概要
狂戦士の魂(バーサーカー・ソウル)は、遊戯王に登場する、速攻魔法の一種である。
アニメオリジナルのカードだったが、「コレクターズパック-伝説の決闘者編-」にてOCG化した。
このカードが使われたのは1度切りだが、そのインパクトからずっと俺のターン等の様々なネタで本編未視聴者にも拡散してしまい、BGMクリティウスの牙が異様な人気を誇ることになった全ての元凶。
BGMクリティウスの牙と言えば、カードとしてのクリティウスの牙の使用シーンよりも十中八九こちらが連想される、盛大なとばっちりである。
アニメでの効果
自分のターンのバトルフェイズ中のみ発動可能。自分の手札を全て捨てる。
その後、自分のデッキからモンスターカード以外のカードが出るまで自分のデッキからカードをめくる。
めくったカードは全て墓地に送り、墓地に送ったモンスターカードの数だけ自分がコントロールする攻撃力1500以下のモンスターは、さらに攻撃宣言を行う事ができる。
解説
カードに記されたテキストとして「自分のデッキからモンスターカード以外のカードをドローする」こと以外の終了条件が記載されていない。原則的に、OCGにおいても、「1つのカード効果の処理の途中」で決着がついた場合でも、そのカードの処理までは最後まで続行し、その処理が終わった時点でも決着条件が整っていれば勝敗が決する、という形で処理されていた。そのため、相手のライフが0になっても、モンスター以外を引くという条件を満たすまでは何度でも攻撃し続けるというオーバーキル推奨の効果となっている。より厳密に言うなら、モンスター以外を引くまで攻撃し続けなければならないと言ってもよい。
……が、後にこのルールは「一連の処理の途中でもライフが0になった場合はその時点で決着」へとルール整備が行われて消滅し、現在ではオーバーキルは禁止されてしまっている。
インセクター羽蛾の陰湿な遣り口にブチギレた遊戯は、この効果を利用してライフが0になった後も羽蛾に対して攻撃し続けるという凄まじいオーバーキルを行った。
「ドロー!モンスターカード!ドロー!モンスターカード!ドr…」
後に続編の遊戯王GXにもグォレンダァ!のような類似のオーバーキルは発生しているが、1回1回攻撃回数をカウント(そして犠牲者が吹き飛ぶ描写)する画面のインパクトは突出している。
OCG化
2014年5月17日発売の「コレクターズパック-伝説の決闘者編-」においてOCG化が決定された。アニメで登場したのが2003年7月1日なため、実に約11年の時を経ている。
効果は以下の通り。
テキスト
速攻魔法
「狂戦士の魂」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドのモンスターが直接攻撃で
相手に1500以下のダメージを与えた時、
手札を全て捨てて発動できる。
自分のデッキの一番上のカードをめくり、
それがモンスターだった場合、そのモンスターを墓地へ送り、相手に500ダメージを与える。
その後、モンスター以外がめくられるまでこの効果を(最大で7回)繰り返す。
めくったカードがモンスター以外だった場合、そのカードをデッキの一番上に戻す。
解説
原作・TF版と比べ、「攻撃力1500以下のモンスターの直接攻撃」という条件は「1500以下の戦闘ダメージ」へと変えられ、再攻撃の効果は「モンスターカードを引くたび500ダメージを最大8回与える」効果に変更された。
最大で4000という大量のダメージを与えることができるものの、手札を全て捨てるというリスクの大きさと、普通のデッキならばそこまでモンスターカードを連続で引く可能性は低いという欠点を持っている。
後者の欠点は、このカード以外のカードをモンスターカードで構成したデッキ等ならば解決はできるが、このカードを多く入れるとこのカード自体が邪魔になり、少ない枚数で入れてもいざという時に手札に来ないというジレンマもあり得る。
また、OCGの初期ライフは8000なので、4000ダメージでは削り切れない可能性もある。
いずれにせよ、容易に扱えるカードではなく、使い方次第では化ける可能性があるものの、使いどころが限られるというリスキーな玄人向けのカードである。
なお、このようなデッキトップをめくって参照する効果の場合、基本的には「1度に8枚めくり、その数×500ダメージ」という形で処理される。
1回1回処理する形を1+7回繰り返すという極めて異例のテキストにより、数値やバーンへの変更こそあるものの、1枚ずつめくってダメージを与えるシーンの流れは再現できるようになっている。なお、処理上は最大8回の複数回のバーンだが、バーン回数を参照するような他のカードに対しては、このカード1枚=1回のバーンとしてカウントされる、さらに特殊な事情があり、アニメシーン再現に特化したいわゆるネタカードの代表格と言える。
余談
最大8回のダメージという効果は原作で遊戯が連続ドローに成功した回数に由来する(ちなみに遊戯が攻撃宣言を止めただけでカードの効果は続いており、8回目の(そしてその後の)攻撃自体は無効化されてはいない)。
OCGの効果で実際の羽蛾(LP2200)を倒せたかと言うと、なんと5回目の攻撃でライフが0になり、3回オーバーキルを出したことになる(LP-1800)。
どちらの効果にしろ、羽蛾はオーバーキルによってやられる運命にあった(アニメ版の描写では攻撃力1500のモンスターによる追撃の2回目でライフが0になって敗北が確定しており、その後5回も攻撃を受け続けている)。
アニメ内でドローされ、墓地に送られたモンスターカードは確認できるだけでは『クィーンズ・ナイト』『幻獣王ガゼル』『ビッグ・シールド・ガードナー』『磁石の戦士α』『磁石の戦士γ』。