB25」搭載車は消滅した。


2021年6月には大規模改良が行われD型に移行。フロントフェイスが2代目レヴォーグのようなコの字型に変更された。

しかし悲しいことにヘッドライトの造形がレヴォーグに比べてレンズの厚みがあるせいか中途半端であり、あまりユーザー受け入れられているとは言い難い。


2022年6月には追加グレード「STI Sport」が設定された。既存の「Sport」にSTIのエンブレム、ワインレッドの内装が特徴。

レヴォーグなど既存の「STI Sport」が設定されているモデルと異なり、「WRブルー・パールが設定されない」、「専用の足回りがビルシュタイン製ではない」などややキャラクターが異なる。


2024年4月。おそらく現行型としては最後の年次改良が行われた。


特別仕様車編集

※主にSTI仕様を中心に記載する。


・STIバージョン

2代目をベースとして2003年と2004年に発売。

2.5Lのターボエンジン6MTを組み合わたカタログモデル。


・tS(2010)

3代目をベースとして2010年に発売したSTIのコンプリートカー。

300台限定。


・tS(2014)

4代目をベースとして2014年に発売したSTIのコンプリートカー。

300台限定。


車名の由来編集

「森に住む人」「森を育む人」「森に住む動物」など『』(FOREST)に関連した用語から由来する。


余談編集

元々は1995年度の東京モーターショーで発表されたコンセプトカーのスバル・ストリーガがベース元である。

当初はこの名称での販売予定であったが、「Strega」がイタリア語でヨーロッパでの印象が全体的に悪い魔女という意味であり、また語感が「ストーカー」に近いという理由で変更されたとされる。


フォレスター以前にもいすゞからOEM提供を受けてビッグホーンを販売したことがあるが1993年に販売終了。

以降フォレスター登場まで5年のSUVの空白期が続いた。


関連作品編集

放課後のプレアデス

富士重工業時代に製作された魔法少女系の公式コラボアニメ。

登場人物の一人であるいつきが持つ杖は、フォレスターのドライブシャフトをモデルとしてデザインされた。



関連項目編集

スバル(ブランド) 乗用車 SUV


外部リンク編集

公式サイト

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