概要
旧SNKが倒産した後、関連会社のSNKプレイモアが悠紀エンタープライズに開発委託しシリーズの再出発となった本作。
時系列は初代よりも以前に設定され、シリーズでは最初の物語として扱われている。
大人の事情により、ナコルルとリムルルを除いた旧キャラは基本的にグラフィック・ボイス共に『天草降臨』からの使い回しで、通常ステージの背景も過去作品からの手直しが多い。
システム面に関しては大きく見直され、『天草降臨』から導入されていた連斬システムを削除、新たに体力ゲージの下に「剣気」ゲージを搭載。このゲージは、攻撃をすると出した技の威力に比例して減少し、攻撃をしないと回復する。
これによりコンボゲーと化していた前作までとうって代わり、初代に近い一撃が重い読み合いゲーに回帰している。
また、『斬紅郎無双剣』から導入されていた「修羅・羅刹」システムも廃止され、大半は一つのキャラに技が統合されたりしたが羅刹丸やレラの様に羅刹性能を持ったキャラが独立して新キャラになったケースもある。
本作からの新キャラクターの一部は内藤泰弘と和月伸宏という以前からSNKやサムスピシリーズに縁のある漫画家が原案を担当しており、徳川慶寅・兇國日輪守我旺・劉雲飛は和月の、妖怪腐れ外道は内藤のキャラクター原案を基に描かれた。
OPナレーションは我旺役の内海賢二が、システムボイスは後述の零SPECIALも含め雲飛役の滝知史が担当。他にも新キャストに多くの賢プロダクション所属の声優が起用されている。
サムライスピリッツ零SPECIAL
2004年には零のバージョンアップ版となる『サムライスピリッツ零SPECIAL』が稼働開始。ストーリーが無くなった代わりに歴代ボスキャラクターのプレイアブル化と残虐描写が『絶命奥義』として復活した。
OPナレーションは滝知史がシステムボイス及び雲飛役と兼任で担当。
ゲームバランスは零から見直され、歴代シリーズで随一のバランスと評される良作だったものの、本作で復活した残虐描写(特に絶命奥義中の描写)が当時の時勢的に家庭用となるネオジオ版発売に際して大きな影響を与えてしまい、予告無しの残虐描写削除及びそれに伴うバグの発生で物議を醸した。
これらの影響もあり完全な形での家庭用ゲーム機への移植はPlayStation4・PlayStationVita版まで15年近く行われることがなかった。(更に言うと、零SPECIALはMVS/ネオジオ版が海外で正式発売されなかったため、2015年にHumble Bundleで配信が開始された、PC版「SAMURAI SHODOWN V SPECIAL」まで待つことになった)
尚、本作がネオジオ/MVS最後の作品となった。その理由に海外の違法ROM配信サイトで最もダウンロード数が多かったソフトが本作だったことに加え、海賊行為への対策もこれ以上できなくなったことから、SNKプレイモアはネオジオの生産終了を発表し、14年と長きに渡ったプラットフォームの歴史に幕を閉じることとなった。
また、本作発売後、再度のバランス調整や絶命奥義中の残虐描写の削除と、『天下一剣客伝』へ繋がるストーリーを追加した『サムライスピリッツ零SPECIAL完全版』が開発されていたが、SNKプレイモアに無断で開発しロケテストまで行った為か関係者の逆鱗に触れ、長い間封印されていた(この件が悠紀エンタープライズ内で内輪揉めを起こしエクサム誕生に至ったと言われている)。
しかし、2020年に突如『サムライスピリッツ ネオジオコレクション』の一つとして収録され、2022年には残虐描写の再復活や特殊ネームエントリー動作の復活を追加したexA-Arcadia基板によるアーケード版も稼働開始した事で本作が「正真正銘最後のMVS作品」と言うユーザーも。
登場キャラクター
プレイアブルキャラ
兇國日輪守我旺(零のラスボス。零SPでプレイアブル化)
零のみの隠しキャラ
萬三九六(1人目の中ボス。PlayStation2版のみプレイアブル化)
黒河内夢路(2人目の中ボス。同上)
NPC
儚
黒河内夢路の母親
ミッシェル
本物のタムタム ※零本編のタムタムは村人の変身した姿
黒子 ※零SPECIALのステージ背景及び零SPECIAL完全版の追加デモムービー中のみ
飛脚 ※零SPECIAL完全版のデモムービー中のみ
チャムチャム ※零SPECIALのタムタムの絶命奥義中のみ
零SPECIALからのプレイアブルキャラ
関連タグ
エクサム…本作製作スタッフの多くが移籍した会社。
アスラ斬魔伝(アーケード格ゲーサムスピとしての前作)
天草降臨(2Dサムスピとしての前作)
天下一剣客伝(次作)