概要
悠紀エンタープライズ開発・SNKプレイモア発売の格闘ゲーム『サムライスピリッツ零SPECIAL』及びバージョンアップ版の『サムライスピリッツ零SPECIAL完全版』で実装された全キャラ使用可能な必殺技。
もともとは前作『サムライスピリッツ零』における「無の境地」システムがゲームバランス的に強力過ぎたため、カウンター要素として実装されたもの。
発動条件
どちらかのキャラクターの体力ゲージがなくなれば勝敗が決まるラウンドで、自分が「怒り爆発状態」であり、「相手が無の境地を発動可能、または発動中」に使用可能。
コマンドは「↓↙←+CD」。
性能
発生は遅めだが発動直後まで無敵時間の発生する突進技。
いわゆる即死攻撃であり、命中した時点で特殊演出に移行、勝利確定となる。
相手に無の境地を発動されると、こちらの動きはスローモーション化してしまうが、絶命奥義はその影響を受けないので反撃手段として使える。また、必殺技扱いなので通常技をキャンセルして発動する事も可能。
一見、無の境地に対する有効な対抗手段に見えるが、『零SPECIAL』では無の境地自体が弱体化(発動時間が短縮)されたので存在意義は薄い。窮地からの一発逆転という形に使えなくもないが、怒り爆発の制限時間中に成功させることは難しく、殆どロマン技と言える。
とはいえ上級者同士の対戦でも絶命奥義で大逆転、ということは稀に起きる。
CPU戦では天草四郎時貞戦から兇國日輪守我旺戦までは絶命奥義または無の境地からの一閃での勝利が必須条件となっており、それ以外で倒すとその時点でゲーム終了となる。
特殊演出
体が切断されたり、血しぶきが飛び散ったり、炎にまかれて消滅したりなど、一部のキャラクターを除けばビジュアル面でかなり残虐な演出が多い。これまでのシリーズでは残酷演出の対象から除外されていたナコルル、リムルルの両名も容赦なく惨殺することが可能。
タムタムや妖怪腐れ外道の絶命奥義の様に、男女で微妙に演出が異なる等、多少の表現の違いはあるがそれでも十分残虐極まりないものだった。
なお、設定を変更することで身体欠損をカットしたり流血の色を白にすることができる。
また、チャムチャムや黒子※の様に絶命奥義の演出にしか登場しないキャラもいる。
※千両狂死郎の絶命奥義以外では道場ステージの背景や『零SPECIAL完全版』の中間デモにも登場する。
余談
『サムライスピリッツ天草降臨』には前身と言えるシステム「断末奥義」が存在する。
こちらも残虐演出を伴う必殺技だが、極めて有利な状況で勝利したときのみ使用が解禁される演出用の必殺技なので戦術的なアドバンテージはない。
絶命奥義の中にはこの断末奥義から演出を引き継いだものも存在する。
この演出のルーツになったのは『モータルコンバット』と明かしており、女性キャラ全員対象になった事によりそっちの同人の方で活躍していた作家をスタッフとして招き演出を仕上げるなど徹底していた。
こうした残酷描写は当然ながら賛否を呼んだほか、家庭用移植版では「完全移植」を謳っていたにもかかわらず残酷描写がカットされ、しかもその影響でバグが発生したソフトが発売されてしまった為、返品や交換を求める署名運動にまで発展してしまった。
なお修正版との交換は行われたものの、返品や予約キャンセルは認められなかった。
さらに初期ROMはBIOS書き換えでAC版と同様に遊べることが後に判明し、初期ROMの価格が高騰、MVSカートリッジを直接購入した方が安いなどの騒動も起きた。
その後長らく移植は行われず、ネオジオ以外の家庭用ゲーム機でプレイできるようになったのは稼働から13年、2017年にPS4/PSVitaに移植されてからとなっている(2019年にはSteam版も配信)。
2019年からはSwitch/PS4/XOneのアケアカNEOGEOでも配信。
現在は家庭でも絶命奥義込みの完全移植を問題なくプレイ可能。